fron積みが弱すぎる
このL字を組み合わせたお洒落な土台はfron積みといい、
主に先折り土台の1種として使われている連鎖法です。
このfron積みという名前は、JeSU公認プロプレイヤーであるfron氏が正気ではないほどに愛用していたため、自然と浸透したものです。
このプレイヤー名がそのまま連鎖法の名前として採用されるという流れは、
ぷよらーであれば誰もが愛してやまない「Tema積み」と同じであり、なんならなぜか形も少し似ています。
このfron積みは先折り土台でありながら、速攻展開も構えることができるという、他の土台にはなかなかない武器をもっています。
また土台の上辺が2色しかないために、土台の上に横3を構えやすく、多重折り返しの構築がしやすいのもfron積み特有のメリットと言えます。
連鎖尾部分はやや技術を必要としますが、鶴亀などを利用することで、しっかり火力が出る形を組むことができます。
このように、fron積みは一見非の打ちどころのない優秀な土台のように思えますが、
この土台を主戦法として採用しようとしたとき、至極当然の事態が発生します。
それは、安定して毎試合組めるわけがないということです。
3連結を2つ必要とするため、色の偏り次第では先折り土台でありながら折り返しが一向に完成しない化け物土台と化します。
折り返し部分がスムーズに完成したとしても、後ろに挟み込み連鎖を使えない、という話にならない柔軟性の低さが障壁となり、今度は連鎖尾が崩壊します。
そもそも初手パターンによっては構築がもはや不可能と言えるようなケースさえ存在します。
また速攻土台として使えるという利点についても、確かに速攻を撃てれば強力ですが、もし相手に見抜かれて撃てなかった場合、
速攻のための置き方によって自らの本線火力が犠牲となり、カッスい形でその後を闘う羽目になります。
このように決して簡単ではないものの、卓越した技術力をもってして扱えば非常に強力な土台となるfron積みですが、
この世界には、扱いやすいうえに強いという化け物のような土台が存在します。
それが、先折り土台の王、GTRです。
土台としての固定部分がコンパクトであり柔軟性に富んでいるため、どんなツモだろうと無理なく構築可能という、土台として最強の特性を持ちながら、
折り返し上部は勝手に平らになるので多重折り返しもバチクソ組みやすく、連鎖尾の柔軟性についてはもはや比べるまでもありません。
確かにfron積みの方が捌きやすい初手パターンもあり、そのときだけは気が大きくなりドヤ顔でGTRに挑むことができますが、
それ以外のパターンではボロ負けしているうえに、そもそもそういったパターンでさえ、GTRにとってその柔軟性の前では実は大した障壁にもなっていません。
このように、同じ先折り土台にGTRが存在する以上、世界線が違えば名前がメリ土台になっていたかもしれないfron積みですが、
だからこそみんなに愛され、使われている連鎖法とも言えます。
それが、逆張りの境地、fron積みです。