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【台本】害悪オタク列伝 暇アノン問題編その4:デマに加担した都議たち

導入

 皆さんこんにちは。犯罪学者の新橋九段です。

 今年の4月には統一地方選が行われます。3月23日の知事選の告示を皮切りに多くの地方議会で選挙が行われ、4月9日と23日が投票日となります。
 このチャンネルでは3回にわたっていわゆる暇アノン問題を扱い、陰謀論とデマによって女性支援団体を攻撃する人々とその言説を解説してきました。
 しかし、残念なことに、暇アノンに加担する人々は一般人に限りません。少なくない数の議員やその候補者がデマと誹謗中傷に加わっています。
 そこで、今回からの解説では、暇アノンに加担した議員と候補者たちを徹底解説。統一地方選で絶対に投票してはいけない候補者をご紹介します。

 例によって、動画の台本と参考資料の詳細はnoteで公開しています。概要欄のリンクから是非ご覧ください。

選定基準

 議員とその候補者を紹介する前に、この動画で暇アノンに加担したと判断する選定基準を明確にしておきましょう。
 今回対象となっているのは地方自治体で議員や首長の職にあるものと、選挙に立候補する可能性が高いものです。
 動画制作時点では告示されていない選挙もありますが、正式な告示を待っていては制作が間に合わないので、この時点で可能性が高いものを含めています。
 例えば、元議員であったり過去に候補者だったりした者は、現時点で立候補が明確でなくとも、そうなる可能性が高いとして動画内に含めています。
 なお、地方議員でも国政に鞍替えを表明している議員は除外しています。
 例えば、川崎市議の浅野文直や横浜市議のくさま剛は執拗な攻撃を繰り返していますが、国政への鞍替えが報じられているのでここでは取り上げません。

※追記
 ここで国政に鞍替えした議員として浅野文直を紹介しましたが、浅野は川崎市議選に出馬する予定がありました。次回以降の動画で反映します。

 今回は東京都の都議を紹介し、次回以降の動画で順次、区議やそのほかの自治体の議員を紹介します。
 できる限り情報を収集し網羅したつもりですが、想像以上に人数が多く、漏れがあるかもしれません。
 もし新たな情報をお持ちでしたら、コメント欄へ是非どうぞ。今後の動画で捕捉します。

 さて、暇アノンに加担したと判断する基準は、以下の3つの言動のうち少なくとも1つに該当することです。
 1つ目は暇空のデマを真に受け、肯定的に流布したことです。
 これまで解説してきたように、暇アノンが依拠している主張は悉くデマであり、常識的な判断力があればそうと見抜けるものでした。
 それが出来ず、デマを肯定していまうことは、差別的な動機を有しているか、政治家として求められる判断力を欠くことの証左というほかありません。
 2つ目はColaboの活動場所へ押しかけたことです。
 Colaboはバスカフェなどの活動で、保護対象の女性に門戸を開いて居場所を提供しています。
 この活動場所に、部外者、特に男性が許可なく接近することは活動の妨害であり、許される行為ではありません。
 Colaboの支援対象者はその経験から性暴力や虐待の被害を受けている人も少なくなく、男性に対して不安や不信、恐怖心を抱いていることもあります。
 仮にそうした経験がなくとも、見知らぬ男性がうろちょろしていればバスカフェへ近寄りがたくなってしまい、活動の目的も果たされなくなります。
 こうした背景から、Colaboは暇アノンによる妨害以前から、バスカフェへの部外者の許可のない接触を拒否しています。
 もちろん、妨害者は妨害目的で接近したことを否定するでしょう。
 しかし、意図にかかわらず、こうした行為は妨害になるものですから、暇アノンへの加担であるとも解釈すべきです。
 常識的な想像力や情報収集能力があればこうした事実にはすぐに行き着きますから、バスへの押しかけはそのような能力の欠如を示すものでもあります。
 3つ目は、会計の不正の追求を肯定する言動です。これには議会でこの問題を会計の問題として取り上げ、「疑惑」を追求する行為も含まれます。
 疑惑の追及は良いではないかと思う人がいるかもしれません。
 しかし、これまで見てきたように、暇アノンによる行為は疑惑を明らかにすることを目的としておらず、その目的に適う内容でもありませんでした。
 この攻撃に乗じて「疑惑」の追及を行うことは、騒ぎを利用して自分の名前を売ろうとする行為、あるいは追及のふりをした攻撃に他なりません。
 「疑惑」の追求がその名を借りた攻撃であり、追及というにはあまりにもお粗末な内容であることは、この動画の解説を見てもらえばわかるでしょう。
 疑惑の追及が目的なら、陰謀論レベルの主張を繰り返すことはあり得ませんし、本気で追及しているつもりなら能力が低すぎると言わざる得ません。

東京都議編

伊藤ゆう(都民ファーストの会)

 最初は目黒区選出、都民ファーストの伊藤ゆう都議です。
 彼は公表された監査の結果に名前があることからもわかるように、監査委員を務め、Colaboにかかわる監査にも参加しています。
 そんな彼ですが、なんと、『会計報告に不正があったと明記しています』と監査委員ならありえない間違いを投稿してしまっています。

 言うまでもなく、監査では不正は見つからず、いくつかが不適切だと指摘されたにとどまりました。自分が監査をしておいてどういう誤認なのでしょうか。

 伊藤都議はその後、訂正し投稿を削除ましたが、監査委員の不用意な発言が暇アノンたちに正当化の道具とされたことは言うまでもありません。
 発言の内容から単なる誤記とは考えにくく、意図的でないにせよ、差別的な動機による思い込みがあったのではと評価されてもやむを得ないでしょう。

 なお、暇アノンとは別件ですが、伊藤都議は英語スピーキングテストに関する質疑の際、酷いヤジによる妨害に及んでいたことも指摘されています。[1]
 有権者の中には、ぶっちゃけ女性支援について全然興味ないという人もいるかもしれません。
 しかし、ある問題で出鱈目な言動を行う議員は、別の問題でも同様の行為に走っている可能性が高いと考えるべきです。
 興味のない問題だからといって放置するのではなく、別の問題を炙りだす機会にもしていただければと思います。

浜中のりかた(自由民主党)

 ここからは自民党の都議です。えぇ、一人じゃないんですね。自民党の暇アノン議員は。
 まず紹介する西東京市選出の浜中のりかた都議は、暇アノン問題が激化して以降、Twitterではほとんどこの問題についてのみ発信しています。
 発信の際には暇アノンが好んで使うハッシュタグを多用していますから、その立場は明白でしょう。

 例えば、この投稿にある「#WBPC問題」というのは、暇空が標的としている女性支援団体の頭文字をとった用語です。
 もちろん、その団体に存在している疑惑というのは、Colaboに対する難癖と同じレベルのものにすぎません。
 ですが、彼らは支援団体が繋がり不当な利益を得ているという陰謀論を信じています。いわゆる「公金チューチュースキーム」「ナニカグループ」です。
 また、この投稿では監査の対象になることそれ自体が不正の傍証であるかのように書いていますが、監査自体は請求の形式が整えば行われるものです。
 暇空の全敗請求ですら監査自体は実施されましたから、監査の実施それ自体が不正の証拠にならないことは明白です。
 このような印象操作を煽るのは、監査の結果が明白になる前に悪印象をばら撒き、攻撃の手段とするためだと断じて構わないでしょう。
 税金で碌をはみながら、やることが都の事業を委託している民間団体への言いがかりとは、地方議員のやることとは到底思えません。

川松真一朗(自由民主党)

 もう一人、暇空と積極的に同調してColabo攻撃に加担しているのが墨田区選出の川松真一朗都議です。
 川松都議については暇空から『連携します』という記事が出ているくらいですから、説明不要とすべきでしょう。

 最近では、暇空を肯定的に報じている唯一の新聞社であるフジサンケイグループのメディアに顔を出しています。『正論』にも寄稿がありました。
 『正論』での寄稿では予算の増額を攻撃し、最近では契約の過程に問題があると主張することで、あたかも支援団体に非があるかのように訴えてます。
 ですが、仮に主張が事実だったとしても、いずれも都政の問題でしかなく、事業を委託された民間団体の責任にすることはできないというものでした。
 川松都議の立場を考えれば、自分たち都議会のチェック機能の不備の責任を民間団体へ押し付けているとも解釈することが出来ます。
 もっとも、この辺の問題は少々込み入って難しいせいなのか、暇アノンもあまり振りかざしてこないのが皮肉で面白いですね。
 陰謀論者は単純な矛の方が好みらしいです。

松田やすまさ(自由民主党)

 板橋区選出の松田やすまさ都議も自民党に所属する都議です。また自民党か。
 松田都議もTwitterで、同僚の川松都議の陰謀論質疑を肯定的に拡散しており、暇アノン議員と認定すべきでしょう。
 もっとも、都議が自分と同じ党の議員の質疑を肯定的に広めるのは当然であり、この基準で言えば自民党都議は全員暇アノンになりそうですが。

 なお、松田都議が投稿している画像は、おそらくですが最近暇アノンで流行っている印鑑偽造陰謀論のそれだと思われます。
 この陰謀論は、印鑑の日付部分だけ鮮明だとか、フォントがちょっと違うという理由で押印の捏造を疑うというものです。
 もっとも、そこを捏造して何がしたいんだという部分が決定的に欠落しており、陰謀論にしても説得力がない場当たり的なものに過ぎませんが。
 私の推測では、たぶん印鑑にガタが来ており日付を変える中央部分が盛り上がっているだけだと思います。新しいやつを買ってあげてください。

伊藤しょうこう(自由民主党)

 松田都議が投稿していたのはなぜか、八王子市選出の伊藤しょうこう都議の質疑のものでした。
 本人が投稿しろよと思うかもしれませんが、伊藤都議のアカウントは去年の夏を最後に更新が止まっており、そのせいかもしれません。
 ともあれ、印鑑陰謀論という暇アノンの中でも特にくだらないものを真に受けて質疑をしてしまう伊藤都議もまた、暇アノン議員とみていいでしょう。

吉住はるお(自由民主党)

 自民党が5人目です。もう組織的な関与と言っていいですね、自民党と暇アノンは。
 吉住はるお都議は新宿区選出の議員で、彼は3月9日に暇アノンに同調した質疑を行っています。
 彼の質疑の内容は、バスカフェなどのアウトリーチ活動のチェックができていないというものでした。
 もっとも、すぐに書面でのチェックが行われていると否定されていましたが。
 Colaboの活動が現地でチェックできていないという点に関しては、新宿区議会でも取り上げられています。
 確かに、都や区の職員が直に活動を視察するというかたちでのチェックは行われていないようで、吉住都議の質疑はこれに乗じたものだと思われます。
 ただ、職員が直に活動場所へ赴けないのは活動の性質による事情と、行政側の失態で問題が生じた側面があり、Colabo側に非があるわけではありません。
 この点は次回の暇アノン区議解説でもう少し詳しく触れる予定です。

上田令子(自由を守る会)

 江東区選出の上田令子都議は3月14日の都議会厚生委員会において、Colaboが政治活動を行っていることを問題視する質疑を行っています。
 ここでの主張は、委託事業者が政治活動を行うことが好ましくないというもので、暇アノンの初期の主張をなぞるものと言えます。
 今ではすっかり忘れられた論点ですが、彼らはColaboが政治団体であるかのように印象操作することで、「疑惑」の背景に政治的意図があるかのように訴え、税金も政治的目的のために流用されたかのように主張していました。
 もっとも、その委員会で否定されているように、委託事業者が政治活動を全くしてはならないという規定はありません。
 また、Colaboは政治活動を主目的とする団体でないことも明らかですから、政治団体であるという訳でもありません。
 上田都議の質疑が特に問題なのは、委託を受けた事業者が全般的に政治活動をしてはならないかのように主張している点です。
 もし都議の主張が正しいということになれば、都の仕事を受け持つ事業者がみな政治的な主張をしてはならず、口をつぐまされることになってしまいます。
 氏は地域政党である「自由を守る会」の代表ですが、いったい何の自由を守っているのでしょうか。

まとめ

 というわけで、暇アノンに同調、加担した都議6名を紹介しました。うち4名が自民党という状態でしたね。
 もちろん、ここに登場した都議はあくまで私が調べた限りのメンバーです。他にも暇アノンに加担した都議があれば情報お待ちしています。
 また、統一地方選に向けて、投票してはいけない議員の情報はぜひ都内で選挙権を持つ方に拡散していただければと思います。
 税金で禄を食みながらやってることが民間団体叩きなんて議員は、一人でも少ないほうがいいですからね。
 それでは、今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。
 高評価、チャンネル登録をよろしくお願いします。ではまた次回。

脚注・参考文献

[1]悪質やじに謝罪要請 都ファに共産など3会派

金のない犯罪学者にコーヒーを奢ろう!金がないので泣いて喜びます。