【台本】害悪オタク列伝 暇アノン問題編その3:全否定された「不正」疑惑完全解説
害悪オタク列伝。これは、オタクたちの傍若無人な振る舞いを解説し、事実を記録するシリーズである。皆さんこんにちは。犯罪学者の新橋九段です。
今回も暇アノンによる女性支援団体攻撃について解説します。
2023年1月4日に公開された監査の結果、Colaboの会計に少なくとも不正がないことが明らかになっています。[1]
攻撃こそ止んでいませんが、流石に旗色が悪いと察したのか、暇アノンたちは攻撃の矛先を「不当」とされた会計の細かいところへと変えつつあります。
しかし、誤魔化されてはいけません。そもそも暇アノンたちの主張は、Colaboが会計で不正を行い私腹を肥やしているというものでした。
自ら疑惑を吹っかけておきながら、監査で否定されるとそんな主張がそもそもなかったかのように目を逸らし、別の理屈で攻撃する。
こうした論点逸らしと五月雨式のデマの流布はデマゴーグの常套手段ですが、このようなことは認めてはなりません。
彼らは別の「疑惑」を持ち出す前に、いわれもない疑惑を主張し攻撃をした過ちをきちんと認めるべきでしょう。
今回は「不正」疑惑の中身を解説し、彼らの主張がいかに出鱈目であったかを明らかにしていきます。
彼らのかつての主張の中身をきちんと理解すれば、他の主張もいい加減な根拠に基づくトンデモであることが自ずとわかるはずです。
なお、今回も動画の台本と参考文献の詳細は、概要欄のnote記事からご覧いただけます。そちらもぜひ確認してください。
監査の結果:①宿泊支援費
では、ここからは監査の結果を検討していきます。
暇空はColaboの「疑惑」について、手当たり次第思いついた順に無数の主張をしており、その内容は現在進行形で変化を続けています。
そこで、今回は監査の結果でまとめられている「請求の内容」を基に、どのような主張が行われているかを検討します。
なお、監査は暇空の主張を9つの論点にまとめて検討しています。この動画でも、監査のまとめに倣って話を進めることとします。
(なお、台本中の脚注において[監査〇]などと記されている場合、それは監査の結果の〇ページに当該の内容が記載されていることを意味する。〇には数字が入りページ数を指す)
疑惑の主張、最初は宿泊支援費についてです。
暇空はこれについて、計画では1泊1万円で300泊分となっているのに、実際は232泊しか支援されず、足りない分が過大に計上されているとします。
しかし監査は、実績の宿泊数が計画とは異なるものの、実際の費用が経費として計上されていることが確認できるとして暇空の主張を退けました。[監査19]
暇空の主張はそもそも、委託事業の宿泊支援費において1泊1万円の上限があるという思い込みから出発しているものです。[監査1]
実際にはそのような上限は存在せず、1泊1万円というのは単なる計画段階での目安に過ぎませんでした。
監査の結果においても、宿泊費の上限については一切言及がありません。このことからも、委託事業で宿泊費に上限が存在しなかったことは明らかです。
ちなみに、暇空はTwitterにおいて、資料の断片的な画像を示しながら、宿泊費の上限が1泊1万円であることを示そうとしています。
しかし、Colaboの説明によれば、ここで示された画像の書類は委託事業とは別の、「緊急自殺予防対策」のものであるようです。
この対策では都との取り決めで、宿泊費に上限があったようです。しかし、これは委託事業とは関係がないものなので何の証拠にもなりません。[2]
暇空はこの書類を、都への開示請求で手に入れているようです。であれば、写真に撮った書類が委託事業とは別のものであることはわかっていたはずです。
意図的に切り取ってデマを流布しているにせよ、書類の区別をつける能力すらなかったにせよ、彼が信頼できない語り手であることは間違いないでしょう。
なお、宿泊費が1泊1万円を超えている点について、高額過ぎるという主張も目にしました。しかし、これも支援の実態を理解していない主張に過ぎません。
宿泊支援は、行き場のない少女たちの一時的な避難先を見つけて保護を行うためになされるものです。
その性質上、都内で急に宿泊先を探さなければならず、一般的に考えられる宿泊費よりも割高になってしまうのはやむを得ないことです。
以前の動画のコメントではGo toトラベルを用いれば宿泊費を安くできると主張する人もいましたが、これも実態を知らない机上の空論です。
Go toトラベルは事前の予約が必要だったり、宿泊先が一定の条件を満たし施策に参加している必要があるなど、細かい条件が存在します。
不意に宿泊先が必要となる支援の場面で、そのような条件を満たせる可能性は低いでしょう。現実味のない発想と言わざるを得ません。
②車両関連費
2つ目は車両関連費です。ここは暇空の主張が不明瞭なので、わかりにくいですがご容赦ください。
暇空の主張をまとめる前に結論だけ言ってしまうと、監査ではこの点についても確かに支出していることが確認され、不正は認められませんでした。[監査19]
監査にまとめられた内容やnoteの記事の内容を確認する限り、彼の主張は2つに大別できます。
ひとつ目は駐車場の疑惑です。暇空は駐車場が3か月だけ契約されていることから、委託事業とは別の目的があって契約していると主張します。[監査19]
ここで主張されている別の目的とは、選挙活動でしょう。暇空は自身のnoteでその旨を主張し、Colaboが政治団体であるかのようにも主張していました。
しかし、この主張も、駐車場を契約するなら1年単位で会計に計上しなければおかしいという、一方的な仮定に基づくものに過ぎません。
実際には、監査以前には、委託費用の範疇に収まるように、契約費用の一部だけを計上することが認められていました。[3]
監査以前、Colaboは委託費用である2600万円に収まるもののみ実績に計上するという方法で都へ報告を行い、都もこれを是認していました。
こうした事情から、金額が2600万円に収まるよう調整するために、駐車場の契約期間を中途半端に計上することとなったのでしょう。
もうひとつはタイヤに関する疑惑です。
暇空は計画について、毎年タイヤを交換しているかのようになっており異常であると主張します。
また、バスのタイヤについて、未だに2014年製のものを使用していることから、毎年タイヤ代として計上された費用は空請求であるとも主張します。[監査2]
しかしこれは、計画と実績の区別がこんがらがっている議論ではないかと思われます。
確かに、Colaboは毎年車両関連費としてタイヤにかかる費用を計画では計上しています。しかし、実際にタイヤを交換するかどうかはその時々の様子次第です。
そして、計画は所詮計画ですから、変更にも問題はありません。2014年のタイヤを未だに使っているのも、単に交換の必要がなかったからでしょう。
もっとも、そもそもここは暇空の主張が曖昧で、実績を指しているのか計画を指しているのかわかりにくい書き方になっています。
監査請求という大事な場面ですから、自分の主張が誤解なく伝わるように言葉を尽くすべきだと言えるでしょう。
③旅費交通費
3つ目は旅費交通費です。ここは車両関連費ともかかわるところで、ガソリン代が過剰計上であるという主張です。
彼はColaboが所有しているバスの使用頻度、駐車場と活動場所との距離、車両の燃費や当時のガソリン代を考慮した試算を行い、実際の使用状況よりも過大にガソリン代を請求していると主張しています。[監査2]
しかし、この試算は極めて杜撰で穴のあるものでした。
なぜならこの試算は、すべての車両が必要最小限度の移動にのみガソリンを使うという、かなり限定的な場合にのみ成立するものだからです。
実際には、ガソリンは駐車場とバスカフェの実施場所との往復以外にも使用されています。
例えば、バスがバスカフェの最中に車内の冷暖房や電気設備を稼働させるため、エンジンをかけっぱなしにしている可能性は十分考えられます。
また、Colaboはバス以外の車両も所有していますが、こうした車両は遠方の支援対象者を迎えに行くなどの活動にも使用されているものです。[3]
このような活動に使用されるガソリン代も含めれば、暇空の試算通りの結果とにならないのは当然です。
もちろん、監査ではガソリン代がきちんと支出されていることが確認され、暇空の主張は退けられました。[監査19-20]
④通信運搬費
4つ目は通信運搬費です。暇空は通信費の合計金額が合わないと指摘しており、これは認められました。やったね。[監査2][監査20]
まぁ、ただの誤記でしたが。
少し補足をすれば、不正というのは意図的に会計を操作したという証拠が明らかにならない限りなかなか認められないものと思われます。
帳簿上の数字が違うというだけでは、単なるミスの可能性も十分あるので、監査も適当ではないという以上の表現はしないのでしょう。
このミスが意図的な不正であると頑張る人もいるかもしれません。
ですが、前回解説した通り、全体の数字を見る限りでは、Colaboが意図してこのような操作をしたとは到底考えられないでしょう。
⑤会議費⑥法定福利費
5つ目と6つ目は同じ構造の主張がなされているため、同時に解説させてもらいます。
そして、率直に言えば、ここは少し私の理解に自信がないところです。
というのも、ここでは甲②と甲③の書類を見比べるかたちで主張が作られているのですが、甲③の書類が具体的に何なのか確かめるすべがないからです。
おそらく、甲③はColaboが毎年発行している、団体の活動全体を報告する書類を指していると思われます。
ですが、監査の結果では団体名が匿名化される都合上、具体的に書類の名前が示されることがなく、本当にこれであっているかは正直分かりません。
ちなみに、甲②が委託事業の実施状況報告書であることは監査の結果を読む限り明らかです。
なのでここでは、もっとも妥当であろう解釈として、暇空が委託事業の実施状況報告書と全体の活動報告を見比べているという前提で話を進めます。
さて、監査の論点の5つ目は会議費について、6つ目は法定福利費について、いずれもColaboの報告書の額より実施状況報告書の額の方が大きく、実態より過大な額を請求しているとしています。
しかし、そもそも暇空が見比べている書類は全く性質の異なるものであり、同じ名称で呼ばれている金額の分類や内訳が全く同じである保証はありません。
もちろん、団体が自ら発行している報告書と、都への実施状況報告書で全く同じ分類のルールを用いなければいけないという決まりもないでしょう。
ですから、例えば同じ法定福利費でも、Colaboの報告書と実施状況報告書では微妙に違うものを指している可能性があるのです。
暇空はこの主張をする際に、Colaboの団体としての報告書から、会議費や法定福利費にあたる額を自ら足し合わせて計算しています。
この際、本来会議費や法定福利費とすべきだった金額を取りこぼし、全体の報告書の額が実施状況報告書の数字より小さくなったという可能性もあり得ます。
私もそうですが、会計処理の素人から見ると、どのような費用が何をもって会議費や法定福利費と分類されるのかはわかりにくく、難しいものです。
少なくとも、監査は会議費についても法定福利費についても支出を確認しており、不正は否定されました。[監査20]
⑦医療費
7つ目は医療費についてです。
Colaboは委託事業とは別に、連携している産婦人科医からの支援で、支援対象者が医療費負担なく医療を受けられるようにしていました。[3]
2021年には約69万円分が支援されています。[4]
暇空はこの支援を取り上げ、支援で無料になっているにもかかわらず、その分の医療費を委託事業の費用として計上していると主張しました。[監査3]
つまり、経費の二重取りのようなことを行っていたとする主張です。
しかし監査の結果では、産婦人科医からの支援による医療費と委託事業の実績となっている医療費は全くの別物であることが指摘されました。
もちろん、実際に医療費が支出されていることも確認され、暇空の主張は否定されることとなります。[監査20-21]
この主張は単純な想像力不足によるものだと推測できるでしょう。
Colaboは医療費の支援を受けているとはいえ、それで医療費のすべてをまかなえるわけではありません。
かかった医者全員がColaboを支援しているというわけでもないと思われます。
ですから、元々の支援とは別に、医療費が必要になる場面が生じうることは当然考えられます。彼はそのことに思い至らなかったのでしょう。
さらに言えば、偶然の類似を自分の都合にいいように解釈するというミスも犯しています。
Colaboが支援された医療費は約69万円、委託事業の会計で挙げられた医療費は65万円と、偶然ですが類似しています。
暇空はこれを見て、金額が似ているところから二重取りというシナリオを思いついてしまったのかもしれません。
もっとも、本当に二重取りであるならば、2つの金額に4万円の開きがあることに違和感を覚えるべきでしたが。
偶然の一致を必然であるかのように解釈する傾向は陰謀論者のそれであると言えます。
⑧人件費
8つ目は人件費です。暇空の主張は、税理士や社労士の人件費は委託事業と関係なく発生するため経費に含めるべきではないというものでした。
これについて監査は、経費に含めること自体は問題ないとしました。
一方、人件費の按分に問題があり、全てを経費に含めることは妥当ではないともしています。[監査21]
この点は前回触れた「不当」な会計でも簡単に触れています。
というわけで、ここは珍しく暇空の主張が部分的に認められました。
もっとも、あくまで不適切な処理であり、不正であることは認められていません。
⑨実施状況報告書の信憑性について
最後は、相談人数や相談件数についてです。
暇空は実施状況報告書で報告された相談人数や相談件数が、Colaboが独自に公表している報告書と異なっており、水増しの報告であると主張します。[監査5-6]
結論から言えば、ここでも不正は否定されています。
会議費や法定福利費と同様に、性質の異なる2つの報告書の間で数字に違いがあることは、それだけでは不正の証拠には一切ならないからです。[監査21]
暇空は様々な数字について水増しを主張しますが、全て同じ論理で否定できますから、ここでは代表的な主張として長期保護の人数を挙げます。
暇空はこの人数について、実施状況報告書では0人となっているのに、Colaboが団体としての報告書の中で何十名も保護していることになっているのはおかしいと主張しています。
しかしこの主張は、実施状況報告書が報告する活動の範囲と、Colaboの団体としての報告書で報告される活動範囲が完全に一致しているはずだという、暇空が勝手に決めた前提を自明視しているだけのものに過ぎません。
実際には、Colaboは委託事業以外にも自主的な事業を多く行っています。
実施状況報告書には委託事業の活動についてしか書かれないため、団体の活動全てを報告する書類と数字に乖離が生じるのは当然です。
また、実施状況報告書と団体の報告書では報告される期間にも差異が生じている可能性があり、そうした違いによっても数字が乖離し得ます。
都としては委託事業の活動実績が正しく報告されていることが重要であり、それ以外の報告書との整合性は関心の埒外なのでしょう。
というか、むしろ委託事業以外の成果を混ぜて報告される方がまずいと思われます。委託事業の様子を正しく把握できなくなりますから。
そういう理由から、2つの書類の数字の違いを根拠に不正を言い立てる暇空の主張は、詳しく検討されることすらなく否定されています。
ちなみに、ここには論理のねじれも見て取れます。
暇空は実施状況報告書より団体の報告書のほうが数字が多く、水増しであると主張しています。
しかし、もし委託事業において不正会計があると主張するのであれば、実施状況報告書の数字が水増しされて増えていなければおかしいはずです。
不正会計の目的は、実体のない支出を捏造して私腹を肥やすことであるはずで、そのためには実績を多く見せかける必要があるからです。
また、実績が大きいことは次年度以降の契約にも好都合であるはずですから、水増しするのであればやはり、実施状況報告書の数字を増やすはずです。
不正をしているにもかかわらず、委託事業における長期保護の人数が0名のままだというのは極めて奇妙な状況であると言わざるを得ません。
仮に、Colaboの団体としての報告書のほうが水増しだと主張するのであれば、監査としてはそれはそれで奇妙なことになります。
何故なら、監査の仕事は都の会計を確かめることであり、民間の団体が自主的に発行している報告書の内容を検討することではないからです。
仮にこの報告書に不正があるとしても、監査はそんなことを言われても仕事の範囲じゃないから困る、ということになるでしょう。
まとめ
では、ここまでの内容をまとめて今回はおしまいとしましょう。
監査は暇空の主張を9つの論点にまとめ、それぞれで検証しました。
その結果、全てにおいて不正は認められず、Colaboの会計に不正があると主張していた暇空は全敗という結果に終わりました。
ただし、2つについてはミスや不適切な会計が指摘されています。
このことから、最大限好意的に解釈すれば、監査における暇空の戦績は9戦0勝7敗2分、といったところでしょう。
不正の主張をそれぞれ検討したことで分かったと思いますが、暇空の主張の多くは自分に都合のいい前提を一方的に押し付けることで成立しています。
もちろん、そのような前提は正しいという保証がどこにもなく、正しくない前提に基づく主張は当然ながら間違った結論を導いています。
今回は監査で触れられている内容だけを紹介しましたが、暇空の主張はおおむね全てこんな調子です。
今回の件については、監査によってきちんと会計が精査されたのだからいいではないかという人もいるかもしれません。
また、監査前には暇空を信用していた人で、監査後に疑惑が晴れたとして態度を翻した人もいるかもしれません。
しかし、内容を検討してわかった通り、そもそも監査を待つまでもなく、暇空の主張は到底信用できる水準のものではありませんでした。
ですから、監査は本来であれば必要のない無駄な作業と負担に過ぎませんでした。
以前解説した動機を含めて考えれば、私怨に基づく嫌がらせのために無理筋ないちゃもんを捻りだし、監査という制度を悪用したと評価すべきです。
今後の動画では、監査では触れられなかったものの、監査以前に流布されて誹謗中傷を加速させる原因となったデマについてもいくつか解説する予定です。
また、統一地方選が近いことから、暇アノンに加担した地方議員や候補者を一挙に解説する動画も作成する予定です。お楽しみに。
では、今回の動画はここまでです。最後までご視聴ありがとうございました。
高評価、チャンネル登録をよろしくお願いします。
今回の台本と参考文献の詳細は概要欄のnote記事にありますので、そちらもご覧ください。
それでは次回、お会いしましょう。
注釈・引用文献
[1]東京都若年被害女性等支援事業について当該事業の受託者の会計報告に不正があるとして、当該報告について監査を求める住民監査請求監査結果
[2]ホテルの宿泊費についての不正が監査結果で否定されたこと
[3]Colabo及び仁藤夢乃さんに対する誹謗中傷等について
[4]一般社団法人Colabo 2021年活動報告書 p11