
くだけねこのくびにすず
くだけねこのくびにすず
スター気取りになってうるさいこと
*稲村さんの解説*
2020年をまじかに控えイノシシさんに代わり1年間の大将をつとめるネズミさんは言いました。
「年開け前に全てのネコに鈴をつけるチュー。そうすると襲ってきてもすぐ分かるチュー。」
もれなくいつも呑気なくだけねこも、寝ている間に鈴をつけられてしまいました。それに気づいたくだけねこは「にゃにゃ!ついにおいらもこくみんてきあにめにでるにゃ」と言って大喜び、さらにお腹にポケットを書き加えると、「どこでもどあにゃ」「たけこぷたあにゃ」と発声練習を始めるではありませんか。呆れたネズミさんはくだけねこに近寄ってみましたが夢中で全く相手にしてくれません。おまけに大好きなおかきを渡しても「すきなたべものはどらやきにゃ」と言い出す始末。
とうとう耐えれなくなったネズミさんは、いつもの呑気なくだけねこに戻ってもらいたくなりました。そしてくだけねこが疲れて眠っている隙にそっと鈴を外すのでした。
起きてから鈴が無くなっている事に気づいたくだけねこは「にゃんだ。ゆめにゃったか、やっぱりおかきのほうがすきにゃ」と言ってネズミさんがくれたおかきを食べながら満足げに二度寝を始めるのでした。それを見てほっと胸をなでおろしたネズミさんは「せめてトムとジェリーにしてくれたらオラも出番あったちゅー」と言って笑いました。
*本来の使い方*
猫の首に鈴をつける
(ネズミたちが猫から身を守る方法はないかと相談し、猫の首に鈴を付けておいてその鈴が鳴ったら逃げるのが一番良いということになったが、いざ誰が猫の首に鈴を付けに行くかとなると、そのような危険なことを実行するネズミはいなかったという西洋の寓話から)いざ実行となると、引き受け手のない至難なことのたとえ。