今週の暗号資産レポート ETH MergeとPoSの移行に向けた市場の動向
目次
暗号資産市場の概要
アルトコインの上昇率トップと下落率トップ
今週のニュースハイライト
-イーサリアムは今週、PoSへの移行を予定
-FRBが2023年に金利を引き下げる可能性
-Terra(LUNA)過去1週間で急激な上昇
-マイクロストラテジーが5億ドル相当のビットコインを購入予定
-インドネシア政府、独自の暗号取引所を設立へ
-CardanoはまもなくVasilハードフォークに向け準備中暗号資産の注目イベント
大幅な下落が落ち着き、少し安定してきている暗号資産市場。先週は良いニュースがあり、少し回復傾向にあります。先週の金曜日には、インフレの低下がFRBや他の中央銀行の金利を2023年には引き下げれるように説得することができるかもしれない、という楽観的な見方からビットコイン(BTC)が10%以上もの急騰をしました。さらに時価総額第2位のイーサリアム(ETH)も、ブロックチェーンがProof of Work(PoW)からProof of Stake(PoS)のコンセンサスへ移行するThe Mergeに向けて、投資家が準備を進め同じように上昇してきています。
24時間で暗号資産市場の取引高は20.79%上昇して832億ドルとなり、前週と比べ大きく跳ね上がりました。暗号資産市場の時価総額は、前週に重要なポイントである1兆USDを下回ってしまいましたが、そこから反発して1.06兆USDをマークしました。
暗号資産市場の大きな動きと、市場を動かす可能性のあるニュースについて紹介していきます。
暗号資産市場の概要
ビットコインは意識のされやすい20,000USDを下回った後、そこから反発し21,000ドルを超えました。金曜日に10%以上の上昇を見せたビットコインは、インフレのコントロールによってFRBが金利を引き下げる可能性があるという期待から、楽観的な投資家が増え買いが入っている印象です。
一方、イーサリアムはMergeの日付が近づくにつれ、1,700ドルの大台に再び飛び乗りました。大手検索エンジンのGoogleもこのイベントのカウントダウンを追加したため、この熱気は暗号資産愛好家だけでなく世界的にも波及しています。イーサリアムは今週9.37%上昇しています。
過去1週間で最も大きな上昇を見せたアルトコインはTerra(LUNA), Golem(GLM), Ravencoin(RVN)です。LUNAは166%以上急騰し、GLMがそれに続き83%上昇しました。RVNは先週66%上昇し、暗号資産市場全体で3番目に高い上昇銘柄となりました。
反面、いくつかのコインは下落を見せています。しかしその下落はその以前までの週と比較すると小さいものでした。アルトコインの中で最も大きく下落したのは、Next(NEXO)が5.94%下落、UNUS SED LEO(LEO)が2.54%下落、Fei USD(FEI)が0.35%下落しました。
アルトコインの上昇率トップと下落率トップ
アルトコイン上昇率トップ
Terra(LUNA) +166.47%
Golem(GLM) +83.94%
Ravencoin(RVN) +66.78%
アルトコインの下落率トップ
Next(NEXO) -5.94%
UNUS SED LEO(LEO) -2.54%
Fei USD(FEI) -0.35%
今週のニュースハイライト
暗号通貨市場の中で注目すべき大きなニュースと、市場を動かす可能性のある最新情報をご紹介します。
イーサリアムは今週、PoSへの移行を予定
イーサリアムのMerge(イーサリアム2.0)はイーサリアムブロックチェーンがPoWからPoSに移行します。これは今までの暗号資産市場のニュースの中でも非常に大きなニュースです。何年も延期や批判が繰り返されてきました。DApps主要なプラットフォームは、Mergeに向けてアップデートをしています。
6年間の作業を経て、Mergeは推定で2022年9月15日に実現すると見られています。移行は、PoWイーサリアムブロックチェーンの最終ブロックをマイニングするために必要な閾値であるTinal Total Difficulty(TTD)に到達したときに発生します。この後、PoSコンセンサスが引き継がれ、世界で2番目に人気な暗号資産とその基礎となるブロックチェーンに新しい時代が展開されます。
FRBが2023年に金利を引き下げる可能性
先週金曜日、世界の金融市場では、インフレの冷え込みがFRBに積極的な利上げ計画を縮小させる可能性があると楽観的な見方が広がっていました。そして今週、米国で発表される消費者物価指数に注目が集まっています。
予想より軟調な数値は、暗号資産を含むリスク資産の上昇を手助けする可能性があります。INGのアナリストは、ガソリン価格が下落を続け、住宅価格が低くスライドした場合、米国中央銀行が2023年6月までに金利を引き下げる可能性が高いと予想しています。
この動きは、投資家が株式や暗号市場などのよりリスクの高い商品を買い戻すことを促す可能性があります。暗号資産市場は、FRBや他の中央銀行による利上げの懸念からかなりの下げ圧力を受けており、市場から流動性が流出しているのが現状です。
Terra(LUNA) 過去1週間で急激な上昇
暗号資産市場で最近急激な上昇を見せたのがTerra(LUNA)です。日曜日に最高$6.32まで急騰した後、スポットライトを浴びました。
その後約20%下落し、6ドル以下に落ちたました。LUNAの価格は、コインが初めて市場に登場した2022年5月からのATLよりもはるかに高いままですが、投資家が大きく利益を得ていることから、月曜日には軟調になるかと思われます。
最近の強気な動きは、テラコミュニティが10月4日まで1900万以上のLUNAトークンをエアドロップするための提案を承認したことに起因している可能性があります。またLUNCコミュニティが1.2%のタックスバーンを課すという提案も、LUNC保有者がLUNAを買うためにLUNCを売り、LUNAを高くしている可能性があります。
マイクロストラテジーが5億ドル相当のビットコインを購入予定
SECへの最新の提出書類で、マイクロストラテジーが5億USDのクラスA株を売却する計画を明らかにしました。株式の売却益は、ビットコインの購入に充てられる予定です。
同社は既にビットコインの企業としての最大保有者であり、この動きでBTCの保有を強化する計画です。マイクロストラテジーのビットコイン購入計画は、ビットコインが2万ドルの大台に近づいていることから、投資家の信頼を高め、短期的に個人投資家の間で暗号通貨の購入活動を活性化させる可能性があります。
インドネシア政府、独自の暗号資産取引所を設立へ
暗号資産市場のムードを盛り上げるもう一つのエキサイティングなニュースは、インドネシア政府が早ければ2022年末に独自の暗号通貨取引所を立ち上げることを検討しているというものです。この動きは、規制の観点から暗号資産の合法化に向けて一石を投じ、国民の暗号資産への関心が高まる中、消費者を保護することを目的としています。
インドネシア政府による公式暗号通貨取引所は当初、2021年に計画されていましたが、政府は立ち上げ前に市場のあらゆる側面をカバーするために慎重な姿勢で臨んでいます。このような展開は、個人投資家の暗号資産への関心を高め、市場に対する機関投資家の投資を促進することができます。
CardanoはまもなくVasilハードフォークに向け準備中
Cardanoの大規模なアップグレードであるVasilハードフォークは、9月22日に予定されています。ブロックチェーンの開発会社であるInput Output Hong Kong (IOHK)がアップグレードを発表して以来、Cardanoに大量の購入が入っています。
Cardanoのメジャーアップグレードにより、ネットワークはよりスケーラブルになると同時に、取引コストが大幅に削減されます。イベントに先立ち、Cardanoには、特にクジラや大口保有者の間で買い意欲が高まっています。
暗号資産の注目イベント
-2022年9月14日 - eCash(XEC) - メインネットポストコンセンサス
-2022年9月15日 - イーサリアム(ETH) - メインネットマージ
-2022年9月15日 - Modefi(MOD)- パブリックベータリリース
-2022年9月15日 - Ambrosus (AMB) - AirDAOローンチ
-2022年9月15日 - Keep Network (KEEP) - ステーキングの提供開始
-2022年9月15日 - HyperonChain (HPN) - テストネットの立ち上げ
-2022年9月15日 - Wam (WAM) - トークン・バーン
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