金欠大学生こそ骨髄バンクドナーになれ~日給2万非課税ってマジ?~


1,はじめに


 結論から言うと、骨髄ドナー提供をすると地方自治体からの給付金として入院1日につき2万円が給付される地域があります。大学生の大敵、103万の壁も給付金なので気にする必要がありません。私は検査と三泊四日の入院をして計14万円(上限値)を自治体からもらいました。月給とほぼ同じ。激アツです。後遺症などもありませんでした。病院に平日行く必要があったり、健康さ(若さ)が重要だったりと大学生が最も適していると思ったのでこの記事を書いています。

 登録したきっかけ、手術までの流れ、拘束時間、手術の様子、大学の授業欠席の扱いなどを記していこうと思います。(すべて終わってから書き始めたので曖昧だったり間違っていることも多いと思うので、情報を鵜吞みにせず公式ホームページ等を参考にしてください)

 この記事を読んで、不純な動機だろうとドナー登録をする人が少しでも増えたらと思います。「金目当てかよ」と批判する暇があったらドナー登録して献血に行って必要な人を救え!

2,きっかけ

 登録したきっかけは、ドリンクバーとして献血で時間を潰していたときに、骨髄バンクの方に声をかけられ説明を受けました。献血で採取する際に血液でそのまま登録ができるということ、骨髄提供の強制力はなく登録のデメリットは特にないと感じたことから登録に同意しました。別にスタッフの方が可愛かったからではないです。成人していたので親には事後報告しました。(親のこだわりが強かったり、血に関する宗教の方だったりする場合はしっかり話し合いましょう)

 登録してから1年ほど特に連絡はありませんでしたが、急に【あなたと患者さんのHLA型が一致しドナー候補者に選ばれました】というショートメールが届きました。最初の感想は「え、一致するの早くね?」。人生で一致する人が出るか出ないかぐらいなのかな~って思ってたら1年て。

 この当時はお金が貰えることは知らなかったため、人助けをしたい6割、「就活か飲み会で話せるか?」という考え4割ぐらいの気持ちでしたね。親はかなり驚いていましたが一旦同意をして、骨髄提供へと進んでいきました。

(具体的な日数や病院を公開してはいけない決まりがあるため、ここからはいろいろぼかしつつ書いていきます。)

3,手術まで

 手術までは4回病院に行きました。全休の日や午前授業で午後休の日を伝えたらしっかりと調整してもらえたため、すべて平日でしたが授業を休むことはなかったです。一致のショートメールが届いてからはコーディネーターという病院との日程調整や質問に答えてくれるマネージャーみたいな役割の人と何度か電話で連絡をしていました。交通費全額支給でした。助かる~

①説明と採血

 ショートメールが届いてから2,3週間後に病院へ行き詳細の説明を聞き、採血をしました。全部合わせて2時間ぐらい?病院は最初のアンケートで希望を書きましたが違う病院になったので期待しない方がいいです。(デカくて綺麗な病院でめっちゃテンション上がりました)

 説明が結構長いので眠くならないようにしっかり寝ていきましょう。マジで眠かった…採血は登録のときと何か変わっていないかの確認みたいなやつですぐ採り終わりました。後日手紙で結果報告、無事健康でした。何度か電話でやり取りをして本格的に提供することに。

 ちなみに骨髄バンクは型一致する人の複数に通知を送っていますが、基本的に都合があって若い人が選ばれるらしいので、大学生はここで提供がほぼ確定します。

②最終同意面接

 ①から3週間後ぐらい。「え、もう最終?」って思った?俺も思った。
 「提供やっぱ辞めます~」ってすると患者さんの命に関わるので弁護士の方が同席をして同意の署名が必要らしいです。母と共に病院(①と同じ)に行って、コーディネーターが前回とほぼ同じ説明を母にして、質疑応答、署名で終わりです。1.5時間ぐらいだったかな?Zoomでもできそうだけどなぁ…

③健康診断

 ①②とは違い、実際に入院する病院に行きました。②の1週間後ぐらい。採血だけでなく、肺機能や心電図、尿検査などいろいろ。計2時間。肺活量を人生で初めて計測したけどめっっっちゃ疲れた。4500ccなの自慢していいですか?いいよ。
 ③からは院内コーディネーター(?)の方も案内してくれました。そりゃ骨髄バンクの人がすべての病院の構造を理解しているわけないね。

④自己血採血

 手術で失った血は自分の血を入れるのが最もいいため、事前に自分の血を採取しておいて手術のときに使うらしい。③の2週間後、手術の1週間前ぐらい。やったこととしてはほぼ献血の400全血でした。人生初の点滴を経験しました。これは2回採血することが多いらしいですが、私は1回で済みました。患者さんによるらしいです。子供だったのかな?

4,入院と手術

 本番です!三泊四日を分けて書いていきます。

day1

11:00 着
12:00 昼食
16:00 点滴の針準備
16:30 シャワー
18:00 夕飯
21:00 禁食開始
24:00 禁飲開始

 昼前ぐらいに病院着。本当に運がよくて素晴らしい部屋でした…写真は貼れませんし、これから入院する人を期待させるのも違う気がするので部屋の詳細は伏せます。
 着いたらコーディネーターの方と合流して、看護師さんからナースコールや院内のルールの説明を受けます。昼食は病院食と思えないほどおいしかったですが、入院先によって異なる部分なので以降は省略します。
 その後、身長体重の測定と採血し、今回の手術に関係する人がたくさん部屋を訪れてきます。担当看護師、手術を担当する先生、麻酔技師さんetc…
 部屋に人が来るだけなのですることはないです。ざっくり4時間ぐらい暇でした。

 夕方に翌日から使う点滴用の針(?)を刺します。ちなみにですがこれが一番痛かったです。2回失敗されてしまい、すごい申し訳なさそうな「もっと上手な人を呼んできます…」に「大丈夫ですよ(優)」ではなく「お願いします!」と食い気味に言ってしまうほどです。対策として刺す前にシャワーを浴び温かい飲み物を飲んで血管を広げておきましょう。
 ちなみに手術当日はもちろんシャワーはできず、手術翌日はできな(くはないけれど難し)いので入院最初で最後のシャワーです。

 day1の21時以降は禁食、24時以降は飲み物も禁止です。翌日にこれが効いてくるんだ… 

day2(手術当日)

7:00 起床
9:00 点滴開始
14:00 手術
17:00 病室で目覚め
20:00 完全に覚醒
21:00 食事解禁!!

 もう手術当日です。なんと手術まで特に予定はありません!寝るのも早かったので7時起きから私は14時頃まで暇でしたが、一番きつかったのは絶食。空腹すぎてヤバかった…。
 水分補給のための点滴はガラガラと移動できるタイプでテンション上がりました。あえてこれでカフェ行こうかな…でも俺なにも飲み食いできねぇや(泣)
 アニメ見て時間潰してたら「そろそろ手術ですよ~」って軽く言われて、下着を脱いで病院着を羽織っているだけになったり、特殊な靴下を履いたりしたらすぐに移動。(この下全裸だけどこれでエレベーター乗るの…?)って思ってたらエレベーター貸し切りにしてくれました。安心だね。

 さてもう本番です。手術室に入る前に、再度これからどこに何をするのかの説明を受け、手術台へ!
 いろいろペタペタと張り付けられます。うつ伏せと思っていましたが、仰向けの状態で、「それじゃあ眠くなっていきますよ~ちょっと気持ち悪いかもしれないのできつかったら言ってくださいね~」と言われ、点滴からの麻酔と酸素マスクからの謎の気体(?)で意識が落ちていきます。人生初の全身麻酔、もちろん起きようとしてみましたが無理。2徹夜明けの座れた朝の電車みたいな眠気。てかこれ気持ち悪くても言えないじゃ…zzz

 目が覚めたら知らない天井でした。

これがやりたかった

 嘘ですYouTubeとNetflixと共に2日過ごした病室です。ベッドごと輸送されていたらしいです。手術後に返事をしたことを確認してから運ばれたらしいですが、返事した記憶は一切ないです。僕は担当先生の嘘なんじゃないかってまだ疑ってます。起きてすぐは本当に意識が曖昧で、

母とのLINE

「ぶじ」「おやすみ」をこんなに誤字するぐらい曖昧です。フリックじゃなくてキーボード入力なので…うん…
 めちゃくちゃ眠いのでそのまま寝落ち。

 何時に起きたかは覚えてないですが、母が病室にいてたくさんの夜食の差し入れをくれました。もちろんこの時も超空腹。眠気と食の誘惑に耐えながら母と会話をして、またおやすみ。

 20時に起床して飲み物解禁。人生で一番水がうまかった瞬間です…
 いろいろ質問に答えながら21時に食べ物解禁!コンビニのサラダチキンが何よりおいしかった…ちょっと泣きそうになってました。

 体調としては、術後の背中は何もせずに寝ている分は特に痛みはないですが、寝る時と起きる時だけ痛かったです。なのでひたすら寝ながら動画を見てました。ずっと動画見てるなこいつ…

day3(手術翌日)

8:00 朝食,採血
12:00 昼食
18:00 夕飯,採血
夜    尿検査

 なんか項目少なくない?そう!なにもありません!3日間でアニメ2クールと地面師たち全話を見終わりました。見ないで取っておいてよかった…
 真面目な話をすると、寝る・起きるのが痛いだけで健康なので点滴もないですし、院内のコンビニにもカフェにも行けます。先生と応答したり、採血,尿検査したり、食後に薬を飲んだりぐらいしかなかったと思います。
 ゴロゴロして動画見てても何も言われない最高の日かと思いましたが、夜に発熱していろいろ検査…明日の退院が危うくなってしまう…

day4(退院日)

8:00 朝食,採血
10:00 退院

 無事に熱も下がって問題なさそうだったので退院!たくさん感謝されました。後半はほぼ動画見てただけなのに…
 術後検診の日程を決めて解散です。この日からシャワーを浴びれました。

5,退院後

 特に後遺症もなく、術部の痛みだけ数日残っていましたがバイトができるぐらいには元気でした。痛み止めや熱の薬はもらったけど飲む必要はなかったです。

 毎週一回はコーディネーターさんから電話で体調を聞かれました。
 手術3週間後ぐらいに再度病院に行って、採血と尿検査、検診をして完全終了!

 3③(健康診断)~術後検診はまとめて交通費請求をします。インフルのワクチンも半額もらえました。やったぜ。

6,大学生へ

 大学生向けの章です。大学生以外なら読み飛ばして大丈夫です。

 大学の欠席の扱いです。もちろん大学、学部に依るので学生事務課に相談しましょう。
 私の場合は「病気または1週間以上の入院は認める」
→病気ではないし三泊四日なので公式に認めるとは言えないから各先生にメールして確認してね(要約)でした。
  結果としてはすべての講義で出席点の減点なし、授業配布プリントを翌週にいただく、授業内小テストは平均点換算で加点など…とても親切に対応してもらえました。(まぁ、まともな教授なら他人の命と自分の講義で「講義を優先しろ!」なんてことはないでしょう)

7,給付金

 お待ちかね!お金です!!

 自分には一日2万円、手術前の面談や健康診断も含めるので上限の7日分の14万!!会社側にも一日当たり1万円の給付があるらしいです。こっちは一日1万円上限7日で7万円!事前に確認したらバイトでも給付対象らしいです。バイトのシフトをまるまる空けて迷惑をかけてしまったので飲み会を奢る…予定でした。なんと勤務先事業所の責任者は店長ではなく社長。例えばマックでバイトしていたら日本マクドナルド株式会社のお偉いさんの印鑑が必要になります。は??無理すぎワロタ。

 勤務先への給付はもらえないかもしれないですが、バイト先の店長には入院することを早めに伝えておきましょう。教授と違って他人の命よりもシフトを優先させる可能性があります。あってたまるか。

(更新される可能性があるので給付を行っている地方自治体の記載元URLを載せておきます↓)


8,おわりに

 全体的な感想としては「やってよかった」が一番です。他人の命を救い自己肯定感を上げつつ、お金をもらえて、たくさん動画を見て、普通体験できないことを体験して話のネタになる。シンプルに神。最高です。

 改めて骨髄ドナー登録オススメな人は
・暇な人
・健康で若い人
・採血に抵抗がない人
・103万の壁を扶養内で合法的に超えたい人
…うん、やっぱり大学生ですね。

 さすがに不安だったのでいろいろブログやnoteを読んだんですけど、ドナー提供noteって意外とあるんですよね。ってことはそれ以上の患者さんがいるってこと。
 移植を必要とする患者さんは毎年2,000人ほど。実際に移植を受けられるのは1,200人ほど…。しかし今登録されているのが約55万人で、そのうち約13万人が5年以内に年齢制限に達し、ドナーを卒業してしまいます。ドナーが減るということはHLA型が一致する確率が減り、移植を受けられる人が減るということ。
…どうです?ドナー登録したくなりました?詳細は公式HPへ

 もちろん後遺症のリスクもあるためしっかりと理解し、お住みの地方自治体の給付を確認したうえで、日給2万円非課税のホワイトバイトをしましょう!というゴミみたいな一言で締めようと思います。
 このnoteを機に興味をもっていただけたら幸いです。読んでいただきありがとうございました。


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