清水SA
若い男性に降ろしていただいた後、清水SAで少しゆっくりRickie-GのLife is wonderfulを聴きながら初ヒッチハイク成功の余韻に少し浸っていた。
それでも時間は17時を回っていたので、1日目の目標である名古屋に行くためにひと頑張りしようと思い、ポケットに手を突っ込んだ時、携帯がなくなっていたことに気づいた。
携帯がないとモチベーションであるインスタ投稿も出来ないし、音楽が聴けないと思い大分焦った。でも最悪なくても帰るという目的には支障がでないと刹那思ったが、持ってきた物が無くなったのはまた違うと思ったため色んな場所を探した。Life is wonderfulってそんな曲だったけなと思いながら、SAのオペレーションのお姉さんに「すみません、携帯届いてませんでしたか?」と聞くと「いや届いてませんね」と言われた。
どこで無くしたか全く手がかりが無かったため、トイレや駐車場を探しまくったが結局出てこなかった。アトランタオリンピックの服を着て、ヨレヨレの画用紙を持ちながら、肩からウクレレをかけた野郎があちこちをうろちょろしていたから周りから見るとかなり歪な生物に見えたかもしれない。けれど、そんなこと考えてる隙間が脳になかったため、ただどうなるやろと思いながら半ニヤケで探してた。
結局15分くらい探したけどなかったため、もう一度オペレーターのお姉さんのところに尋ねに行った。すると、感染予防のセパレートから身を乗り出し「届きましたよ!」と言ってくれた。その興奮は、ヒッチハイク成功に匹敵した。Life is wonderful。これか、なるほどな、と思った。
そうして気持ちを落ち着かせ、ヒッチハイクの交渉を続けた。それでも家族連れが多かったため、そこからまた30分くらい話しかけ続けた。
片っ端から話しかけ断られ続けた僕の目は、きっと焦りと疲労で捨てられた犬のような目をしていたに違いない。そうした状態で名古屋ナンバーの車に目星をつけ、主人を待ってるとようやく第二走者に辿り着くことができた。