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上書き可能な消える傷

最近は色んな音楽をApple Musicで適当に流して聴いている。

その中でもよく流れるSaucy Dogの「シンデレラボーイ」。
何となく聞いていたら歌詞の中に「死んで」というフレーズが組み込まれている事に気付いた。

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あたしの前だけで弱さを見せて
無邪気な顔で呼んでみて
あなたの瞳 独占させて
誰も見ないでいて欲しかっただけ

死んで

シンデレラボーイ 0時を回って
腕の中であたしを泣かせないで
気づかないふりをしてそのまま
つけるタバコが大嫌い

好きって言わんでよ 愛しても無いのに
瞳の奥、あたしを捕まえて
気づかないふりをしてそのまま
騙されてあげていたの

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歌詞を見直して
「これは傷にならない恋愛だな」
と思った。

お互いに愛していないし男は火遊び感覚だし女は感傷に依存してるし、決して大恋愛とは言えないし純愛とも言えない。

「罪な俺」と「可哀想な私」

シュールなジョークとアイロニー。
リアルなデイドリーム。
よくある男女関係。
恋人かどうかすら怪しい。

言ってしまえばお互いに「遊び感覚」で関係を続けている。
複雑ではあるけれど終わってしまえば呆気ない関係なので1年も経たずそれぞれ別の相手が居るだろう。
それに少し痛いくらいが嵌れるし愉しめる。

若い世代に多そうな恋愛で自分も分からなくはない。
結ばれないし止めた方がいいし愛されてないし傷つくし危ないし。
だからこそ暴走出来るという快感もある。


ただ前述の通り終われば呆気ない。
あんなに求めていたのに別にもう要らない。

win-winの関係、契約関係、体だけの関係。
愛されていないし愛していなかった。
うっかり再会しても動揺すらしないだろう。


心、体、時間、性欲、スリル、ベッド。
それらを埋める為の行為は悪ではない。
傷付くも壊すも自分次第の自己責任なアソビ。
ハナから不毛というだけ。
ただ不要とは言えないだけ。


そう考えると尚更若い世代に刺さる歌詞だと思う。

「あたしは悲しくて惨めで涙が止まらないのにあなたは腕枕しながらタバコ吹かして優越感に浸るとか許せない、嫌い、嫌い、死ねばいいのに、でもやっぱり好き」

書き出すと何だか愉しそうにすら思える。
実際愉しいから止められないんだろうけれど。


リアルで下世話な歌詞が共感を呼ぶのもまた事実。
男女関係って大概ドロドロ。
そういう「アソビ」だから仕方ない。
アリナシのアリ。

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