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再開

趣味は仕事にするべきじゃないとつくづく思う。
自分のタイミングで好きなように表現するのが楽しいのであって、急に話が大きくなったり義務や責任やそのほかに削らなくてはならない時間が生じるとモチベーションが下がる。
というか葛藤の連続で疲弊してしまう。

趣味でちょこちょこ作っていたアクセサリーが好きだった。
クオリティーは置いておいて自分が作った物を身につけるのは普通に嬉しい。

ああ、なんだかいつもこの話ばかり。
つまり趣味が仕事になりSNSで宣伝しなければならなくなったのが面倒臭い。
打ち合わせがダルい。
こんなこと表立っては言えないけれど。

もちろん私の作ったアクセサリーを気に入って購入してもらうのはとても嬉しい。
それを強要しているような負い目とついてまわる印象から逃げたくて仕方ない。
作ることは好きだからそれ自体は問題無いのに。
アイデアを練る時間を削がれる。
本当は絵を描きたい。

アイデアはいくらでも出るしいつでも出る。
それが何に対してのアイデアなのか、趣味か仕事か。
なまじ好きなことだからこそ悩む。


久しぶりに絵を描いた。
楽しかった。
好きな作家さんに会って話をして、私の絵もアクセサリーも好きだと言ってくれたのが嬉しくてその気持ちを絵にぶつけた。

ややあってペインティングナイフは曲がってしまったけれど。
買い直さなくては。

アクセサリーについても新しいアイデアが出て採用されることになった。
でも何かが引っ掛かる。
昔の、現場で汗と怒号と苛立ちが立ち込めるあの空気感が懐かしい。
アドレナリンが欲しい、足りない。


気に入る絵が描けた。
暗い感情が滲み出る私らしい絵。
これでいい、私の絵はこれでいい。

底辺で生きてきたから今の立ち位置の居心地が悪いんだろう。
これは本当に思う。
「らしくない」

差し伸べられた手に噛み付く癖は今でも治らない。

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