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東京のつらい場所 Part3 17年末~18年始の出来事

もりたが恋愛絡み・男絡みで手痛い思いをした場所を実際に巡りながら、つらい思い出を振り返っていく企画「東京のつらい場所」。有楽町~東京駅間での街歩きを前に、年末年始の出来事をもりたに聞いてみました。
(2018年1月8日収録)

もりた、飯田橋に行く

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Ryota(以下R):「こんなことが起きるんだな」ってびっくりしたのは、「東京のつらい場所」のゴール地点に設定した飯田橋に、もりたが会社の忘年会で行っちゃうっていう。

もりた(以下M):いや、一番トラウマ度の高い東口の方じゃなかったから…。

R:大丈夫だった?

M:いや…、心は死にました…。そもそも私が忘年会の幹事だったの。上司からは「クリエイティブな忘年会をしたい」って言われて。

R:なんだ、その発注(笑)。

M:そういうオーダーだったから、企画書作って、15店舗くらい概算で見積もりも出したんだよ。それで多数決やって、結局、無難なところになるじゃん。

R:クリエイティブなところにはならなかったんだ。

M:そう。社長とかも来る忘年会だったから、ちょっと格式高い感じで行きましょうってことで、神楽坂の懐石料理系のお店に決まったんだ。最寄り駅も神楽坂だと勝手に思い込んでたけど、ふたを開けたら飯田橋が最寄りだったっていう事実に、忘年会前日に気付くという…。幹事だから、会社から直接行く人を電車で連れていかなきゃいけなくて。

R:自分が先導して飯田橋に行かなきゃいけないわけだ。

M:そうそう。で、お店についたら、予約するときに「飲み放題で」って話だったのに、なぜか飲み放題が外れてて青ざめちゃって。結構いいコースを頼んでたから、飲み放題を別に付けるなら予算を越えちゃうし。社長に土下座する勢いで話しにいったら「いいぜ!」って言われたんだけど。

R:社長のそのノリいいね。

M:元々、概算予算で出してた金額より、6万円くらいは多くもらってたのかな。でもさらにそこから5万円もオーバーしたからね。

R:飯田橋に着いたときは結構しんどかった?

M:「うわー!」ってそのまま叫びながら走って逃げたい感じ。

R:幹事だから我慢してるけど。

M:プライベートで行ってたらヤバかったと思う。幹事として一応、みんな送らなきゃいけなかったから。

R:最後までいないといけないもんね。

M:そう、同期の野郎どもは一瞬で帰りやがったけどさぁ(笑)。忘年会のころは仕事も立て込んでて、つらかったんだよなぁ、

R:リアルタイムでつらい上に、会場もつらい場所になっちゃったっていう。

M:つらい場所に行って、さらに飲み放題も外れてる、会計も自分でするからどれくらいオーバーしちゃったかもわかるしね…。

R:お店に行くときは、飯田橋から神楽坂へ登っていくわけでしょ。飯田橋から離れると多少は気が楽になったりするんですか?

M:マシではあるけど、神楽坂も2人でよくお散歩をしてたっていう、地雷スポットだから。

R:神楽坂で動きたくないんだ(笑)。

M:「飲みに行った帰りに神楽坂の天下一品、めっちゃ行ってたなー」みたいな。

R:あー、あそこに天一あるよね。

M:今回は東西線で飯田橋に行ったんだけど、東西線もね、最後に彼の家にロングステイしたときに、飲みすぎて泣きすぎて過呼吸になって迎えに来てもらった場所だということを思い出して、なんとなくつらくはなったね。

R:それはなんで過呼吸になったの?

M:私が2年生のときの学園祭で、先輩たちが引退の年だったの。その先輩たちにすごいよくしてもらってて、1年生で辞めるって言った私を、「部会とかは出なくていいから。当日来てくれるだけでいいから、俺たちはもりたにいてほしいんだよ」って引き留めてくれたんだよね。だからお別れの時に「一緒にやれて本当に良かったよ、やっぱりもりたがいなかったらできなかったこともあるし、うまく言えないけどほんとにお前のこと好きだぜ!」ってノリになって、「あたしも先輩たち好き!」って言って、先輩たちもめっちゃ泣いてて、私ももらい泣きして。帰りの電車でも泣きすぎて、最終的に迎えに来てもらった(笑)。

R:今回はその思い出もよぎったんだ。

M:それでも、行くときは幹事として忘年会を仕切らなきゃっていう気負いがあったから大丈夫だった。問題は帰りだよね。そんなにお酒を飲んではいないとはいえ、注がれたらやっぱり飲まなきゃいけないし、幹事をやるっていう気負いが全部なくなるわけじゃん。その状態で飯田橋にいると「つらい、つらい、つらいしか出てこない…」って(笑)。

R:飯田橋は今行ってもちゃんとつらいことが確認できたわけだな。

M:うん、たぶん今、東口に降りたら私の顔が一瞬で土の色になる(笑)。

年始だけの関係


R:飯田橋でつらさを確認した年末を経て、年始はどんな感じ?

M:年末は帰省して、旅行に行って、その間にいい感じに連絡とっている人がいたんだ。年が明けたら飲みに行きましょうって約束してたから、1月3日に会った。それなりに楽しくて、会話のテンポも合う感じの人だったから、楽しく飲んで、話の流れで「このまま付き合っちゃう?」みたいな感じになって。

R:出た、そのノリ。

M:一瞬そういう感じになったんですよ。で、その流れで23時半くらいまで飲んで「じゃあ、そろそろ…」って帰ろうとしたら、相手が「帰っちゃうの?」って言ってきた。向こうはベロベロに酔ってて面倒くさかったから、「私の家に来てもいいけど、結構遠いから」って言ったんだけど、泊まりに来て、そんなつもりなかったのに朝の3時半くらいにたたき起こされてやることやって、次の日に予定があったから、新宿まで一緒に行って別れて、「寝過ごさないようにね」「ありがとう」とか言い合った3分後くらいに「あのさ、付き合うって言ったの白紙に戻したいんだけど」って連絡きて。

R:ははは(笑)。

M:「は!?」みたいな。

R:「俺酔ってたけど、付き合うって言ったな…」って我に返ったのかな。

M:相手の感じが面倒くさすぎて、私が割と冷たくしたっていうのもあるけど、「やりたいだけだったら色恋混ぜんな! そのやり方は三流だろ!」と思った。「やりたいだけだったらそういうこと言わずにやれよ!」って。それで「わかった」って返信したんだけど、その夜に、美術館に行った写真を友達に送ろうとして、そいつに間違えて送っちゃって「誤爆した…」って。

R:相手からしたら「白紙に戻そうって言ったのに、美術館の写真送ってきた…」。

M:しかもテンション高めで「見て見て!」って。

R:「見て見て! 美術館楽しかったよ!」ってきたら、向こうは「あれ…?」ってなるよね。

M:私も「あれ…?」ってなったよ(笑)。その相手はペアーズで知り合ったんだけど、写真を誤爆した2日後くらいに、ペアーズ開いてみたら、連絡欄のところからその人の名前が無くなってたから、「退会者を表示」にしたら退会してて、「これは退会したのか!? それとも私はブロックされたのか!?」ってなるという、そんな新年。

R:(笑)。相手も「怖い!」って思ったのかもしれないよ。関係は白紙にって言ったその日に、「美術館行ったよ!」って写真が届くのは相手側からしたらホラーじゃん。「なんだこいつ!?」ってなるよ。

M:「こいつ、諦めない心を持ってるな…」ってなったのかもしれないね(笑)。近況報告はこんな感じかな。「飯田橋に行ったよ!」っていうのと、「彼氏ができて数時間で別れるという、新年早々いいスタートを切ったよ!」って(笑)。

R:ははは(笑)。今でもちゃんとつらい場所だったわけだし、最終回はやっぱり飯田橋に行かなきゃなぁ。


インタビュイー
もりた(Twitter:@minic410)
逆流性胃腸炎気味なのにビールと煙草中毒なOL。
クーチェキでは「情事の後は、必ず金マル。」を連載中。
インディーズ小説「あなたは砂場でマルボロを」「許してよ、ダーリン」がKindleをはじめ各種電子書店にて発売中です。

インタビュアー・記事構成
Ryota(Twitter:@Funatoku_ryota)
クーチェキの企画・運営・編集をやっています。

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