見出し画像

HIMARI~吉村妃鞠ちゃんのバイオリン演奏について

※これが書かれて間もなく聴いたもの。(上) 少女特有の敏捷さ、手首の柔らかさによる音のタッチの柔らかさ軽さなどについて語っている。麻衣の感想としては、更に幼い頃より演奏は「格段の進歩」を遂げていて、特に1楽章が良かった。(でも、ちょっとスタジオの残響音が多過ぎてダメ。NHKホールで収録すべきだった。残響のせいで打楽器がダメ。多分、音楽ファン、オーディオファンに嫌がられる残響過多のパターン)


2023-12-21 11:21:30NEW !

テーマ:ブログ

        HIMARI~吉村妃鞠ちゃんのバイオリン演奏について




吉村妃鞠ちゃんのバイオリン演奏について 


  (ママとひまりちゃんで、演奏会するみたいですね)


最近、急に日本ではほぼ無名だったHIMARIという芸名でバイオリン演奏で活動している現在12才の小学6年生(本人がテレビ番組でそう言っていた。日本のテレビ番組では、過去に、ほとんど取り上げられたことはないようだ)の、吉村ひまりちゃんが、ここ数か月で急に主にYouTubeで取り上げられているようだ。だから、YouTubeには、このところ急造した吉村ひまりちゃんの動画が多いみたいだ。そこで、テレビは見ないし、子供の演奏に興味がないので見た事はないのだが、《どうせ、くだらないだろうし、欠伸が出るかもしれないけれど、一度だけ見てみるか》と、ロシアの「くるみ割り人形コンクール」とかいうテレビコンクールの一次予選で演奏した「チゴイネルワイゼン」の演奏を騙された気分で、聴いてみた。以下はその感想や、追加で見た動画の感想ということだ…


 まずYouTubeをよく見てる人以外は、クラシック音楽のコアな愛好家でなければ、日本人で「HIMARI」と言われてもピンとこないだろうから、AI(Bing chatGPT4使用)に質問して、一般知識を得た。勿論、誤ってる内容もあるかもしれないが、おおむね概要は正しいのだろうと思うので、載せておく。実は、麻衣ちゃんも全く知らなかった。とほほw



(NHK交響楽団と共演時のポスターの一部に使われた写真かな)






HIMARIという名で演奏している、吉村ひまりちゃんの世間の一般的な評価はどうですか?
吉村ひまり HIMARI 世間 評価 を検索しています

回答を生成しています…

吉村ひまりちゃんは、HIMARIという名前で演奏している12歳の日本人バイオリニストです1. 彼女は、7歳から欧州等のコンクールに挑戦し、8歳までに39コンクールで1位を獲得しています2. 多数のオーケストラと共演し、欧州、特にロシアでの評価が高いです12. ただし、彼女の演奏に対する一般的な評価については、私が見つけた情報では明確には言及されていませんでした。132

1: sasurainet.com 3: onmyoji-stage.jp 2: nikkei.com

詳細情報


1

sasurainet.com
2

nikkei.com
3

onmyoji-stage.jp
4

ja.wikipedia.org
5

bing.com



どんなコンクールで実際に優勝しているのですか?
吉村ひまり HIMARI 優勝 コンクール を検索しています

回答を生成しています…

吉村ひまりちゃんは、8歳までに39のコンクールで1位を獲得しています1. ただし、私が見つけた情報では、彼女が優勝したコンクールの詳細については明確に言及されていませんでした。[2][1] 31

1: nikkei.com

詳細情報


1

ameblo.jp
2

ja.wikipedia.org
3

bing.com
4

nikkei.com
5

himari-info.com
6

bing.com


使用しているバイオリンは何か分かりますか?
吉村ひまり HIMARI バイオリン を検索しています

回答を生成しています…

吉村ひまりちゃんは、ストラディヴァリウス「ハンマ」(1717年代)を使用しています12. ただし、彼女が使用している弓や肩当てについては、私が見つけた情報では明確に言及されていませんでした。31


「ハンマ」



1: sasurainet.com 2: violin-prelude.com

詳細情報


1

violin-prelude.com
2

himari-info.com
3

sasurainet.com
4

ja.wikipedia.org
5

bing.com


ひまりちゃんは、どんな曲を過去に演奏していますか?
吉村ひまり HIMARI 演奏曲 を検索しています

回答を生成しています…

吉村ひまりちゃんは、幅広いレパートリーを持っており、多数の曲を演奏しています。私が見つけた情報によると、彼女が過去に演奏した曲の一部は以下の通りです12:

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
ヴィヴァルディ:四季
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番
この他にも、彼女が演奏した曲は多岐にわたります。

詳細情報


1

ameblo.jp
2

sasurainet.com
3

ja.wikipedia.org
4

facebook.com
5
youtube.com
6

bing.com
7
bilibili.com
8
njp.or.jp








現在のひまりちゃんの状況について、教えてください。
吉村ひまり HIMARI 現在 を検索しています

回答を生成しています…

吉村ひまりちゃんは、2023年11月にNHK交響楽団と共演しました[1][1]. 同年4月には、カナダのモントリオールで開催された「モントリオール国際 MINI VIOLIN 2023」にて「Public Award」を受賞しました23. また、彼女は現在、アメリカのカーティス音楽院で学んでいます4.

[1][1]: sasurainet.com 2: tamylife.com 3: violinist.com 4: nikkei.com

詳細情報


1

ja.wikipedia.org
2

sasurainet.com
3

tamylife.com
4

koreyokatta.net
5

bing.com


なるほど、その他にひまりちゃんで、特筆すべきものがあるなら、教えてください。
吉村ひまり HIMARI 特筆すべきもの を検索しています

吉村ひまり HIMARI 特筆すべきなこと を検索しています

回答を生成しています…

私が見つけた情報によると、吉村ひまりちゃんは、12歳の日本人バイオリニストで、7歳から欧州等のコンクールに挑戦し、8歳までに39コンクールで1位を獲得しています1. 彼女は、多数のオーケストラと共演し、欧州、特にロシアでの評価が高いです21. また、彼女はストラディヴァリウス「ハンマ」(1717年代)を使用しています1 [3][4]. 彼女が過去に演奏した曲の一部は以下の通りです41:

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
ヴィヴァルディ:四季
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番
彼女は、2023年11月にNHK交響楽団と共演しました2. 同年4月には、カナダのモントリオールで開催された「モントリオール国際 MINI VIOLIN 2023」にて「Public Award」を受賞しました41. また、彼女は現在、アメリカのカーティス音楽院で学んでいます[3][4].





 ここからが、麻衣ちゃんの感想です。



 サラサーテの「チゴイネルワイゼン」(くるみ割り人形コンクール。ロシアのVGYRKというYouTube動画で下の動画だけで554万回再生されている)を、聴いたのが、一番最初だったので、まず、その感想から。この時点では予備知識も無く、バイアスの掛かるような批評とか、事前に聴いたひまりちゃんの演奏も皆無だったので、聴いたままの感想です。





 思い切り適当に見てたら、なかなか舞台に進み出ない、はにかむというか、おどおどした小さい少女(当時9才なら、それもそうかな…)が、背中を2回押されて、ようやく3人のメイン審査員?のいる舞台に登場。ピアノと音程を合わせてる姿も幼い。ここまで見たところでは、《ホントに、弾けるのかよ》というくらい幼いので、子供なりに、それなりに弾けてればビックリだろうなというくらいの期待感だった。審査員の若い男性も、本当に弾くの?という感じで笑ってるけれど、その気持ちは理解できる気がした。(ここまでの説明は、上と同じ演奏内容ですが、コンクール1次全体の動画があり、微妙に別の動画なので上の動画には含まれていません。念の為)

 ピアノ伴奏でのチゴイネルワイゼンなので、ピアノ演奏開始だったけれど、ここでも、《つまらなかったら、その時点で、すぐ別の動画を見よう》と、まだマウスを持ったままだった。ちなみに麻衣ちゃんの、チゴイネルワイゼンのイメージとしては、ハイフェッツみたいなババババっと技巧をひけらかして、そこそこ崩して(キワモノのような曲なので、崩す人が多くて、なかには娯楽音楽みたいに崩しすぎて訳の分からない演奏になってる人もいる)、みたいな感じかな。

 それで、吉村ひまりちゃんが、子供用バイオリンを弾き始めたんだけれど、弾いてから5秒くらいが一番驚いたかもしれない。音が凄くしっかりしてて、そういう子供用バイオリンみたいなことを意識させないレベルの音が出ていたからだ。小さい子とは思えない、しっかりとした音だったので、《えっ、このクオリティーで最後まで本当に演奏してしまうの?》と、半信半疑というか疑心暗鬼というか、ムムムという感じで、とりあえず耳は引き付けられたというか、一応は真面目に聴いてみようという興味は沸いたかもしれない。何故なら、ありがちな《上手だけと、やっぱりチビッコの音だね》という所が無かったから。大人の出すような音に肉薄していたのは低音が響きにくい筈の子供用バイオリンとしては驚きだった。弓が吸い付くようにバイオリンに当たってるのだろうなという感想。伴奏のピアノは投げやり感はなく、とても丁寧で、ひまりちゃんをきちんとサポートしてる感じで、全体に好感が持てた。

 その後、滅茶苦茶に飛ばしてる訳でもないけれど、過不足ない速度で音が上昇するフレーズ。ここまで聴いて、ようやく《やっぱり、最初のクオリティーで最後まで行く積りなのだな》と思って、マウスから手を離した。続いて、しっかりとした音で演奏を続けるので、これなら審査員も《ほお》とは思った筈。動画では1分5秒くらいの、音が急速に下降する部分では、音のディテールが美しかった。これは、ちょっと、想像以上のものがあったと思う。

 全体に遅めのテンポだったと思う。しかし、吉村ひまりちゃんの更に幼い頃のウクライナで演奏した「チゴイネルワイゼン」も動画で見たのだが、ロシアでのものより、むしろ演奏が速かった。ただ、この時点では幼過ぎて、細かいミスもやや目立つし、一言で言うなら《上手なんだけれど、子供の音だな》というのが本音のところだった。もちろん年齢を考えるならチゴイネルワイゼンを弾くだけでも驚愕なのだが。最初にこの動画を見たなら、途中で《成長してから見よう》と思って視聴を中止していただろうなと思う。そういう意味では吉村ひまりちゃんのロシアでの「チゴイネルワイゼン」が子供臭い音から脱却した良い時期の演奏を一番最初に聴いたという事なのだろう。しかも、こちらは魅力のある演奏だった。

 吉村ひまりちゃんの演奏の美点というのは、音の綺麗さとか、自然さとか、子供らしい真摯な演奏という事なのだろうなという全体を聞いた印象だった。「チゴイネルワイゼン」も崩さずに、きちんと弾いている真摯さが、曲の美しさとか、本来の曲の持つ悲しさを、うまく引き出す一因になっていると思えた。斬新なアプローチの方が、こういうキワモノの曲だと、むしろ親しめる(あまり、マジにやられると面映ゆい)面もあるから、みんな崩してるんだと思うし、そのプラスの効果も分かるのだ。しかし、吉村ひまりちゃんの演奏は、クソ真面目に真っ向勝負で、崩すことなく真摯に曲と向き合ってる印象。しかも素早いフレーズでも過不足ない速度を保ち(ここまで上達するのは大変だっただろうが…)、途中で初心者にありがちな弾きやすいように遅く弾いて誤魔化したみたいな所がなく、その意味では、しらける所もなく、最後まで真摯な物悲しい情緒を維持しきったという感じがした。しかも、遅めのテンポで情緒豊かに演奏していたので、中間部に聴く前から期待していたのだが、中間部の物悲しい真摯なイメージは、吉村ひまりちゃんの雰囲気と相俟って《こりゃあ、もらい泣きする人もいそうだな》という気がした。抑揚を大きく付けて遅いテンポで弾くことが、感情を揺さぶる感じがした。審査員が恍惚とした表情をしていたのも、納得という気がした。この年齢での技術と、音楽性が、うまい具合に「チゴイネルワイゼン」で要求される技術とかと噛み合っていたのだろう。2次も、上手だったけれど、やはり、この「チゴイネルワイゼン」の演奏がピカイチで、アンコールと言う人がいたのも納得だと思えた。協奏曲は過去の演奏ほど「子供の演奏」というイメージでないものの、こちらは、上手なんだけれど…というレベルに留まっていた気がした。もちろん、他の参加者よりは卓越してるし、順位が金というのは当然だと思うのだが… ちょっとあの協奏曲は過去の名演とかで耳がおかしくなっている所為もあるけれど、もう少しだけ成長してからかなという気がした。

 という訳で、年齢と音楽のバランスが最高の組み合わせだった「チゴイネルワイゼン」に一番感心したのだが、これで年齢が増せば、自然に迫力とか技術も上がるのは間違いないだろうから、将来に更に期待できる感じがした。ただ、これは、これで良かったと思う。他の名演のようなのもあってもいいけれど、これはこれで「あり」だなと思うだけの、訴求力はあったと思う。中間部で旋律を繰り返す度に「ひまりちゃん、しまうまちゃんが食べられて悲しい気分なのは分かったよ」(別の動画によると、そんな本人のイメージらしい)と言いたくなるくらいに、悲しいイメージがぐんぐん伝わってくるのだ。これが、ひまりちゃんの一番の美点なのかなという気がした。中間部を過ぎて曲が速くなってからも、速度は遅いので食い足らない人もいるだろうなとは思ったものの、音の美しさとクオリティーを維持していて、途中で白けさせない。ウクライナの頃の速いだけと比べると、かなりの上達度なのは間違いない。それで、中間部の美点の悲しい悲しいイメージのまま力強く締めくくったのだから、そりゃあトチ狂って、コンクールなのに「アンコール」と言う男性までいたのも、まあ分からないでものないなという感じがした。

 次に他の演奏についてだが、こちらも動画しか見ておらず、生で聴いたものでないので、そういう制約があるのを承知のうえで、感想を書いておきたい。



 まず、麻衣が個人的に一番良かったのが、NHK交響楽団で女性指揮者との、パガニーニのバイオリン協奏曲1番だろう。これは、最近の演奏なので(2023年3月11日)なので、技術も音楽性も彼女の過去の演奏より良いのは、まあ当然なのだろう。小さい子が弾いているという意味での驚きの演奏から、普通に楽しく聴ける演奏に音楽が引き上げられているという感じがした。ちょうど、真ん中の聴かせどころのソロの部分も、美しい音でまとめていて、途中アルペジオを連続させている部分も美しく、とても小学生の演奏とは思えない。外見的には幼いのに凄いという驚きはあるにしても、普通に音楽として聴いても、つまり映像が無くても十分に楽しめるレベルで、音の綺麗さとか、自然さ、子供らしく崩さずに真摯に弾くことによる嫌味の無さ、みたいなものが特筆点なのだろうなと思えた。かえって中途半端に技巧誇示に走ってしまうよりは、曲の美しさに特化した嫌味の無い演奏の方が聴きやすい面もあり、これはこれで「あり」だなと、これについても思ったので、現時点でも完成度は高いものだと感じた。ただ徹底的に技巧誇示に走る演奏も別の面白さがあり(ひまりちゃんもハイフェッツが好きそうなことを言っていたし)、それは将来に期待かなという気もしたが、いずれにしても、今の、雄弁に曲の世界観をうまく語る語りべのような、曲への旅先案内人のような演奏の説得力は、やはり特筆すべき才能なので大事にしてほしいという気がした。
 もちろん、これを生で聴いた人は、また別の感想があるのかもしれない…

 次に良かったのは、他も良かったのだが、やはり個人的には、新日本フィルハーモニー交響楽団との、ブルッフのバイオリン協奏曲1番だろう。これまた個人的な話で悪いが、ミニバイオリンとかいうカナダでのコンクールの演奏も最近のものなのだが、ビバルディの「夏」だけというのは、どうして全曲でないのという物足りなさが音楽ファンなら当然残るだろうし、コンクールという体裁なのだから仕方ないのだが、やはり《上手なんだけれど、夏だけ》という食い足らなさは、美味しいものを途中で取り上げられた子供と同じ心理状態になるので、それでもいいならという感じだし、男性ピアニストに伴奏してもらった曲も演奏は上手だったのだが、カルメンのテーマは好きなのだが、バイオリンの編曲そのものが、その次の曲も合わせて余り好きでなかったから仕方ない。でも、綺麗な音で、そつなく弾き切ってるのだから拍手喝采なのは納得だし、将来HIMARIのチケットは争奪戦になるとか言われる程の、あっちでの人気の高さも分からないでもない。他にも日本センチュリー交響楽団とのチャイコフスキーの1楽章の動画は、どうして、あんなに録音の音量のバランスが悪いのかなとか、問題ある動画もあった気がする。マイクの位置が悪いのが、オーケストラの音にソロバイオリンの音が潰れがちだったので、聴いて損した気分がした。バイオリンだけ聴くというよりは、音楽ファンとかだとトータルで聴くだろうから、あんまりバランスの狂った録音だと、それだけで引くと思う。

 話をブルッフに戻すと、この曲は迫力はあり、テーマが重々しく、しかも格好いいというかスタイリッシュな曲という感じだし、当然全曲弾き切ってるので、ミニバイオリンのような不足感がないのが良い。しかも吉村ひまりちゃんもノリノリで演奏してるのが見てて分かるものだから、ついつい引き込まれてしまった。だって、1楽章で吉村ひまりちゃんが演奏してて、途中でオーケストラにバトンタッチするところなど、弓を斜め横に振り上げていた位なので、どこまで感情移入してるんだよと思わず笑ってしまうほど。難易度はパガニーニの方だろうけれど、印象の強さというか、聴いていて面白かったのはブルッフの方だったかもしれない。これは、良い演奏だった。

 でも、小学生の演奏を「へえ」と、納得して聴けたのは、これが初めてだったので、才能のあるコンクールで勝ちまくりの子というのも、まあ納得かなという気がした。過去の本当に幼い頃の動画を見てみると、あそこから、よくここまでレベルアップさせたものだなと感心するしかない。イタリアで1位だった動画は1位なのは分かるけれど、現在のレベルと比べると、やはりそれなりだし、名前もHIMARIにしたのしだし、これからが本当に活躍の時ということなのだろう。大いに期待できるし、楽しみな今後の演奏という事だろう。



 追記

 誤解のないように加筆すると、ビバルディーの「夏」は非常に優れた演奏だった。それは、夏だけという欠点はあるものの、それ単独の作品であると考えた場合は、ごく優れた演奏だったという事だ。それは、理由は、「チゴイネルワイゼン」の場合と同じで、年齢と曲の技術的バランスが良く、最大限吉村ひまりちゃんの魅力や技術が発揮されていたからだ。
 この曲は誰もが知る名曲ゆえに、演奏は如何にも名曲風に崩した演奏(というと聞こえはいいが、要するに聴き手を馬鹿にした演奏)と、難度が低いと嘗め切って、かっ飛ばす演奏か、その両方を兼ねているものが全体の主流となっている。そんな中で、チゴイネルワイゼンの時と同じく、やや遅めの速度で、細かいディテールを揺るがせにせずに丁寧に「真摯に」弾ききっているのが出色である。これもチゴイネルワイゼンと同じで、崩しすぎたり、真面目には演奏されてない(曲がシリアスなものとして把握されていないという意味なので、上辺は普通にしっかり演奏はされてるものの…)ものが多いので、その意味では興ざめの演奏が多く、吉村ひまりちゃんの美点が生きているだけでなく、その意味では演奏に希少価値があり、他では得難いシリアスで審美的な世界観が形成されてるのも事実だ。また、この曲は無駄に飛ばしすぎの演奏も多いので、このくらいの速度が適度で、音楽ファンには丁度いい筈だ。飛ばしてもディテールを失わないのならいいけれど、飛ばす代償にディテールを失っている(というか、かなり荒っぽく粗雑に感じる)演奏も多いので、曲そのものを真面目に聴いてみたい音楽ファンには、現時点の演奏でも吉村ひまりちゃんの演奏は、断然お勧めだと思う。ただし、「夏だけ」なんだけど… それでいいなら、お勧めかも。

 

 

 

 また、最近、ここ数年で急激に技術が向上したらしいのは、技巧的な難曲であるヴィエニャフスキのヴァイオリン協奏曲第1番の1楽章の演奏によく表れている。全曲終了後にスタンディングオベーションで拍手喝采だったが、これは難曲*を僅か11歳なのにしっかりとした音で弾き切った事に対する拍手であろう。流石耳の肥えた聴衆だっただけに、ミニバイオリンと違い曲の途中で拍手して白けさせる事も無く、そんな場所で演奏できたのは、吉村ひまりちゃんには儲けものだった筈だ。ただ、じゃあ、皆にお勧めかと言えば、余り演奏されない曲なので、それに少し聴きやすくなるオーケストラの伴奏でないので、クラシック音楽に最初から興味のある人向けだろうな… こんなに暗く演奏してBGM的に音楽全般を聴いてるような人も含めた一般受けするかは疑問だが、しかし、すぐに立ち上がって拍手してる左最前列の人たちなど、非常に満足度の高かった人もいたのだから、それでいいのだと思う。この曲は演奏そのものが少ないうえ、女性的テーマな割に難曲なので、音が汚かったり(バイオリンが悪いとか腕が悪い等とかその両方で)、特に男性だと女々しいテーマみたいで弾きにくいだろうから真面目に弾いてなかったり、逆にことさら技巧に走ったりで、音楽に寄り添った真摯に音楽に向き合った演奏に巡り合うのは至難だろう。二楽章もノクターンみたいで女性的なので、これをクソ真面目に弾くのをためらう男性演奏者もいるかもしれない。その意味ではひまりちゃんの演奏は満足度が(それだけの理由でも)高い筈で、或いはそれを超えた演奏の情緒面も含めた満足度だったのか、即座に立ち上がるほど満足できた人もいるという意味合いでこの演奏は良かったと思う。しかし、クラシック音楽に興味ない人には、耐えられない暗さかもしれない。でも一応リンクを配しておく。全体に悲しくペシミスティックな曲想なので、悲観論者であるひまりちゃんに向いてる曲だと思う。1988年の明るいメロディアスな爽快感もあるようなイメージの若い頃の五嶋みどりの同曲演奏(これは上手い演奏で、五嶋の演奏では同曲が最良の演奏のうちのひとつだろう)よりは、吉村ひまりちゃんの演奏は華やぎを抑えた暗い印象を与える演奏で(同曲を弾くパールマンみたいな技巧のさりげない強調感すらないうえに、ひとつひとつ音の意味を噛み締めて弾くみたいな、誠実なひたむきさ、真摯さが娯楽音楽的な無駄な華やぎを抑えている。浮ついた感じがまるでないので、ピアニストで言うならショパンのマズルカなどを面白味もないほど暗く弾くカペルみたいな演奏。余りバイオリニストで該当するイメージが沸かない。五嶋の演奏もオーケストラの演奏込みでは、大人の熟練した腕前ならではの溌溂とした音の切れの良さによる解放感もあるが、ひまりちゃんらのは悲しみに埋め尽くされてる別の曲の気がした。曲が難しいので余計に悲しくなってしまったのかなと思わずひまりちゃんを心配してしまったほど…)、余りナーバスな時に聴くのはどうかという気がする。ひまりちゃんのは、あれだけ力強く、技巧面でもしっかりと和音を出しておきながら、ここまで暗いのは《な~ぜ、な~ぜ?》と思うが、それが持って生まれた資質なのだろう。ナーバスな人だと感涙でなく、普通に泣けてくるかもしれない。絶えず演奏が悲観的な方向に振れる傾向そのものは、楽器が全く違うものの「ソビエト出身」のユダヤ人ピアニストの、ウラディーミル・アシュケナージなどに通じるものが「悲観論者という本質面では」あるという気がしたほど(ショパンのバラード2番などを全てが破滅して終わっていくようなユダヤ悲観論で弾くアシュケナージの姿を、ふっと思い浮かべてしまった。終焉に向かうからこそ負のエネルギーが放出されることもあるのだろうが…)。ついでに聴きながら思ったことを書いておくと、ソビエトのピアニストだったスヴャトスラフ・リヒテルの演奏も、異常な暗さや、遊び感覚のない精神的にシリアスなものを強く誰しも感じるだろうが、要するに、そういうのがロシアの音楽の本質に近いものであるのなら、悲しく暗いひまりちゃんは、将来最悪の場合ロシアで活動するのも聴衆の親和性が強いので(簡単に琴線に触れやすいので)良いかもしれない。また、吉村ひまりちゃんの演奏は、曲の語りべというか、これが、傑作の曲だと(聴く気のある音楽ファンには)誰にも分かり易い演奏になってると思った。そもそも音が汚いと、悲しい曲というより、気持ち悪い曲になるからだが、しっかりと、ちゃんと弾いてるだけで、これだけの曲なら語りべの資格十分だろう。あとは、もう少しだけ腕前も上がるともっといいかな。でも、現時点でもしっかりと(嫌と言うほど)ひまりちゃんの音楽になっていると思う。そうでないなら、足腰の痛いだろうお年寄りが慌てて立ち上がって拍手したりしないだろう。あれは、本気で喜んでいたと思う。

 それから、ひまりちゃんはどの曲を演奏しても、他の古今のバイオリニストよりも、演奏が暗く悲しくなる傾向があるようだ。それだけ才能に恵まれてるのに、何か辛いものを抱えてるのかと思ってしまうほど。

 特にこの協奏曲では悲し過ぎてヘルマン・プライとかの歌う孤独感に満ちた「冬の旅」を一瞬思い出したほど。ひまりちゃんの演奏が暗いので(表情も暗いし)、あたかもバイオリンなのに、冬の旅のピアノ伴奏を聴いてるような錯覚が生じると思う。地味な冬の旅的なピアノ伴奏でオーケストラの色彩感が一切排除されてしまい(要するにモノクロームなイメージ一色の暗い伴奏なので)一層、曲全体が暗く、もの悲しいのかもしれない。結局、「この曲」「吉村ひまりちゃん」「目立とうとせず地味にひたすら裏方に徹する困ったピアノ」という最強コンビで、薄暗く悲しい独特な世界観を形成したと言えなくもない。コアなある種の音楽ファンにはぐっと来たかもしれない。

 今後は今よりぐんと腕前を上げて独創的な演奏家になって、本人の希望通りベルリンフィルやウイーンフィルに出演依頼されるような超一流のバイオリニストになって欲しいと、カーティス音楽院で頑張ってる可愛い姿も含めて、そう思った。過去2年でも著しい技術の進歩のある現在のペースで行くと、あと2年後には技術的には更に飛躍的に伸びる筈と思うが、でも、音楽性はチゴイネルワイゼンもこれも同じ(悲しく暗い)なので、結局2年後もほとんど同じだろう。だから大人になるまでは、今の「語りべ」のような才能を大切にし伸ばしてほしいと思う。焦らなくても人生は長いのだから、今は自然体の子供らしい真摯な演奏をして、大人になってから、気儘な演奏してみても遅くないと思うのだ… そもそも、まだ小学生なのだから、自ずと技術は向上するのはほぼ確実に間違いない。逆にまだ小学生の段階で頭打ちとなり伸びない方が奇妙だ。音大へ多くの人が行く事からも、大学生くらいまでは素質に応じて伸びるという事だろう。だから小学生で能力のあるひまりちゃんのような神童と呼ばれるようなこともある子というのは、もちろんびっくり箱的な商業的なものもあるにせよ、大抵の人は将来性、すなわち「伸びしろ」が時間的にも年齢的にも十分であることに高い価値を感じているのだろうし、実際期待は大きいだろう。そのためにカーティス音楽院にも行ってるのだろうし、過去2年で技術が大幅アップしている現状から類推すると、2年後くらいなら五嶋の技術レベルは全般に越えている筈だ。尤も、音楽性が違うから技術で単純比較しても仕方ないとも言えるのだが。…というか、五嶋は音楽性云々以前に「音」そのものに、何か人に強い感銘を与える美学があり、それは熟練した(要はバイオリンを熟知している)技術がないと、ああいう音は出ない筈なので、技術があるのは「音」そのものが示していると思う(五嶋の音を聴くと音そのものの強い印象が残るというのは誰しもが感じるところだろう。練度が高いので官能性を秘めているのだとは思う)。でも、まだ小学生で、ミニバイオリンでの「カルメン」やN響とのパガニーニの一楽章でのシャープな美しい音が出せるひまりちゃんなら(現時点でも技術も潜在的な素質も高い証だと思う)、高校生にもなれば、音の魅力としては五嶋とは人も音楽性も異なるので当然ながら明らかに別のものであれ、五嶋を越えるような、ある種の官能性を感じるような未踏の練度に「音」が達する可能性もあり得ると思っている。だから、五嶋に続いて、ひまりちゃんの技術も聴いている人が音の振る舞いだけで感銘を受けるような「美学を感じる音の領域」に達したならば明らかに魅力倍増だと思う。そうなれば、関係者は必ずひまりちゃんを自分のホールに呼びたくなり、例えどこの超一流のオーケストラであろうとも当然放っておけないだろう。現状では、迫力とかダイナミックさが不足気味なのは、体が大きくなれば自然に解消していくはずなので、それよりも「音」の洗練度を高めてほしいと思う。

 若い頃の2年なら滅茶苦茶に長い時間の筈で、それを技術向上に費やして成果無いなんて、ほぼ有り得ないと思うから、2年後くらいに、今度は「色彩感のある」オーケストラで、そしてひまりちゃんの更に熟練した技で(少なくとも今より確実にうまいだろう)、この曲を聴いてみたいという気がした。オーケストラの方が確実にひまりちゃんの音楽性からすると曲全体のバランスがいいと思う! 音楽に迷ったら、ロシアでのチゴイネルワイゼンで人々の感涙を誘った原点を思い出してほしいと思っている。今後いくら腕前が上がっても、ひまりちゃんらしい美点が損なわれた演奏では少し淋しい気がするし、今の音楽でも魅力たっぷりだと思う。

 ひまりちゃんは五嶋のような大物になるのかな?…とか言ってる人がいたけれど、大物というのはマスゴミの扱い(日本のテレビ局は無視してるようだ)とか、その時の運(指揮者の好みの演奏者だったか)とか大衆受け(ほぼ何のあてにもならない)とかだから、しかもテレビタレントという訳でもないのだから、音楽ファンにとっては、ほぼどうでもいい事だろう。それよりも、五嶋を超えるような愉悦感のある、官能に訴えるような技術の練度に達して欲しいというだけだろう。小さな子供なのにビックリという時期を過ぎてしまえば、聴いて面白くなければ、その人にとっての存在意義は無くなってしまうからだ。もちろん現状でも大満足のゆるい人も大勢いるだろうから、現状でも、かなり大丈夫なのだろうとは思うけれども。それに、大物というのが、周囲にちやほやされるという意味なら、現状でも五嶋以上にちやほやされてるのだから、既にそれで十分ということだ。世間の評価とか人気とかは概ね主観的なものだけど、「音」そのものは直接届くだけに客観性があり胡麻化しようのないものだから、ファンであるなら大物になるかという心配よりも、今後2年後、3年後の「音」の方を気にしてあげる方が生産的な気がするのだが… あと数十年後の演奏を聴けないから残念(年齢的に)、とか言っていた人もいたようだけれど、大人になれば、そこで技術は大体完成の域になるので、後は年齢に応じて俊敏性も無くなり落ちていくだけなので、数年後の音を聴けば、後はおおむね似たようなものだと思うので、そんなに無駄な心配はいらないと思う。せっかく気にしてあげるなら、もっと成長期の現在を心配してあげる方が遥かに生産的で良いと思う。


 あと、美しい自然な音から吉村ひまりちゃんの欧米人気が高いのは頷けるが、ロシアで特に人気が高いのは、吉村ひまりちゃんの持って生まれた資質が、実は悲観論的なロシアの音楽メソードに近いものがあり、ロシア人なら琴線に触れるものがあるのかもしれない。チゴイネルワイゼンの「アンコール」というのは、「俺の音楽を弾いてくれた!」という思いもあったのかもしれない。誰しも自分の中に曲の理想のイメージは(演奏はしなくても)持っているだろうから、そういう演奏をしてくれれば嬉しくないはずがないと思う。

 あと余談みたいになるが、ひまりちゃんの目鼻立ちは、お母さん似で、ハーフみたいだと言う人もいるほどなので、EU圏での受けは良いと思う。ビジュアルも動画の時代なので大切であると思うので、音楽の本質には関係ないとはいえ、良いにこしたことはない筈だから。あと、ひまりちゃんの言動についてなんだけど、自分は凡人で努力してるだけという彼女の発言は、精神主義の好きな人に喜んで取り上げているけれども、努力なんて誰でもぎりぎりまでしており、それでも成果の無い人が殆どなのだから「嫌味」に感じるから、周囲は気付いて、そういうことには一切触れさせないようにアドバイスしてあげた方が良いと思う。まだ子供なので周囲の状況について、完全に把握できてないのは普通だからだ。カーティス音楽院の先生の言うように桁外れの天才なのは、平均的なバイオリンを習う少女たちと比べれば明々白々だけに、ちょっと、他の女の子らが気の毒になった。《じゃあ、うちら努力してないの? 毎日死ぬほど練習してるよ!》と怒る筈だ。それでは本来応援してくれる人たちまで減らしてしまう。努力してるのは認めるけれど、恵まれた才能だったことが、ほぼ結果の全てなのだから、同様に他の子も努力してることは知るべきだろう。


(…以上かなり辛口に書きましたが、凄く才能がある子だと思うし、応援してます。あと、これは、あまり人も読まないだろうし、単なる麻衣の個人的な感想なので、感想が異なる場合は気にしないでくださいね。そりゃあ10人いれば、10人の見方がありますよね…)


以下の添付はBing chatGPT4使用による説明です。*第1楽章は嬰へ短調、4分の4拍子で、付点リズムの第1主題とチェロに始まるロ長調の第2主題からなる協奏風ソナタ形式です。ヴァイオリン独奏の驚異的な超絶技巧は、これらの主題に装飾音を施してゆき、作り付けのカデンツァにおいては重音奏法やハーモニクスを駆使しています1


(…ということですが、吉村ひまりちゃんの演奏は、ピアノ伴奏なので、チェロと言われても困るでしょうが、長調に転調するので分かるかなw もう一度AIに嚙み砕いて説明するようにと訊いてみたのですが、それ以上の詳細説明は得られませんでした。以下がそれです。同じ事を繰り返しのパターンに陥りやすいのはBingの弱点かな)



ヘンリク・ヴィエニャフスキの《ヴァイオリン協奏曲第1番嬰ヘ短調》は、1853年にライプツィヒで初演された、技巧的な難曲です1。以下に、第1楽章の技巧的な要素を紹介します1

  • 付点リズムの第1主題: 始めのうちはためらいがちであり、チェロに始まるロ長調の第2主題と対照的です。

  • ヴァイオリン独奏の超絶技巧: これらの主題に装飾音を施してゆき、作り付けのカデンツァにおいては重音奏法やハーモニクスを駆使しています。

  • 嬰ヘ長調での終結: 最後は嬰ヘ長調で終わります。

以上のように、この曲は、付点リズムの第1主題、ヴァイオリン独奏の超絶技巧、そして嬰ヘ長調での終結が特徴的な技巧的な曲です1

 
この曲に限らずひまりちゃんが1楽章が得意な気がするのは、感情表現がうまくメロディーを丁寧に辿っていくからの気がする。


 むしろミニバイオリンのカルメンより、こっちの方が元気があって良かったかも。伴奏もどちらも好印象だが、あちらがやや大人っぽいかな。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?