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窪田製薬、NASAコメント付きリリースの裏側

こんにちは。
窪田製薬ホールディングス広報の市川です。

窪田製薬は、”世界から失明を撲滅する”ことをミッションとし、目に関わる創薬、デバイス開発を行っています。創業者の窪田については(こちら)にまとめてありますのでご覧ください。

今回は、先日お知らせしたNASAとTRISHとの進捗報告会議の様子とリリースの裏側をできる限りお伝えしていきます。

※今回は、現場の空気が伝わるよう、よりカジュアルな言葉を使用しております。また私自身の主観でありますこと、あらかじめご了承ください。今回の内容は、以下のリリースの内容を元にしています。

2020年2月3日
NASA・TRISH より受託の超小型 SS-OCT プロジェクト(フェーズ1)の開発進捗状況について

NASA,TRISHとの会議の裏側

日本時間の2020年1月31日に行われたこの会議には、NASA、TRISHのエンジニア、科学者、医師らが約15人ほど参加しました。NASAのメンバーは、このプロジェクトの担当者であるタイソン・ブランステッターだけでなく、NASAのプロジェクトの眼科領域全体を統括するウィリアム・ターバーなど、多くの方にご参加いただきました。この会議では、当社のこれまでの成果を提示し、彼らからの質疑に応えていきました。

また会議の最後には、本プロジェクトのフェーズ 1 の成果であるプロトタイプの操作デモを行いました。

デモを終えて最初の言葉は、「え?これで終わり?」。

会議室が少しざわついたあと、一瞬で笑顔に包まれました。

世界のあらゆるデバイスを見てきた彼らにとっても、予想を上回る測定スピードであったことが明らかになり、会議はとてもポジティブに終わりました。

関係者の手厚い協力、リリース公開の裏側

早速この会議の様子を報告をする準備に取り掛かりました。
会議終了時点で、すでに日本時間は金曜の午後。日英のリリースは、作成後にそれぞれ違った機関に文章の確認をしてもらう必要があり、さらにその内容を相互に反映させ、内容を揃えていく必要があります。

また、NASAは、公的機関であるために、多くの事前確認が必要で、リリースに載せる無難なコメントでさえも、確認に時間がかかる可能性があります。

更に、この会議が行われた週は、年に一度のワークショップが開催中とあって、早々のコメントをもらえる可能性を更に低くしていました。

すべてが揃ったタイミングまで、リリースが遅れてしまいます。もちろん事前に、ある程度のドラフトは作成していましたが、非常にポジティブな彼らの反応を伝えるためにも、文章の構成を考え直す必要がありました。

沈黙を破るメッセージ

「当社側で無難なコメントを作成して、確認してもらった方が良かったのでは?」などと話しながらもNASAのワークショップは終了し、米国時間金曜(日本は土曜日)の17時を回りました。

米国時間の月曜の朝一番でコメントをもらったとしても、すでに日本は火曜に日付が変わるころ。この時点で、どんなに最速で事が進んでもリリースは翌週水曜、NASAからのコメントが遅れた場合は、翌週中(2月10日〜2月14日)のリリース、というスケジュール感でした。

できるだけ早いコメントを願い、悶々とした時間を過ごす中、金曜18時頃、社長に一通のメッセージが届きました。
送り主は、NASAのプロジェクトの眼科領域全体を統括するウィリアム・ターバーでした。

和訳:御社が開発したOCTデバイスは、小型でありながら操作は簡単で、データ処理が早いことに大変驚きました。このデバイスであれば、NASAが懸念している、ミッション中に及ぼす宇宙飛行士の眼球への影響を研究するために、まずは国際宇宙ステーション(ISS)に大いに役立つと信じています。
William J. Tarver, MD MPH FAsMA
SANS Clinical Lead - CNS
NASA Flight Surgeon

( ゚д゚)なんと...!

金曜中にコメントをもらえるだけでなく、予想を遥かに上回る具体的なコメントをいただきました。今にもISSに持っていくかのようなコメント...(※ISSに持っていくことが決まったわけではありません。)

そして図ったかのように、その数分後にタイソン・ブランステッターからもコメントが。

和訳:本会議を終えて非常に満足しています。御社のSS-OCTデバイスは、フェーズ1の仕様条件を満たしているだけでなく、期待以上の完成度でした。市販デザインとして採用できるぐらいに見た目も洗練され、軽くて持ちやすい、まるで双眼鏡を覗くような使い心地でした。こんな早い段階で、ここまでのデバイスを作り上げる御社が、フェーズ2でどんな仕上がりを見せてくれるのか大変楽しみです。

CAPT Tyson Brunstetter, MSC, U.S. Navy
DoD Aerospace Medical Liaison
SANS Clinical Lead - Eyes/Vision 

フェーズ2の仕上がりを楽しみにしている...!?
(※契約上、2月末日にプロジェクト(フェーズ1)を完了し、2ヶ月以内に開発レポートをNASA・TRISH に提出しますが、その後のことは決まっていません)

米国の税金で運営している公的機関が、日本の一企業にこのように踏み込んだコメントをくれることがあるのか...!と、全身に鳥肌が立ったのを覚えています。

この評価は、NASAの想定を上回る開発スピードとシンプルな操作性、また前例のない診断スピードと、当社に対する信頼の証であると考えられます。

もちろん、宇宙空間及び、宇宙に行く過程では、NASAでも予測しきれないトラブルがあり、最後の最後までなにがあるかわかりません。一例を挙げると、全ての審査をクリアし、ロケットに搭載直前のデバイスに、使用していた電池がほんの少しのトラブルの"可能性"があるとして搭乗を見送られたこともあります。世界中から優秀な技術者が集まるNASAでさえ、最後の最後まで、成功するかどうかがわからないのが宇宙開発なのです。

最後に

ここまで読んでいただきありがとうございます。リリース本文では、伝えきれない現場の様子をお伝えするために更新いたしましたが、言葉使いなど、不快に思われた方がいらっしゃいましたら申し訳ありません。

今後も窪田製薬の広報として、みなさまの叱咤激励を受けながら、頑張っていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

広報:市川

「世界から失明を撲滅する」
窪田製薬ホールディングス

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