カラーアース1
空は青い。広々とした大地は緑を生い茂らせ、川はせせらぎを届けてくれる。
僕らの世界は、感動する景色や物でいっぱいだ。
外に行くことは、ドキドキする。
今日も家を飛び出して、学校に向かう。
移転革命が起きた私たちの街
移動に時間をかける事は最早有り得ない事だった。
家を出たら五分で目的地にたどり着く。
遠くの方になればそれは少し長くなるが、1時間あれば山口から青森まですぐだ。
アカネは起きてすぐに身支度をサッと整え、学校へ向かう。
『行ってきます』
そう言って向かうのは地下に続いている階段。
地盤固定の技術も発展し、全ての道、出入りは地下を通って行われる。
それがより速く移動する事を加速させていた。
二輪の人幅しかない小型の駆動車に乗り、絶えず流れる道の上を走る。
居眠りする暇もないまま、目的地。
そうして1日が始まっていく。
学校でも歩くことはほとんどない。
先程のマシンを使い、どこにいくのも全てレールの上で移動する。
廊下なんて溜まるところじゃない。
邪魔くさくて仕方がない。
昼休み
友達とご飯を食べながらアカネは、
『明日の土曜日、お婆ちゃんのところに行ってくるの』
輪の中の一人、ユカリが言う
『わざわざ週末に行くなんて、なんかあるの?』
アカネは淡々として答える
『ううん?おばあちゃん、誕生日なんだ』
『毎年みんなで会いに行って祝っているから、楽しみなの』
朗らかな様子で優しく笑う。
しっかりしているが大人しい雰囲気のアカネ
楽しみな様子が彼女にしては珍しく周りに伝わっていた。
『私もどこか出かけちゃおう〜!』
明るく、はつらつとしているユカリはそういうと、ご飯もすぐ食べ終える
『宿題をやるっ』
机に真っ直ぐに向かい問題集とノートを取り出す。
この後すぐの授業ですぐに提出する課題を今やるのはいつものこと。
彼女に宿題なんて概念は無いのかもしれない。
チャイムが鳴る
この後が終われば楽しみにしているお出掛けだ。
ふと、外を眺める。
均整のとれた街並み
美しくも見慣れた景色
またいつもと違う景色を見れることにアカネの心は随分と踊っていた。
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