静かに視界が、白んでくる
朝だ
もう何回目の朝だろうか
分からない
あの日から、ちょっとずつ、休みながらひたすら見える街を目指す
手前にもかつての面影を残した跡地があった
誰も人はいない
やはり、この外の世界に暮らす人は居ないのだろうか、そうとしか考えられないとも思っていた
有名な景色が見える場所、そういう所がある街は文字通り囲われて、今も存在する
そうでない、なんでもなかった街はもう衰退するしかなかった
歩きながら、苦しかった
私達が、もともとここで暮らしていたら?
無条件に奪われてしまったら?
現に、そういう人達が想像し切れないほどいる
もしかしたら、知り合いのあの子とあの人もそうかもしれない
何も知らないからって、ぼやっと生きていた自分が、一番悔しく、胸を締め付ける
でも今はとりあえず、みてみぬ振りをさせてほしい
また必ず、向き合いたい
そう思いながら歩き続けた

目指してきた街がやっと、段々と大きくなってきた
もう数十時間で着くだろう
一度、しっかり休もう
カズキと相談して、決めた
食べ物なんてロクなものはないが、
とりあえず、お腹は膨らせている
夜だった
カズキは静かに眠りについた
続く

読んでいただきありがとうございます!
毎日ちょっとずつ物語を書いています。
インターネットが発達してない世界の話です
スキ、シェア、フォローしてくれると嬉しいです!お願いします

#note #毎日更新 #物語 #小説 #エンターテイメント #カラーアース

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?