決意はふと、真夜中に。vol.6
無機質な白
優しい空気がそっと僕に寄り添い、
包み込まれ、温かさに満たされる
何時間経つのだろうか
起き上がろうとした瞬間、背中に痛みが走る
どうやら怪我、しているらしい
という事はここは病室か
見覚えのない空間の答えを1人で噛みしめる
何があったのだろう
夜の記憶がない
覚えているのはあの時、聞こえてきた
『浩太朗はっ、、、!』
探しに行こうとしても、立ち上がれない
虚しさがこみ上げる
浩太朗に連れてこられたのだろうか
『真琴!』
耳馴染みのいい優しいトーンの声に僕は振り向く
『良かった、起きた!』
嬉しいのか悲しいのか、噛み締めている表情には心を打たれた
それだけの過ちを犯してしまったのか、、?
『浩太朗、何がどうなったんだ、?お前も僕も、どうしてこんなとこに、、、?』
『覚えていないの?』
さぞ驚いた顔で、そこから浩太朗は話し出す
昨日の夜のこと
過激な表現ばかりを乱雑に積み上げ、罵倒非難ばかりのブログを狂ったように更新したこと、
最終的に一昨日の事故のように、飛び込みをしようとしたこと
真琴の異変に感づき、様子を見ようと会いにきてくれた浩太朗
直近の事故のおかげで、電車の警戒レベルが高く、真琴が星になることなく、いま、ここにいること
『とにかく良かった、、』
緊張の糸がほぐれたように浩太朗は肩の力を抜く
『もう、あんなこといいだろ?真琴を大切にしている奴らは、こういう奴がいるんだから』
『遠い星なんか追い求めなくても、僕らは味方なんだよ』
認められたい気持ちが走り出してしまって、身体が追いつかなかった
その結果がこう、何もかもを失いかけた
自然と涙が溢れる
『あれ、、、』
わかっていたことのはずなのに、そのことは踏まえた上で求めていたはずなのに
本物に触れて、心はもう耐え切れないところまでいき、押し寄せる波にはもう抗えなかった
抵抗しなくていい
今は、これがいいんだ
言い聞かせ、溢れる涙をただ眺めていた
外の降りしきる雨はまだ止むことを許してくれないみたいだ
続く#note #毎日更新 #小説 #日曜日 #物語 #エンターテイメント #決意はふと真夜中に
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