『あれ、ここどこ?』
戸惑いながらアカネは周りを見渡す
見慣れない均整のとれていない街
建物は色も形も大きさも違って
異常な煙が立ち上り、地面のデコボコは全く移動することに適していない
何を取っても知らないところだらけの場所でアカネは不安になる
『ここ、おばあちゃんの街、、?』
いや、ありえない
こんなところじゃなかった
それに、カズキも家族も誰もいない
何か勘違い、いや夢でも見ているのだろう
そう思うことにした
そこから映る映像はずっと見ているととても刺激的なものだった
歩き回る人がいる
今となってはほとんどそんなことしないのに
歩き回りながら、何やら手に持った四角い画面をずっといじっている
私は未来が見えるのかもしれない
この世界はさらに先のことなんだろう
知らないことが常識の世界
震えながらワクワクしていた

ガンガン
揺らされた身体の力でアカネは目を覚ます
ゆっくりと瞼を上げるとカズキの顔が覗き込む
そうか、夢か
楽しさを抑え切れない様子の彼を見ていると、なるほど、いつもの街を容易に想像出来た
『もうすぐかなあ』
体を揺らしてまだかまだかと待ち切れないようなカズキ
彼がちゃんと私たちの街を離れて別の街に行くのはこれが初めて
無理もない
見たことない景色は期待感ばかりを色濃く鮮明に思い浮かべてしまうから
『あっという間につくよ』
軽く笑いながら、アカネは声をかける
どんなに離れてたって、この世界はどこに行くのも、常にすぐ、だ
車両の外は一切、壁で覆われた道の先に
均整の取れた街がまた、広がっているのだ

『やっと、着いた、、、?あ!』
一目散に駆け出すカズキに私たちもゆっくりと着いていく
どこか馴染みやすさも感じているのだろう
いつもの過ごす所と変わり映えがほとんどないのだから
この全国に8カ所ある内の一つの街、サッポロまで30分
おばあちゃんに会いに来て、一緒の時間を楽しむのにかなり十分すぎる時間がある
すぐ会えるすぐにいける
分かりやすくて、過ごしやすい街だ
涼しげな空気が肌にまとう
懐かしいな、と思える場所
何度かお世話になったおばあちゃん
今日はみんなでお祝いしてあげよう
遠くの方でカズキが振り返る
隣に優しさを背負った小柄な女性
私たちも急いで駆け寄っていく

続く

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