僕らが流れ星になった日 3

見張りの追い払いは案外、呆気ないものだった
オーヴィンは旅人だ、その道中でトラブルもしばしばだと言っていた
武術の心得もあり、たとえ装備した見張りでさえも一捻り
『さあ、いくよ』
颯爽と飛び乗ったオーヴィンがウィルに声をかける
今まで、一度たりとも空を割ったことがないオンボロ飛行機が、今、2人の夢、いやもっとたくさんの夢をのせて夜空に飛び立つ
アクセルを全開
重力に負けない様にウィルはとことん耐える
やりたくないことは逃げてきた、でも今なら
やりたいことのために今、投げ出すべきかけがえない時間があることを知っている
今はまさにそうだ
こんな一瞬の苦しみなんて、みんなを笑顔にする事に比べたら粉砂糖の一粒よりも下らない
ウィルは声を張り上げる
『いっっけー!!!!』
オンボロ飛行機が空を飛ぶ
色とりどりのライトを身につけて
まるで舞踏会だ
暗く、沈み込む曇り空に小さな星空が踊り出す
街のみんなは呆気にとられている
それでも、空はずっと、今までの様にずっと見上げてずっといた
雨空が明ける
街に残った雨粒にウィルの星が映り込む
町全体が、ボックスパレがこの時を待っていたかの様に雨に乱反射して、踊り出す
そうだ、これなのか、僕が願っていたのは
『ねぇ、オーヴィン!』
そこに姿はない
驚きと同時にウィルはこんな結論を
ちょっとの背中を押してくれて、ありがとう
そのオンボロ飛行機は乱反射で光る海の中に
消えていく
まるで、流れ星のように


酔っ払って遅れてしまった!!
読んでくれて、ありがとうございました!
また明日も!素敵で楽しい物語、文章を届けます。

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