二次試験に向けて
昨日今年度の一次試験の合格発表がありました。
合格発表と合わせて公開された統計情報を見ると、一次試験の合格率29.6%、合格者数は5521人もいらっしゃいます。私が受験生だったころは一次試験の合格者は3000人前後、合格率は一次試験も二次試験も大体20%前後だったはずなので、当時と比べると一次試験受験者のレベルが上がっているようです。一次試験の合格者が「中小企業診断修得者」と認定されるようになったのも要因でしょうか。
さて、二次試験に目を向けると今年も一次試験の合格者数が多かったので、二次試験の受験者も多くなってくることでしょう。これから本格的に二次試験対策に集中される方も多いと思いますが、そんな中で二次試験を勝ち抜くために、今回は二次の試験対策に慣れていない方に向けて特に注意してもらいたい点を私なりに上げさせていただきました。
解答のまとめ方:一般論でまとめない
私は受験生支援の副業で事例Ⅲ演習の採点業務を行っております。
生徒さんの解答を採点しているといつも思うのですが、解答に書かれている内容は大筋は間違っていないのですが、受験生が本当に事例の企業を理解してまとめた解答なのかどうか採点に迷うときがあります。
例えば、受注するロットサイズが少なくなっているにもかかわらず生産計画がそのままで在庫が発生しているといった事例の場合、
「生産計画を見直し生産の最適化を図る」といった表現にとどめるのではなく、「要求されるロットサイズに合わせて生産計画を見直し、過剰在庫が発生しないよう最適化を図る」といった形まで事例の内容に合わせて解答をまとめないと、採点者は加点できないと思います。
あくまで事例問題の中の企業を対象とした内容であることが必要ですので、自分の感覚や一般論で解答をまとめるのではなく、以下の点をご注意いただきたいと思います。
事例問題の中の言葉を使う
事例問題の中で記述されている状態に対しての具体的な指摘が必要
採点する側が判断に迷わないような解答の作成を心がけるようにすれば、ほかの受験生と得点で差をつけることができると思います。
事例本文で気になった点は設問で対応させる
事例本文を読んでいると、明らかに意図して組み込まれたような文章を見つけることがあります。
例えば以下のような文章です。
「近年は顧客の要望が多様化して製品の種類が増えてきている。」
「最近はコロナの影響から回復してきている。」
「製造装置の稼働率に合わせて生産計画を立てているが最近では在庫が増えてきている。」
「納期対応のため残業での対応が増えてきた。」
外部環境の変化、内部での発生し始めた問題点などが主にその記述内容ですが、こういった取ってつけたような文章が現れた時は、課題としてとらえて何らかの対応が必要とにおわせている部分が多いです。
気になった点はあらかじめ印をつけておき、設問分を読みながら対応を確認して解答の中で解決させてあげてください。
実際の過去問を見てみると
参考までに、以下は令和4年事例Ⅲ事例本文より部分的に抜粋したものですが、何とかしてあげないといけなさそうな表現がいっぱい見つかりました。
また、設問分の一部を抜粋すると以下の通りです。
ざっと見ただけですが、昨年の事例Ⅲは本文中の気になる点と設問との対応付けは比較的わかりやすい問題だったのではないでしょうか。
逆にこういう問題は他の受験生も得点してくる部分とも言えますので、他の受験生よりも多く得点するためにはどうすればよいかが一つポイントとなると思います。
対応付けと方向性はわかっているのに採点者にうまく伝えられない解答を作成してしまうのはもったいないので、本文中の言葉を使って具体的に解答で課題や対応策を指摘してあげてください。
今回の内容が皆さんのお役に立てればと思います。残り期間も少なくなってきていますが、最後まであきらめずに合格目指して頑張ってください。
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