カーリングに魅せられて
先々週カナダでカーリングの世界選手権が行われました。女子の日本代表としては中部電力が出場しましたが、選手がコロナ陽性になり一時3名で予選を戦っておりましたが予選最終戦を棄権することになり予選も敗退することになってしまいました。今回は残念な結果になってしまいましたが、予選の途中までは良い試合を続けておりましたので改めてカーリングの魅力を再確認することになりました。
前回に引き続き、今回はカーリングの魅力を分析しその要素を今後活用できないかと思い記事にまとめてみました。
カーリングに魅了させられる要因
カーリングの試合にはそれぞれシンキングタイムと呼ばれている持ち時間が設定されています。
各チームの持ち時間は38分です。一試合の構成を振り返ると、1エンドあたり、1人2投ずつ投げて4名で計8投します。試合は全部で10エンドで構成されるため、試合当たり合計80投することになります。
そこで、チームの持ち時間を1投あたりで割ると以下の通りです。
38分×60秒÷80投=28.5秒/1投
この28.5秒の中で、選手たちは考えうる可能性を話し合いブレインストーミングの中からベストな一手を探っています。
これは氷上のチェスと例えられる一因だと思われます。
マイクで拾われる彼女らの会話に耳を傾けると、「これなんかどうかな?」「それもあるけど」「そうだね」「うん、いいよ」などの言葉が交わされていますが、相手の意見を否定しないで話し合える関係ができているからこそ幅広い意見を出し合い、かつ最終的に意見をまとめられるのだと思います。
このような試合を左右するような選手たちのコミュニケーションがマイクをとおしてそのまま視聴者にも共有されるため、カーリングの中継では間近で観戦しているような臨場感が味わえます。
こんなやり取りがみられるスポーツはほかにないので、私を含めてカーリングに魅了させられるファンが増えてきたのではないでしょうか。
結果に結びつける力
カーリングの試合を見ていて、結果を出すために必要と思われる能力は以下の2つに大別できるのではないかと思います。
イメージする能力
最適な手 ※最小のリスク、最大の効果
実現する能力
イメージした最適な手をミスなく実現するテクニック
現状を正しく分析し、その中で最適な手を導き出す能力を活用して目指すべきゴールをイメージし、導き出した最適な手を自らのスキルを用いて現実のものとすることができれば望むべき最適な結果を手に入れることができるということです。
これは芸術家が作品を創造するプロセスとも合致しています。写実的なものや抽象的なもの、絵画や音楽、映像芸術に至るまで芸術家は自ら創造したい明確なイメージを頭の中に思い描いており、さらにそれをキャンバスに描いたりや演奏するなど自らのスキルで具現化することで一つの芸術作品が生まれるのです。
ビジネスも同じであり、理念に基づいた目指すべきゴールを明確に設定して組織のメンバーと共有し、スキルに応じて人的リソースを適切に配置して着実に経済活動に結び付けることでビジネスが成功に導くことができるということになります。
結果を出すためのプロセスを誠実にこなすための実力を持ったチームという点で、ロコソラーレは組織としてのよいお手本だとみることができる。
組織としてのカーリング
以前バーナードの組織論とカーリングチームとの記事を書きました。
勝利という共通の目的を持ち、円滑なコミュニケーションを駆使してチームとしてメンバーが勝利に貢献していくことでカーリングチームも強力な組織として機能しており良い結果を導き出すことができるのです。
このようにカーリングチームの活躍を分析していくことでチームビルディングの良い参考例としてみることができます。
まとめ
今回カーリングの魅力からビジネスへの活用を分析してみましたが、頭脳と体力とスキルをここまで要求されるスポーツは他にはあまりないのではないかと思われます。今回指摘した以外にもまだまだ魅力にあふれているスポーツですので、もっと奥深く分析して本業や今後の企業支援に活用していきたいと思います。