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二次試験の一月前に見直しできること

私は某資格予備校の採点のお手伝いをしておりますが、9月になると採点依頼の答案の数が増えてくるので二次試験が近いというのが実感する時期でもあります。
今年の二次筆記試験は10月27日です。二次試験の受付が9月17日までなので一次試験を突破した方で今年二次試験を受験される方は忘れずに申し込みをお願いします。

さて、今回は私が答案の採点を行う上で気になる点を改めてまとめてみようと思います。実際の試験まで期間はそれほど多くはありませんが、今からでも見直しができるくらいの内容を指摘したつもりです。


「課題」と「問題点」の取り違え

二次試験の問題文で「課題」や「問題点」を問うことは多いですが、きちんと使い分けて解答をまとめないと得点できないケースが考えられます。
問題文では課題が問われているにも関わらず「問題点」を解答に書いてしまうように、「課題」と「問題点」を使い分けられていない人がいます。

「問題点」は「解決」すべきものですが、「課題」は「問題を解決するための重要な方策」であり、「課題」は「解決」するものではなく「達成」するものとなります。
これをあいまいなままにしておくと、採点者は決して点を与えてくれませんので注意してください。

採点時に答案を読んでいると問題文から指摘している内容は正しいのだが、課題を問われているのに問題点として指摘してしまっている答案をよく見るのでとても残念です。着目するポイントは正しいのに設問の要件を満たしていないというだけで得点できないのはもったいないので、ここはきちんと使い分けができるようにしてください。これだけで点数が大きく変わる可能性があります。

経営課題はきちんと解決する

二次試験の問題文を読むと明らかに書き方に違和感を覚える文章が突然挟まれることがあります。
「なお、売り上げは減少傾向である」や「XXXはできていない」といった文書が突然割り込まれる場合などがありますが、問題文の難易度の調整のためにわかりやすいヒントを問題文に急遽追加したのではないかと推測されます。
せっかく与えてもらったヒントなので、対応すると思われる設問をきちんと判別してそれに対応する形で対応策とともに経営課題を解決してあげてください。

与件文の言葉を正しく使う

問題文の言葉を使わずに一般的な言葉に置き換えて答案を作成する方もいらっしゃいます。幅広くとらえられる可能性もありますが、作問者が指摘してほしい内容をぼんやりさせてしまう可能性もあります。

せっかく文意や解答の方向性が正しいのに、問題文の言葉をそのものずばり使用していないと採点する側からは問題文の会社の状況を正しく理解できているのかどうかの判断がしにくい場合があります。人によっては解答の文字数の中にいかに解答要素を盛り込むために、表現を変えて解答を圧縮して記述する方もいると思います。解答の方向性や盛り込むべき解答要素が正しく指摘できている方であればこの方法もありかもしれませんが、解答の要素がぶれているうえでさらに表現を変えてしまったら、採点する側は正しく理解していないと判断してしまう可能性が高いです。
自分は正しく理解していることを答案でアピールするために、問題文で与えられている状況を正しく理解したうえで、なるべく問題文で使用されている言葉や内容をそのまま指摘して解答をまとめられるようにしましょう。

最後に

二次筆記試験の本番まであと一か月ちょっとです。複数年受験されている方はある程度試験対策の型ができていると思いますので、それをあえて変える必要はないと思います。ただし、一度自分の再現解答や各社の演習の答案を見直してみて、ここで挙げたようなもう一工夫できないか振り返ってみてはいかがでしょうか。
過去のブログでも似たような内容を投稿していますが、採点を繰り返しているうちに毎年同じようなことを考えている証拠ですので他の受験者と差をつけるための工夫になると思います。

また、最近例の流行り病の患者が増えているようですので、実力を発揮する前に退場するようなことが無いよう体調には万全の注意で臨んでください。

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