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診断士本番試験に向けて

私は先月末が更新期限でしたが、期日前までに必要書類の送付を終えて無事5年の更新手続きを済ませることができました。振り返ってみると二次試験に合格したのは5年前のことということになります。
ずいぶん前の思い出になってしまいましたが、当時の直前の状況と合格後の受験生添削支援の経験を踏まえまして、今年受験する方に向けたアドバイスをさせていただこうと思います。

問われていること

1年前、二次試験の時期に上記のような投稿をしました。
この時は、問われているものに対してきちんと理解して回答すること(出題者が期待している解答を作成すること)が重要であるとまとめています。当たり前と言えば当たり前ですが、ここができていないと結果として評価の低いアウトプットしかできないことになります。

今回はさらに掘り下げてアドバイスをまとめてみたいと思います。

事例に書かれていることをもとに解答する

添削支援をしていると、時々事例演習としては異例の答案を見ることがあります。
先日、聞いたことがないような用語を使って、明らかに事例の範囲を超えた提案を解答されている方がいらっしゃいました。おそらくその分野を専門の生業とされている方であり、調べてみると使用されている用語自体は正しいように思われました。状況によってはハイレベルな解答として判断される可能性もゼロではないと思います。
ただし出題者が想定している解答のレベルを超えた内容を、文字数の限られた解答欄に記述した場合、あらかじめ想定されている得点要素を記述するスペースを削ってしまうことになるため、結果としてリスクの高い解答になってしまうと考えられます。
本番の試験では背伸びをした解答を作成するのではなく、あくまで事例に沿った内容で解答することを基本としていただきたいと思います。


事例本文内の懸念点には対応する

事例本文の中には当然現在の状況、問題点、課題等が説明されているはずです。直接的に表現されているのであればわかりやすいのですが、外部環境の変化に紛れて間接的に表現されていたりする場合もありますので、問題点であれば正しくその問題と原因を指摘し、課題であればその課題に対する対応策のヒントを探し出すことが重要になります。
直接的に表現されているものは見落とすことは少ないと思いますので、もれなく拾って解答要素として記述することに注力してください。ここで見逃すと大きな加点チャンスを失うことになってしまいます。
受験生時代、私は本文中に課題や問題点等の懸念点を見つけると星印をつけて、解答構成の下書き時に盛り込んだ後に印を消していくなどの努力をして、得点要素の見落としを減らす努力をしていました。

自分は「わかっている」ことを伝える解答を作成する

添削支援をしていると採点に迷う答案を読むことが頻繁にあります。
もちろん事前に用意されている採点基準に従って採点することが基本ですが、あいまいな表現で書かれているもの、もしくは解答のキーワード、得点要素自体は拾えているが文脈が怪しいものなどは判断に迷います。
我々の添削支援は受験指導が目的のため、なるべく答案の意図、文脈を読み解いて理解されているかどうかを判断したうえで採点するように努めていますが、本番の試験の採点者が一枚の答案にそこまでエネルギーと時間をかけてくれるかどうかは疑わしいと思います。

過去に記述式試験の採点に関して記事を書きましたが、今回は令和元年診断士二次筆記試験のデータとして、受験者数 5954人 採点期間 約1.5か月という情報をもとに分析をしてみます。
採点に要する日数は土日を除くと実質30日程度として、事例ごとに1日200枚程度の答案が採点されていることがわかります。ただし総合的な結果の取りまとめや発表準備期間を考えると、実際はもっと多くの答案が1日に処理されていることになります。採点者の人数などの情報は公開されていないため一人当たり何枚の採点が行われているのかは想像するしかありませんが、時間的に余裕のある中で採点されている状況ではなさそうだと推測されます。
そのような状況において、自分は正しく事例の課題と改善策を理解しているということを解答に表現するためには、事例に表されている固有の表現、用語を正しく使い、何が問題でどのように改善すべきかを端的に、かつ具体的に記述することにより、自分は事例を正しく理解しているのだということを分かりやすく解答で示すことが重要となります。

最後に

いろいろ書きましたが、直前期に一番気を付けるべきは体調管理です。日々の気温の変化が激しく体調を崩しやすい時期ですが、新型コロナウィルス対策に加えて風邪もひかないようにご注意ください。体調不良が原因で受験できないなどという事態に陥ってしまった場合は、悔やんでも悔やみきれないと思います。当日ご自身の実力をすべて発揮すべく、気持ちと体調を維持して頑張っていただきたいと思います。

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