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組織における管理職の役割に関して考察

新年度も始まり組織の変更、異動を経験した方も多いのではないでしょうか。
私は企業に所属している診断士であるために異動など会社組織との関わりとは切り離すことができないのですが、新年度を機に改めて組織に対する考察をしてみました。

私自身は勤務先の組織上、現在直属の部下を持っていませんが、あるプロジェクトのマネジメント役としてメンバーをコントロールする立場にあります。いわゆるプロジェクト型組織と一般的なヒエラルキー型の機能的組織が混在した組織形態となっています。
メンバーも私も組織上の管理職は別にいるため、職務上の役割とは別に組織上の管理職の役割を客観的に分析することができます。

管理職の役割

ここでは一般的なヒエラルキー型組織における管理職の役割を考えてみます。
簡単にまとめると以下の3つに大別できるのではないでしょうか。

 業務推進者(戦略立案、指示命令、進捗管理)
 評価者
 指導者

診断士受験生時代、リッカートの概念では組織のリーダーは組織間を結び付けコミュニケーションを円滑に進める連結ピンであると学習しました。上記の分類で見るならば指示命令を行う業務推進者としての役割がそれに該当すると思います。

バーナード的視点で見ても組織を成立させるためにコミュニケーションは重要ですが、先日面白い記事を読みました。

要約すると、企業(組織)はコミュニケーション能力を重視するあまり、非言語のコミュニケーション(空気を読むこと)に重きを置きだす。そうすると、多様性が失われ、忖度が生まれるということです。
組織文化への同調を強要するような動きは組織の硬直化につながると思いますので気を付けないといけません。

評価者としての視点

先ほど私の勤務先はプロジェクト型組織と機能型組織が混在しているという点をご説明しましたが、組織上の管理職が評価者としては機能しているかという点を見ると、直接業務の現場を見ているわけではないため、プロジェクト上の管理者と比較して組織上の管理職は不利であると言わざるを得ないと思います。プロジェクト関係者からのヒヤリングなどである程度客観的な判断はできると思われますが、現状の制度上は評価者としては果たして適切かどうか疑問が残るということです。

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指導者としての視点

IT企業でプロジェクトを任されている立場から見ると、プロジェクトで必要なITスキルを伸ばすための助言はプロジェクトの管理者のほうが適切な指導ができます。組織上の管理職としては、長期的視点に立ったキャリアアップのための指導が求められていると思われます。同じ指導でも目的が異なるため、指導者として求められる適性も異なるはずです。ただしそこまで考慮したうえで人事がデザインされているかどうかは、組織の成熟度(完成度)によると思われます。

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まとめ

これまで述べたように、管理職に求められる役割には多面的な側面がありますが、組織デザイン上複雑な環境においては適性が異なるため、よほど優れた人材でない限り管理職がすべてを兼ね備えることは難しいと思います。今回の考察により、プロジェクト上の管理者、組織上の管理職とそれぞれ適性に合った役割を与えて、総合的に組織の成熟度を上げていくような取り組みが必要なのではないかと思うきっかけとなりました。

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