仮想杯ヒストリーvol.4【VRMANSCG02】
仮想杯の歴史をセットごとに振り返る『仮想杯ヒストリー』第四回。前回はこちらから。
第七弾追加
前回の六弾環境では、プレイヤーの練度が高まった結果「このデッキタイプならこれを採用する」というカードが固まっていき、採用されるカードに偏りが見られるようになっていました。言い換えると、強いカードと弱いカードがはっきりしてきました。
そんな環境でリリースされた第七弾。なんと55種ものカードがアッパー調整を受け、注目を浴びていなかったカードも再度採用を検討されるようになりました。特に大きな影響を与えたのは《滅殺の剣技》の強化でしょう。
一方で新規カードには、リミットやレベルを「消費」することで強力な効果を発揮するものが目立ちます。特に《暗黒の解読》は以降長きに渡って活躍します。
第十三回
第十三回の優勝デッキは【1レベル軸天狗】です。後手1ターン目に《突風の烏天狗》をレベルチェックできれば最速後手2キルと、上振れた時は他のデッキの追随を許さない圧倒的アグロ性能を誇ります。第七弾の新カード《古代海の幼竜》および《羽ばたく夢想》によって2枚目以降の《突風の烏天狗》を捨ててデッキを回せるようになったため、一躍強デッキとして注目されました。最悪《天狗》が初手になくてもデッキを高速で掘れるので事故率は低めです(事故ったときは悲惨)。
第十四、十五回
第十四回では私が【動物コントロール】で優勝しました。優勝時にウキウキで書いたデッキ解説があるので詳しく知りたい人はこちらをどうぞ。LO一辺倒の戦略から、しっかりウォールを詰める動きにシフトしたことで勝てるようになりました。《暗黒の解読》によってミッドレンジに対して複数枚の《顕現する竜脚類》を間に合わせたり、《滑空するカモメ》でアグロに対する受けも厚くなったりと、最新の環境に対して追い風だった印象です。
次の回に優勝した【精霊植物】は3枚採用が極端に少なく思議な構築ですが、「コントロールに強いコントロール」がコンセプトになっています。ビートに対しては《生い茂る大精霊》か《鍛錬の成果》→《大原林の思念体》で受けてコントロールが効きます。対コントロールでは《降臨せしカンナカムイ》によるLOケア、《傲慢なるピュートーン》による墓地回収メタ、《滅殺の剣技》によるボード制圧対策など各種ピン差しカードを《氷結のエレメントマスター》《吹きすさぶ大精霊》《聖女の祈り》などで使い回して相手を妨害します。シルバーバレット(サーチカードを多用して有効なピン差しを使う戦略)を擬似的にVRMANSCG02上で再現したデッキとも言えます。
ちなみにこのときの私は連覇を狙って【動物コントロール】をほとんどそのまま持ち込みましたが、一回戦でこの【精霊植物】にボコボコにされてます。《傲慢なるピュートーン》で墓地の《アルヤト森のオオカミ》や《顕現する竜脚類》をレベル送りされるのが非常に厳しく、受けも《滅殺の剣技》《氷結のエレメントマスター》で突破されるため、ほぼ勝ち目がありませんでした。
第十六、十七回
この2回は《火龍の息吹》を軸にしたコンボデッキが優勝しました。いずれも私が参加していないのでちょっと情報薄めです。
第十六回の優勝デッキは【転火ユルルングル】です。しばらく【海賊団】の使用率が低かったため、LOへの警戒が薄まっていたのが勝因ではないかと思います。また《仰望するユルルングル》の扱いが難しく、「これで勝つのは無理じゃない?」という認識が広まってたために対策されていなかったような気がします。
十七回では【ドラゴン】が優勝しました。この回は【海賊団】が三人参加で、その他参加者も全体的にややコントロール傾向が薄く、ビートが通りやすい回であったかと思います。【ドラゴン】でありながら《火竜の息吹》に依存せず、《解放されし竜姫》や《古代海のカブトガニ》の採用がデッキの安定性を底上げしている印象です。
総括
七弾環境では、アグロ・コントロール・ビートコンボ・LOコンボと様々なアーキタイプが優勝を飾りました。優勝者以外に目を向けても色とりどりのデッキが持ち込まれていて、いわゆる「なんでも勝てるしなんでも負ける」環境であったと思います。一斉に行われたアッパー調整や強力な新規カードのおかげでしょう。
少しだけカードパワーのインフレが進み、混沌とした環境になった第七弾。次回八弾ではついに5レベルのカードが登場します。現在九弾なので次回のvol.5で一旦最終回となりますが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
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