仮想杯ヒストリーvol.7【VRMANSCG02】
仮想杯の歴史をセットごとに振り返る『仮想杯ヒストリー』第七回。前回はこちらから。
第十弾は、背景ストーリーを締めくくる最後の大型カード追加セットです。ストーリーのクライマックスとして実装された《終幕》および《炎剣の英雄》によって、ついにVRMANSCG02で特殊勝利・追加ターンが狙えるようになりました。
その他、十弾追加の強力なカードとして《立ち上がるパンダ》が挙げられます。
第三十四回
さっそく《炎剣の英雄》を使ったコンボデッキが優勝しました。【人間】のエンジンで大量に手札を抱え、《包囲する剛炎》《奮闘する狩人》で6点入れて勝つデッキです。決勝では【マルフェニ】を制しており、「コントロールデッキに対して強力なコンボデッキで有利を取る」という風潮のはしりとなりました。
第三十五、三十六回
それぞれ【てんし構築】と【マルフェニ】の優勝です。
【マルフェニ】については改めて語ることも無いのですが、今回の【てんし構築】は十弾追加の《神僕の司天 アブディエル》が強烈なリソースカードとして働いています。
コントロール定番の動きであった《降臨せしカンナカムイ》による《死門の司天 アズラエル》蘇生&一方的な墓地利用が、さらに強化されました。
第三十七回
【精霊ハンデス】の優勝です。前回記事で「解説は次回に譲る」としましたが、あまりにも書きたいことが多すぎたので「VRMANSCGにおけるハンデス」だけで記事を独立させました。
環境上の立ち位置は、【マルフェニ】同様コントロールです。
第三十八回
本大会の直前に一度カード能力の調整が入り、採用率の低かったカードに対してアッパー調整が入りました。最も目立った強化を貰ったのは《高貴なる吸血公》でしょう。【海賊団】に採用され、即結果を残しました。
《高貴なる吸血公》《海賊団ー『常勝』のテイラー》《海賊団ー『行師』のプランテ》で1度に8枚山札を削るコンボをフィニッシュに据えつつ、《降臨せしカンナカムイ》《死門の司天 アズラエル》《古代海のシーラカンス》のパッケージを採用しています。
第三十九回
今回の調整によって、《ゴブリンの大槌振り》の評価も一変しました。効果にターン1制限がなくなり、即座にウォールへダメージを与えることができるようになりました。手札さえあれば打点はいくらでも出せるということで、決勝では【マルフェニ】を破っての優勝を果たしています。手札の確保には《古代海のカブトガニ》《立ち上がるパンダ》《静観するムチリンダ》のパッケージを採用しており、平気で1ターン10枚ドローとかしてきます。
第四十回
【動物】を軸にした【てんし構築】が優勝しました。強化された《誘撃の徒》を採用し、対コントロール・コンボともに無理やり地上戦へ持ち込む戦略を取れるようになりました。
本大会の決勝では【てんし構築】ならではの名プレイが炸裂しました。
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相手は【海賊団】。《誘撃の徒》が刺さり【動物】側がリソースを獲得したものの、山札は残りわずか。さらに《暗黒の解読》によって【海賊団】側のウォールが増え、【動物】側が攻めきって勝つのは難しい状況になりました。また【動物】側は既に場に《降臨せしカンナカムイ》を出しており、再利用も難しい状況です。
しかし返しのターン、《立ち上がるパンダ》の効果で《降臨せしカンナカムイ》のレベルを下げ、《変色》で動物にし、強引に《百獣の王》の回収対象にすることで《降臨せしカンナカムイ》の再利用に成功しました。この一手により【海賊団】側はやれることが無くなり、逆転LO勝ちとなりました。【てんし構築】およびてんしナチュラルその人の「対応力」が如実に現れたシーンとして、強く印象に残っています。
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第四十一回
《立ち上がるパンダ》《奮闘する狩人》のレベル操作を主軸にした、除去ビートデッキが優勝しました。性質上コントロール対面は厳しいはずですが、圧倒的な枚数の除去スペルによってコンボデッキに速度勝ちor期待値勝ちできます。それでいて除去◆も9枚あり、殴り合いにも滅法強くなっています。
ビートデッキは長らくコントロールデッキに苦しめられましたが、直近ではコンボデッキの活躍が目立っていました。「環境が一周した」という表現がふさわしい優勝となっています。
総括
前環境は【てんし構築】【マルフェニ】の2強でしたが、新カード・強化カードの恩恵を受けたワンショット系のコンボデッキが対抗できるようになりました。ところがそれらのデッキはビートに対して分が悪く、結果として三すくみ環境になりました。どのアーキタイプを選んでもデッキ選択の幅が広く、俗に言う「なんでも勝てるしなんでも負ける」環境だった印象です。
大型のカード追加は第十弾で最後ですが、この後も小規模カード追加が二度行われます。仮想杯ヒストリーももうちょっと続きまーす。