VRMANSCG02のハンデスについて
リソース(≒手札枚数とユニットの場持ち)がものを言うVRMANSCG02において、ハンデスは有効な戦略たり得ます。しかし第九弾までは目立った活躍がありませんでした。仮想杯で優勝するまでの間に何があったのか、VRMANSCG02界ただ一人のハンデス愛好家・クボ酸が解説します。
なぜハンデスは勝てなかったのか?
VRMANSCG02のカードプールにおけるハンデスカードは《海賊団襲来!》、《奪取》、《一喝》、《一か八か》、《猛り燃えるファフニール》の5種ありますが、状況を問わず使えるのは《海賊団襲来!》《奪取》の2種です。
ところが、《海賊団襲来!》はお互いに手札を1枚減らすカードであり、リソースの差を付けるカードではありません。《奪取》ではむしろ自分がリソースを失います。いずれにしてもハンデス側は相手より速くリソースを獲得しなければハンデススペルが打てないため、先に山札を消費することになります。ライブラリアウトによる勝利プランとは相反する上、ハンデスを主張にする以上は《古代海のシーラカンス》も採用できません。かといってビートによる勝利も困難です。せっかく奪ったリソースを回復させ、ウォール効果のリスクを背負う上、ハンデスとリソースに枠を割く都合上ワンショット系のコンボを組み込むことも厳しいからです。
ということで、開拓以前のハンデスは「嫌がらせにはなるけど勝てない」という状態でした。
ヨルムンハンデス
この課題を最初に解決したのは《『滅びそのもの』》でした。コンボパーツは基本的に墓地にあればよく、《奪取》を有効に使えます。相手の場が空いていれば1ターンで即死打点を組めるため、殴って与えたリソースを使わせずに勝ち切れます。成立時の理不尽度は高く、また私の知る限り初めて《『滅びそのもの』》の①効果を有効に使ったデッキであったこともあり、個人的には会心の出来でした。
精霊ハンデス
スペルを多用することになるので、当然【精霊】を使ったハンデスも検討しましたが、第九弾まではろくなデッキになりませんでした。第十弾に登場した《爆炎のエレメントゴーレム》によって、ようやく「リソース差を付けるハンデスコンボ」が可能になります。コンボの条件と内容は以下の通りです。
・場に、召喚時効果を使っていない《氷結のエレメントマスター》と《爆炎のエレメントゴーレム》
・墓地に《海賊団襲来!》(手札にあるなら打つ)
・手札に《転火》
①《転火》で場の《氷結のエレメントマスター》を選択
このとき、《氷結のエレメントマスター》の召喚時効果と《爆炎のエレメントゴーレム》の自動効果が待機する
②《氷結のエレメントマスター》の召喚時効果で墓地の《転火》を回収
③《爆炎のエレメントゴーレム》の自動効果で墓地の《海賊団襲来!》を詠唱
場・手札が初期状態に戻っているので、次のターンも同じことができる
毎ターン1枚のハンデスによって相手の手札が増えなくなるため、決まった時点でほぼ逆転はなくなります。あとは《カンナカムイ》でデッキ回復するか、《襲来》の効果でデッキ破壊を何回か選んで勝ちです。
ひとまず優勝を飾ることはできたものの、弱点もありました。
一つは、精霊の全体的なパワー不足です。序盤は《見習い魔術師》《ピクシーの親衛隊》《一陣の風精》などを場に出して手札を整えつつ場を埋めますが、多くの場面で相手の場のユニットを戦闘で破壊できずにターンを返すことになります。相手にとっては1枚分リソースが浮くことになり、何のためのハンデスか分かりません。8000パワーのユニットが不足していることも問題です。実際、ハンデスデッキであるはずなのにロングゲームで負ける試合が何度もありました。
もう一つは、受けの弱さです。ロングゲームを狙うデッキとしては◆が足りず、「5回殴られてなんにも起こらず負けたわ」が珍しくありませんでした。また、序盤に引きたいカードと中盤以降に引きたいカードが分かれており、いわゆる交通事故も目立ちました。
この問題を解決したのが《ランプの精霊》と《爆ぜる炎霊》です。
《ランプの精霊》は受けられる◆持ち・パワー4000・安定感UPと、全ての効果が【精霊ハンデス】に噛み合っていました。《爆ぜる炎霊》は、序盤ならパワー4000の処理を狙え、中盤以降も《氷結のエレメントマスター》などとよく噛み合います。場合によっては打点にもなり、ビートプランやコントロールミラーで活躍します。
さらに《邪悪なる結託》《隠者の復唱》の強化もあり、【精霊ハンデス】は完全体となりました。
完成以降はこの構築で仮想杯に出続け、優勝2回・勝率7割以上を記録しています。デッキ構築カードゲームで7割勝てるデッキ、普通にぶっ壊れです。
バニラハンデス
ハンデスの課題を解決したデッキをもう一つ。《撃破するリントブルム》は相手にリソースを与えずにウォールを減らす能力を持っています。ハンデスを通した上で能動的に勝てる数少ない手段であり、成立すればかなり強力なはずです。
動けば強いデッキですが、手札の要求値がちょっと高すぎます。そこそこやれるデッキではあるので、誰かこのデッキを進化させてください。
最後に
以上が現状成立しているハンデスデッキの全てです。【植物】もなんとかなりそうな雰囲気はあるんですが、やはり明確な勝ちプランが見つけられていません。また、《一か八か》をうまく扱っているデッキも私の知る限りまだありません。すなわち、ハンデスにはまだ伸びしろが残っているということになります。さらに、新カードの追加も間近に控えています。
ここまで文章を読んでくれたわけですから、ハンデスに興味がないわけではありませんよね????一緒にハンデス流行らせませんか??????
あ、僕には使わないでください