あえて言う。私はライターに向いていない人間だと
フリーライターの久保みのりです。ライターに向いていないとわかっていながら、2023年春ごろに会社員からフリーライターに転身しました。向いていないけれど、コツコツ書いて納品して31個の記名記事が世に放たれています。(自主企画がほとんどですが…)
今後記事を書き続けても、ライターに向いていると思える日は来ないでしょう。「あぁ〜ライターに向いてないっ」頭の中でこのセリフが木霊(こだま)するのに慣れた今日このごろ、ライターに向いていない私だからこそできることがあるのでは?と思い始めました。
苦手は、得意の裏返し。少し思考を整理してみることに。
私がライターに向いていないポイント3選
①ハイコンテクストコミュニケーション
昨年の冬、Excedoというビジネス英会話を受講していました。※めちゃくちゃ有益だったので、リンクURLを貼っています
そこで、日本人はハイコンテクストだと言われました。初めて聞いた言葉だったので調べると👇
場の空気を読んで発言できているかは置いといて、共感しかありませんでした。私は、ハイコンテクスト文化にどっぷり浸かった人間で間違いない。なんなら、含みを持たせてお互いの視点にどれだけズレがあるか試しあう会話がけっこう好きなんです。
そして、この文化がライティングにおいても大きな障壁になっていると日々感じています。「こう思っているはずだ」「なんとなくわかるから、詳しく書かなくてもいいか」そして、読者を置いてけぼりにする記事ができあがるんです…。
ライター・鉄の掟「執筆した記事は、少し時間を置いて読み返す」を守っても、隅々まで気を遣えず、編集さんに「ここ、わかりづらいです」と赤をもらう日々。あぁ〜ライターに向いてないっ。
②マイワールドの住人
そして、何より私はマイワールドの住人でして。自分の意見や考え方がしっかりあるタイプなので、好みが記事に出やすいといいますか…。取材であれば、強調したいインタビュイーのセリフが偏っているかもしれません。
自分の書きたいことではなく読者が求めているものを書く仕事、それがライター。取材中も執筆中も、想定読者を自分に宿して集中しないと、すぐマイワールドを展開してしまうんです。
SEOやセールスに手が伸びないのは、自分が想定読者にハマらないと書けない自信があるから。そして、想定読者にハマる確率がかなり低いからです。いまやっている取材だって、想定読者が自分と大きく乖離していたら書けないかも…。いつかカメレオンライターと呼ばれたいのに……(???)
あぁ〜ライターに向いてないっ。
③ものすごく天邪鬼
最後に致命的なのがきました。人を不快な気持ちにさせないように、何年も配慮し続けた結果、人付き合いでバレることはないはずなんですが、ものすごく天邪鬼です。
とにかく、意外性を持たせる方向に行動してしまうんです。右を向け!と言われれば、左を向くどころか、言った本人の横に立ち右を向き「あなたから見たら真正面ですけど右を向きました」とかやってみたくなる。(例えが謎)
「驚かせたい」そんな気持ちがムクムクと膨らみ、記事執筆の目的から思い切り逸脱したくなります。本当は、受け取る相手によって解釈が変わるようなカオスな文章を書きたいんです。(病的)
「読者が求める文章を書くことにやりがいを感じています」と言える日が来るのでしょうか。あぁ〜ライターに向いてないっ。
私が尖れそうな(得意な)こと
ここまで読んだ人は、大丈夫かよと心配になりますよね。私も自分が心配です。クライアントがこの記事を読んでいたら、不安になるかもしれません。
車を運転しながらカーブを曲がるとき、このままハンドルを切らなかったらどうなるんだろうと想像することはあっても、ひどい事故が怖くていつも通りハンドルを切る。
そんな感じでライター業をやっています。人の話を聞くと、視界が広がってすごくワクワクするのでね。好きなことをリモートで実現したいとなると、やはり取材ライターが最・適・解。
でも最近、シナリオライターという選択肢を見つけました。
・アジア系特有の、含みを持たせる会話が好き
・ある程度自分の世界観がある
・意外性で人を驚かせたい
こんなにもライターに向いていない私。でも、シナリオライターなら適性があるのではと思い始めたんです。
シナリオなら、事細かに説明する文章を入れると違和感があるし。(ナレーションは必要ですが)クライアントの要望に沿ったうえで、ある程度世界観が統一されている必要がありますし。
ガチガチにプロットが決まっていなければ、シナリオで意外性を持たせることだってできるはず。
①趣味で小説を書く
②ライターとしてコンテンツの作り方を学ぶ
③取材とシナリオメインのライターになる
遠回りなように見えますが、自分の良くない癖とコンテンツの作り方を理解したうえでシナリオライターも始めることが、私の得意を活かす働き方につながりそうです。ライターに向いていないポイントが、シナリオライターに向いているポイントに変わる瞬間かもしれません。
2024年は、特徴を抑えながら取材ライターをしつつ、自分の持ち味を活かしながらシナリオライターをやりたい。いや、する。
一口にライターと言っても、自分に合った働き方があるよなというお話です。
ひよっこシナリオライターここに誕生!
〜おしまい〜