2018/09|中通島|かくれキリシタン を辿る(3日目)
(2018/09/某日)記。
フィールドノートを振り返って。
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「福江島(福江島)」から「中通島(奈良尾港)」へ。
本日も、カトリック信者でもある地元ガイドさんと共に巡ります。
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桐教会
ガイドさん曰く、禁教期は子供も拷問にかけられていたという、激しい弾圧の歴史を持つ桐地区。
「桐教会」から見える若松瀬戸。エメラルドグリーンにも見える海がとても美しい。
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中ノ浦教会
なくなった久賀島の「細石流(さざれ)教会」をモデルにしているといわれている。教会内部の壁に施された椿?の花の装飾が可愛らしかった。
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若松大浦教会
民家のような教会。十字架を見逃すと、本当に分からない!
「若松大浦教会」のマリア像は、ふくよかな、日本人みたいな、和風?マリア像。製作者の奥さんをモデルにして作ったため、そのような見た目になったらしい。
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大曽教会
「大曽(おおそ)教会」も建築家・鉄川与助が設計施工。ガイドさんの話曰く、神父・建築家・信徒によって、教会に"好み"みたいなものが見えるそうだ。
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青砂ヶ浦教会
2010年に建堂100周年を迎えた。こちらも鉄川与助による設計施工。信者たち総出でレンガを運んだ。眼下に広がる奈摩湾が壮大。
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お昼ごはんは「五島うどん」!
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頭ヶ島天主堂
「上五島空港」から出ているシャトルバスに乗って、頭ヶ島集落へ。
上から見た時は小さな教会に見えたが、室内は柱が無いため広く見えた。室内は花の装飾がたくさんあり、まるで花に囲まれているような教会だった。「花のお御堂」と呼ばれている。
「五島石」という資源に着眼し、島で削った石を運んだ。よく見ると、建設の時に使われていたらしい和数字が刻まれている。「五島石」は固い石だが、ある方向に割れやすく、加工しやすいそうだ。
島のふれあい館
頭ヶ島集落の空き家を改装し、交流・体験ができる場として今月上旬にオープン。昭和30年代の生活様式、特に、住民が使用していたカトリックの祭壇等も再現している。
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「矢堅目(やがため)」という岩が見えた(写真だと少し小さいですが)。この岩があの「トトロ」に見えるとのことで、最近は「トトロ岩」とも呼ばれている。地元ガイドの方はそんな風に話題になっているとは知らず、「観光客の方を案内していた時に教えてもらった」「外から来た方達だからこその新しい発見だった」と語った。
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旧鯛ノ浦教会
明治と昭和の融合建築と言われている。レンガ造りの塔の方には、原爆で倒壊してしまった「旧大浦天主堂」のレンガを再利用したもので、焼け跡が見られる。
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今回案内してくださったガイドのお二人。お二人ともカトリックのためか、「隠れキリシタン」についてはあまりしゃべらない(しゃべりたくない?それとも、あまり知らない?)。
「自分の家を作るよりも、まず先に教会を作ることに力を入れた人々の信仰心の強さ」「明治以降、やっとの思いで手に入れた信仰・表現の自由の印としての教会」といったように、どちらかというと、迫害の歴史や信仰の強さ、祈りの心を語り、伝えたがっている印象。
また、これらの教会群が世界遺産となり、観光客が訪れてくることについて。トイレや駐車場の設置、交流の場所を作ったり等されることは、カトリック信者の高齢化と減少という問題を考えると「教会の保存」という点では観光地化は確かに一つの手段かもしれない。ただ、マナーを守らない人、心無い人の行い、お祈り中に観光客が教会に入ってくることに対しての反対や戸惑いを覚える人がいることも確か。
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「2018/09|平戸|かくれキリシタン を辿る(4日目)」へ続く