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駅前で夢を見て歌い続ける君が夢を叶えるまで……

いつものように仕事を終えて電車に乗り最寄りの駅を降りる

帰宅ラッシュの時間帯、周りは俺と同じようなサラリーマンばかりだ

早く家に帰ろうと駅を出て歩く

駅前のところに今日もギターを弾きながら歌っている女の子がいた

足を止めて聴いたことは無いがこの子の歌声が好きだ

なのでその子の前を歩く時にさりげなく投げ銭していた

その子がいる日の日課になっていた

それから近くにあるコンビニに行き、買い物をして家に帰った



住んでいるアパートの階段を上り自分の部屋のドアを開ける

〇:ただいまー

誰もいない部屋に向かって言う

買ってきたお弁当をレンジに入れて他の買ってきたものを冷蔵庫に入れたりする

〇:あ……そういえば洗剤買うの忘れてた……

昨日使い切って今日買おうと思っていたことを今思い出した

〇:仕方ない……買いに行くか

近くではあるのでいいかと思い外に出る

すると、今さっきまで降っていなかった雨が降っていた

〇:げ……マジかよ……

買いに行くか悩む……

〇:まぁでも必要だし……傘を差して行くか

玄関に置いてあった傘を持ちアパートを出てコンビニに向かった



コンビニに着いたら直ぐに洗剤を買って出た

そしたらちょうどコンビニの前で身の覚えがある女の子が傘を差さないで立っていた

話しかけるか少し悩んだが何となく声をかけた

〇:あの、君いつも駅前で路上ライブしてる子だよね?大丈夫?

俺が声をかけると俺の顔を見て驚く

?:あ、あなたは……いつもお金入れてくれる方……ですよね

〇:あ、顔覚えられてたんだ

?:なかなかお金入れてくれる人いませんから……

〇:やっぱり大変なんだね、傘持ってないの?

?:はい、雨降るって知らなくて持ってこなかったんですよね……お金使うのも勿体ないなぁって思って……

〇:そうなんだ、俺のこの傘あげるよ

?:いや、申し訳ないですよ

〇:いいんだよいつも……えっと……ごめん名前ってなんて言うの?

?:あ、五百城茉央って言います

〇:五百城ちゃんね……いつも五百城ちゃんの歌声を聴けると嬉しいなぁって思えるから

茉:そんな……私の歌声なんてそんな力無いですよ

〇:いやいやあるんだよ

茉:……ありがとうございます

少し照れた様子で言う

〇:だから傘!俺家近いし!!ね!!

茉:本当にいいんですか?

〇:うん!ほら!受け取って!

茉:あ、ありがとうございます!

五百城ちゃんに傘を渡すとお礼を言われる

〇:それじゃ俺は帰るね!

俺は雨の中小走りでそう言って家に帰った



家に帰ると家に出る前に温めたお弁当が少し冷めていたので温め直して食べた

その後買ってきた洗剤を使って洗濯や他の家事をやってベットで眠った

次の日も仕事へ行き働いていつものように電車に乗って帰ってきた

最寄りの駅で降りて歩くと昨日話をした五百城ちゃんが路上ライブをしていた

俺が前を歩くと五百城ちゃんが声を掛けてきた


茉:あ、あの!!すいません!

〇:え、あ俺?

茉:はい!

〇:何かな?

茉:昨日はありがとうございました、傘です!

〇:あ、いいのにわざわざありがとう

茉:いえ、本当にありがとうございました!

傘を受け取る

〇:今日も頑張ってるね

茉:はい……

五百城ちゃんが暗い顔になる

〇:何かあった?

茉:え、あ!全然!!大丈夫です!!

〇:その反応するってことは何かあったってことだね

茉:な、なんで分かるんですか?

〇:昨日話した感じいい子ってわかったからね、それに嘘をつけるタイプじゃないなーって思ったから

茉:お恥ずかしい……

〇:俺でよければ話聞くよ?

茉:え、いいんですか?

〇:うん、なんかの縁だしね

茉:それじゃ話聞いてもらってもいいですか……?

〇:うん!ここだとあれだから……

どこで話すか周りを見渡すとちょうどファミレスが目に入る

〇:あ、あそこのファミレスで話聞くよ

茉:わ、分かりました

俺と五百城ちゃんは路上ライブの片付けをしてファミレスに向かった



ファミレスに着いて席に案内される

〇:えーと……それじゃ何も頼まないのは良くないから、何か好きなの頼んでいいよ

茉:え!そ、そんな大丈っ!?

五百城ちゃんがそう話すと同時にお腹がグゥ……と鳴る

茉:うっ……

〇:ふふ、お腹は空いてるみたいだね、ほら遠慮なんてせず食べな

茉:……ありがとうございます

五百城ちゃんは恥ずかしそうに顔を赤くしながらメニュー表を見て、五百城ちゃんはマグロ丼を俺は飲み放題を注文した

マグロ丼が来て嬉しそうに食べ終わった



茉:ご馳走様でした

〇:ふふ、いい食べっぷりだね、マグロ好きなの?

茉:1番好きです

恥ずかしそうに微笑みながら五百城ちゃんが言った

〇:1番って言い切れるぐらい好きなんだ

茉:はい!

〇:そっか!それじゃ食べ終わったし話聞くよ

茉:あっ!そ、そうでしたね

五百城ちゃんはそう言って話し始めた

茉:私……夢があって、いつか武道館に立って歌って多くの人に力を与えたいなぁって思って……お母さんは応援してくれていたんですけど父親は反対をしてその反対を無視して神戸から出て東京に来たんです……

〇:神戸から!?そうなんだ……それは大変だね

茉:はい、それで昼間はバイトとかしてやってるんですけど、この前家にお父さんがやってきて……お母さんとは連絡をとってて住所とか知ってたんです、それがお父さんにバレて、住所を聞いてやってきたらしいです……

〇:それはやばいね……

茉:はい……お父さんは一言目に帰るぞって言ってきて……嫌だって否定して追いやろうとしたんですけどなかなか帰ってくれなくて……

〇:五百城ちゃんはどうしたの?

茉:私実はオーディションとかも受けてて……それもお母さんから教えてもらったらしくて、次のオーディション落ちたら帰ってこいって最終的に言われて……私もこれ以上は面倒くさいなって思ってわかったって言ったんです

〇:なるほど、最後のチャンスをもらったんだ

茉:はい、それで明日がそのオーディションなんです、それで最後のオーディションかってなったらものすごく怖くなって……

〇:明日なの?そうなんだ、それなのに今日歌って良かったの?なんか喉休めたりしないんだ

茉:それは昨日……えっと名前って……

〇:あ、俺名前言ってなかったね、〇〇です

茉:〇〇さんって言うんですね、昨日〇〇さんに助けてもらってもしオーディション落ちたら路上ライブもしなくなって帰ることになるのでお礼を伝えるなら今日しかないって思ったことと、なんか歌ってると怖さを忘れられたんです

〇:そっか……

茉:……最初は自信を持ってここに来ました……でも、オーディションを受けても路上ライブをしても全然見向きされなくて……明日も無理だって思ってる自分もいるんですけど……それでも、諦めたくないって思う自分もいて……

〇:それだけ歌うことに努力してきて、本気でその夢を叶えたいんだね

茉:はい……幼い頃たまたま音楽テレビで武道館で歌っているアーティストさんを見て力をもらった気がしてそれでいつか私もこの人みたいになりたいって思ったんです、それからずっとずっとそれが夢で努力してきたんです……

〇:そっか……五百城ちゃん、俺は君のことを全然知らない、洗剤を買い忘れなければ……雨が降ってなかったら……昨日五百城ちゃんと話すことは無かっただろう……そんな俺だけど、話を聞いて思ったよ

茉:え?

〇:努力してきたんだろ?それだけ夢を見てただその夢のために……全力で、あと足りないものはひとつだって

茉:な、なんですか?

〇:それは努力した自分自身を信じることさ

茉:っ!?

〇:五百城ちゃんはいい子だから、多分自分はまだまだって謙遜するけど、本当に夢を叶えたいなら努力してきた自分を認めてあげることも必要だと思うよ、それが出来れば五百城ちゃんは夢を叶えられると俺は思う

茉:なるほど……自分に足りなかったのはそうだったんですね

〇:ま、素人の俺の意見だけどね

茉:いや!全然そんなことないですよ!!私〇〇さんの今の言葉聞いて思ったんです……確かにそうかもって!

〇:もし力になれたなら嬉しいよ

茉:力になりましたよ!!本当にありがとうございます!!私自分を認めます!そしたらなんか……行ける気がしてました!!

〇:お、そっか頑張って!

茉:はい!!頑張ります!!

五百城ちゃんがニコッと笑う

〇:結果教えてね!

茉:もちろんです!!

そして、俺と五百城ちゃんはそれぞれの家に帰った



数ヶ月が経ちいつものように家に帰ろうと電車を降りて帰ろうと駅を出た

駅前のところに五百城ちゃんがギターを持たずに誰かを探してる様子で立っていた

五百城ちゃんと目が合う

茉:あ、〇〇さーん!

名前を呼ばれ俺は五百城ちゃんの方へ行く

〇:どうしたの?もしかして合否がわかったの?

茉:はい

〇:結果は?

茉:まだ見てないです!

〇:え?

茉:〇〇さんと見たいなって思って……

〇:そうだったんだ、それじゃ……あのファミレス行こっか

茉:わかりました

俺と五百城ちゃんは一緒にファミレスへ向かった



ファミレスに着きあの日と同じ席にたまたま案内される

茉:この席あの日と一緒ですね!

〇:あ、確かにそうだね

茉:なんか凄いですね

〇:そうだね、それじゃマグロ丼頼む?

茉:えっ!いいんですか!あっでも先に結果見ましょ!

〇:そうだね、見るか!

茉:はい、それじゃみますね……

スマホを出して結果を確認する



茉:……っ!!〇〇さん!!

スマホの画面を俺に見せてくる

そこには……




合格の二文字が書かれていた




〇:五百城ちゃん!おめでとう!!

茉:ありがとうございます!!

泣くほど嬉しかったんだろう涙を流す

〇:本当に良かったね

茉:やった……やったー!!私嬉しいです!!やっと……やっと!!受かりました!!

〇:良かったよ受かって

五百城ちゃんの喜ぶ顔を見て俺も嬉しくなって笑顔になる

茉:これも全部〇〇さんのおかげです!!あの日の言葉があったから私は受かりました!!

〇:そんなことないよ、五百城ちゃんの努力の賜物だよ

茉:そうですかね……えへへ

恥ずかしそうに微笑む

〇:あ、お父さんとかに連絡は?

茉:あ!そうでした!!

スマホを出して送信する、少しするとピロンとスマホが鳴る

〇:返事?

茉:はい!お母さんからです!えっと……お母さんからおめでとう!!ってお父さんも嬉しそうにしてるって言ってます!

〇:おぉ!そっか!!良かったね!!

茉:はい!これでやっと……夢に向かって歩き出せます!!私これからもっともっと!!努力して頑張ります!!そして、武道館に立ってみんなに力を与えられるような歌を歌います!!

〇:うん!五百城ちゃんなら出来るよ!頑張れ!!これからも応援してる!!

茉:ありがとうございます!!

〇:それじゃマグロ丼頼もっか!

茉:お願いします!!

俺は店員さんを呼び、注文した

すると、店員さんが喜んでいたことを聞いてきて話をしたらおめでとうございますと言ってくれた

少しするとマグロ丼がやってきた



茉:わぁ!!美味しそう……

〇:なんか五百城ちゃんのその顔を見ると俺もなんか嬉しくなるよ、てかもっと海鮮メインのお店の方が良かったんじゃない?

茉:いやいや!このマグロ丼がいいんです!!

〇:五百城ちゃんがそういうならいっか

茉:はい!いただきます!!

五百城ちゃんが食べ始める

その食べっぷりはあの日と変わってなかった

茉:美味しい……うまいおき!

〇:うまいおきってなに?

俺は気になり聞いた

すると、しまったという顔をしてから話始める

茉:あっ!すいません!美味しくてつい……小さい頃からずっとやってて……

顔を赤くする

〇:そうだったんだ、可愛いねそれ

茉:可愛くなんてないですよ!うぅ……恥ずかしい

恥ずかしそうにしながらマグロ丼を食べ終わって少し話をする



〇:五百城ちゃんはこれから大変だろうけど何するの?

茉:えっと……オーディション受かって色んなことをさせていただけることになってるのでとりあえずはそれを全力で頑張ろうかなって思ってます!

〇:そっか、それじゃ忙しいから会うのは難しくなるね

茉:〇〇さんが良ければ連絡先交換しませんか?

〇:え、いいの?

茉:はい!イベントとか来て欲しいですから!!

〇:俺でよければ交換するよ!

茉:是非!交換しましょう!!

スマホを取り出して連絡先を交換した

茉:これからお話いっぱいしましょう!!

〇:うん!よろしく!!それじゃ帰ろっか

茉:はい!

お会計を済ませてファミレスを出た

五百城ちゃんと俺はそこで改めて頑張ってねと一言伝えて帰った



それから五百城ちゃんは色んなイベントに出て歌ってメジャーデビューもしてどんどん人気になっていった

もちろん連絡はとっていた

そして……夢であった武道館で歌うことが決まった

俺も嬉しいことに呼ばれライブへ行った

武道館は満席でみんな五百城ちゃんのファンだ

ずっと路上ライブで歌ってなかなか聞いてもらえなかったのに……

そう思うだけで少し泣きそうになった

ライブが始まり歌声を聴いた

そして、ライブが終わり五百城ちゃんが会いに来てくれた


茉:〇〇さーん!!

〇:おぉ!良かったよ!!

茉:えへへ……ありがとうございます!!

〇:本当に……力貰ったよ!!

茉:本当ですか?

〇:うん!!

茉:嬉しいです……

ニコッと笑顔で言う

茉:あの、実は話したいことがあるんです

〇:え?

茉:心の中で決めていたことがあって……夢を叶えたら〇〇さんに伝えたいって思ってたんです

〇:な、何?

茉:私……〇〇さんのことが好きです!!付き合ってください!!

〇:っ!?

まさかの告白に驚く

〇:え……俺のことが好きなの?

茉:はい、私の話を聞いてくれたあの日から……ずっと……この想いを夢が叶ったら伝えようかなって思ってました

〇:そっか……

茉:もしかして彼女さんとかいますか?

〇:彼女はいないよ

俺がそう言うと五百城ちゃんは少し安堵した顔になる

確かに彼女はいない

でも突然の告白に俺は驚いていた

なんて返事をすればいいのか……

そんなの1つしかないことぐらい決まっているのに……

なぜなら俺も五百城ちゃんの事を気になっていたから……

でもこんな武道館でライブした凄い五百城ちゃんと俺が付き合っていいのか……

不安な自分がいた……

どうすればいいんだ……


〇:……俺も五百城ちゃんのことが好きだ

茉:えっ!?それじゃ!

〇:でも、俺が本当に付き合っていいのかな?

茉:え……?

〇:俺なんて普通の会社員だよ?

茉:そんなの関係ないですよ!!いいに決まってるじゃないですか!!〇〇さんのおかげで私はここにいるんです!!私は〇〇さん以上に好きなる人は合われないです!!

〇:……五百城ちゃん

俺は五百城ちゃんの言葉を聞いて覚悟を決めた

〇:わかったよそんなに思ってくれていたんだね、覚悟決まったよ!……俺も五百城ちゃんのことが好きだ!付き合ってください!!

茉:……はい!!

五百城ちゃんがニコッと笑顔で抱きついてくる

茉:やっと……やっとや……〇〇さんと付き合えた……これからは茉央って呼んでくれへん?

〇:え?

俺は突然の関西弁に驚く

茉:嫌?

〇:全然嫌じゃないよ!急に関西弁になったからちょっとびっくりして

茉:え、茉央関西弁使ってました?

〇:あ、私じゃなくて茉央になってるし

茉:えっ!?あっごめんなさい、テンション上がって……えへへ

素の姿を見れて嬉しいしものすごく可愛いく見えた

〇:……そんな茉央も可愛いよ

茉:っ!?

素直に思いを伝えるに顔を真っ赤にする茉央

茉:わ、私はちょっと他の人達にも話があるのでこれで!!

茉央は顔を赤くしながら部屋から出ていった

やりすぎたかと少し後悔してスマホで、やりすぎたごめんと送ったら直ぐ私こそすいません!と返ってきた

そして茉央は他の人達にも挨拶があるということで俺1人家に帰った

それから俺たちは数年後結婚した

結婚した時は色んな媒体でおめでとうと祝われた

子供を妊娠して少し休業した時もあったが産んだ後また復帰してまたすぐ人気を取り戻した

子供1人と3人で仕事とかで色々大変な時もあるけど楽しく暮らしている











妄ツイ読んでくださりありがとうございました!!
今回はさぁやさんの企画参加作品になっております!!
ヒロインはきっきです!!
関西弁ムズいですね……
なのでほぼ標準語で書かせていただきました
すいません!!
もし今回の関西弁で変なところがあったら教えてくださると嬉しいです!
今回の作品はギターを弾いてるきっきを見たら思いついた作品です!!
面白いと思っていただけたら幸いです!!
マシュマロなどに感想などお待ちしております!
質問でもなんでもいいです!
作品のリクエストもお待ちしております!
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最後に駄文ですが読んでくださりありがとうございました!
それではまた!

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