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ドローンで瓦点検in鯖江市の反省会

皆様、こんにちは。
家族のためのドローン道場:空道黎明館のくぼーんです。

先週末は、奥さんと一緒に福井県鯖江市に『ドローンで瓦点検』に行ってきました。

『眼鏡のさばえ』で有名な鯖江市ですが、三年前にひょんなことから『ゆるい移住』という体験移住事業に参加することになり、ゆるい雰囲気、なんとなく楽しい活動、美味しい料理とお酒の虜になってしまい、定期的に訪れる『第二の故郷』になりました。なにより、面白い仲間がそこにいるというのが、定期的に訪れる動機になるのかなと思います。

さて、今回はそんな鯖江の古民家でカフェをやっている『かわだ尾花屋まちライブラリー』さんに、ドローンで瓦点検に行ってきました。

今年の夏に福井県坂井市の『ドローン DE 夏祭り』のイベントを見学に行ったのですが、その帰り道に尾花屋さんに立ち寄りました。珈琲を飲みながらお喋りをしていましたら、「ドローンを使って屋根の点検ができないかな?」という話になりました。

何年か前に一度ドローンで点検したことがあるのですが、「昨年は、雪がひどかったので、おそらく屋根が傷んでいる。屋根の状態が気になっている人も多いはず。」というわけで、ドローンで瓦点検をするイベントを行うことになりました。そこで企画したのが、今回の『ドローンで瓦点検』イベントです。

○ドローンで瓦点検

当日のタイムスケジュールは、第一部:ドローンの基礎講習、第二部:ドローンの飛行体験、第三部:実証実験(ドローンで瓦点検)、の3部構成で実施しました。イベント終了後は、炭焼きパーティを行いました。

 13:00 イベント開始
 13:10 一部:ドローン基礎講習 ~やさしいドローン入門~
 14:30 二部:ドローン体験~telloを触ってみよう~
 15:30 三部:実証実験 ~かわらの点検~
 16:30 結果報告 ~一日の振り返り~
 17:00 実証実験 終了
 17:30 懇親会(炭焼きパーティ)

参加者は、8名(福井県:4名、大阪:2名、神戸:2名)でした。福井県からは、会場のオーナーの佐々木さん、【JUIDA認定スクール】ドローンキャンプ[北陸の空]でインストラクターをしている久森さんと卒業生の方が2名、大阪からはドローンレースやドローンを使ったスポーツに取り組んでいるカップル2名、久保家(夫婦)2名で合計8名が集まりました。

○やさしいドローン入門

最初に、『やさしいドローン入門』というテーマで、ドローンの基礎についてお話をしました。参加者全員が経験者なので、ちょっと優しすぎるかもしれないなと思いましたが、ドローンの基礎を学ぶ場は少ないので、それなりに楽しんでもらえました。

アットホームな雰囲気で質疑応答に応じることができたのが良かったです。何回かドローン道場を開催しましたが、参加者の皆さんが『最初の一言』を発する雰囲気をつくるのが難しいと感じていました。

「簡単なことを聞いたら、周りの人に迷惑になるじゃないだろうか。」
「そんなことも知らないの?と、馬鹿にされるんじゃないだろうか。」
「アナログは得意だけど、デジタルはよくわからない。何から聞けばいいんだろう。」

それぞれのレベルや目的がバラバラなため、ドローン道場は、なかなか質問をする機会が生まれなかったです。よくわからない言葉が出てきても、ついつい見栄を張ってしまって、家に帰ってから調べようという雰囲気になりがちでした。

今回は人数が少なかったこともあり、井戸端会議みたいな雰囲気で、参加者の皆さんの体験談や失敗談を話してもらうようにしました。失敗談というのは学ぶべきことが多く、「わかるわかる。想定外のことが起こるよね。」という共感が生まれるのが、ドローンの良さなのだと思いました。

つづいて、初心者向けのトイドローンとして、抜群の安定力を誇る『TELLO』を室内で飛ばしてもらいました。参加者の中には、いきなり『Phantom4』を購入した方もいたので、『TELLO』で室内でプロポ操作を学べることに感動していました。室内での練習機として、追加で1台購入するそうです(笑)

「世界シェア7割を誇るDJI社と『インテル入ってる』で有名なIntel社の共同で作ったトイドローンなんですよ」
「小さいのに、ホバリングがむちゃくちゃ安定していますね。」
「空中での安定性は、GPSを内蔵していないドローンとは思えない程です。裏側に付いた2つの赤外線センサーと下向きに設置してあるカメラ、高度計が安定維持を助けているのです。」
「写真も撮れるんですか?」
「はい、撮れますよ。Telloには、720pのビデオを記録できる5MPカメラが搭載されています。さらに、ジンバルがない代わりに、電子式手ブレ補正機能(EIS)付きになっているという優れものです。」
「どれくらい飛べるんですか?」
「13分の連続飛行が可能です。3.8Vのバッテリーと進化したプロペラが長い飛行時間を実現しています。」
「コントローラーはついているんですか?」
「コントローラーは別売りですね。こちらの『Ryze Technology GameSir T1d Controller 』はアマゾンで3,000円くらいです。スマホでも操作できますが、やっぱりコントローラーがあったほうがいいですよ。」
「プログラミングでも飛ばせるんですか?」
「はい、飛ばせますよ。」
「でも、プログラミングって難しいですよね。」
「最近は、レゴブロックみたいな命令を組み合わせるだけで操作できるプログラミングがあるんですよ。こんな感じで、『Takeoff(飛べ)』とか、『Forward 30cm(30cm前に進め)』とか、『Land(着陸せよ)』とかを組み合わせるだけで、簡単にドローンが飛ばせるのです。」
「これは簡単ですね。これならできそう。」
「でも、お高いんでしょう?(テレビショッピング風)」
   (会場笑)
「それが、たったの12,800円!」
「えー、安い!! これ、ほしいかもw 」
「プログラミングもするなら、今月発売になったEDU版がおすすめですよ。連隊飛行もできそうです。」

随分、DJI社に貢献しているな(笑)バックマージンゼロだけどw

TELLOを使うとホバリングが安定するので、飛行の難しさを体験してもらうために、ホバリング機能のないマイクロドローンも飛ばしてもらいました。むちゃくちゃ難しいので、皆さん苦戦しておりましたが、どうやら難しいほうが燃えるみたいです(笑)こちらは、アマゾンで2,300円で購入することができます。

最後に、『Phantom4』で屋根を点検を行いました。河和田地方は人口密集地域ではありませんが、操縦者と別に補助者をつけたり、電線に注意したり、ご近所さんのプライバシーを侵害しないように気をつけたり、安全第一で点検に望みました。

住宅は近年、激しい暴風雨や猛暑といった異常気象で傷みやすくなっており、重大な被害につながりかねないケースもあります。北陸地方では、昨年の大雪の影響もあり、屋根の心配をしている人も少ないないそうです。雨漏りに気づいてから直すのでは、すでに屋根がボロボロになっていて手遅れなのだとか。

そこで、ドローンの短時間で安全に点検できるメリットを生かして、屋根の損傷を早期に見つけ、住民の安全確保につなげたいと思いました。操縦者がドローンを操り、目が届きにくい屋根や雨どい、外壁を撮影し、ひび割れなどを画像でチェックするのが目的です。

点検のために、屋根から2-3mくらいの距離まで近づいて撮影を行いました。ひび割れを発見するために、なるべく屋根に近づかないといけないのですが、あまり近づき過ぎると、ぶつかるんじゃないかとヒヤヒヤしました。Mavic Zoomのような、ズーム機能があれば便利かもしれないという意見が出ました。

赤外線カメラを使うという手もあるのですが、こちらは値段が高いので費用対効果を考える必要がありそうです。

引用:https://drone-the-world.com/product/dual-search-200-new/

○炭焼きパーティで懇親会

イベント終了後に、尾花屋さんが用意してくれた炭焼きパーティで懇親会を行いました。炭焼きパーティの炭は、美山から久森さん(ゆるい移住でニートから『きこり』に転職したw)が持ってきてくれました。炭で焼くと、炭に含まれるミネラルがお肉について美味しくなるそうです。市販の炭と違って長持ちすることにも驚きました。

炭焼きをしながら、ドローンや瓦点検について語り合いました。

「JUIDA認定スクールを卒業して、ドローンを飛ばすためのスタートラインに立ったが、そこからが大変だ。全部自分でやらないといけなくなる。一緒に切磋琢磨できる仲間がほしい。」
「ドローンの基礎について学べる場がほしい。わからないことが山ほどあるが、誰に聞けばいいかわからないし、情報を集めるのにも苦労する。」

「北陸では屋根の点検のニーズがある。この辺りは高齢化も進んでいるので、屋根に上るのは大変だ。ドローンで屋根の点検ができると助かる。」
「瓦屋さんにお願いしても、屋根の上がどんな状態になっているのかわからない。後から請求書を見てびっくりする。屋根の状態を確認できると安心する。」

「河和田の公民館の館長も興味を持っている。これから高齢化が進むので、個人での問題解決は難しい。市や県の問題として、取り組む課題ではないだろうか。」

「一軒一軒を点検するのは効率が悪い。この辺りの地区をまとめて点検するみたいなバッチ処理が良いと思う。まとめてお得パックみたいにすれば、コストも安くできる。」
「台風や大雪によって屋根の劣化部分から水が漏れる事故などが各地で発生している。屋根の破損による二次的な被害を防ぐためにも、ドローンによる点検があれば助かる。」
「ドローンの点検結果は、屋根の補修の判断材料となるはず。屋根の状態がわかれば、おおよその補修費用も分かる。劣化を放置し続けて深刻な損壊が起きれば、補修費用は多大になる。早めに対応すれば、費用を抑えることができるはず。」

今後は、鯖江市や河和田地方の公民館と連携して、ドローンによる点検結果をご近所さんに公開したり、修繕が必要な場合は業者を紹介したりしていきたいと思います。

○反省点:プロモーションの失敗

ドローンで瓦点検をするイベントを開催することになり、イベントのホームページを作成したり、Facebookでイベントページをつくりました。じつは、鯖江市役所の方にバックアップして頂いて、記者会見を場も準備してもらっていたのですが、業務の調整がつかずにプレスリリースを出すことができませんでした(´;ω;`)  マスメディアを通じての紹介があれば、かなり違ったイベントになっていたと思います。

さらに大きな反省点として、関西圏(特に、兵庫県)を中心に声かけをしたのにも関わらず、視察ツアーのようなスケジュールを組んでいなかったことがあります。

確かに、鯖江市の瓦点検のイベントに違いないのですが、兵庫県で声かけをするなら、そこに至るまでの道中や宿泊先、イベント以外の観光やお土産なども必要なわけです。現地集合・解散のイベントとは文脈が異なってくる。そのあたりの配慮が漏れていました。_| ̄|○

遠隔地でイベントをする際には、その土地の人が参加するための文脈と、視察ツアーとして参加するための文脈に分けて考えないといけないなと反省しています。

○追伸(ひとり言)

3年前の今頃は、ゆるい移住で鯖江にいたなぁと思いながら、いままでの活動を振り返ってみると面白いことに気づきました。普通に考えると、平日は都市で働いているので、休日は田舎でゆっくりしたいと考えるのが人情だと思います。

ところが、僕の場合は、鳥獣対策の手伝いをしたり、山で木を切ったり、イベントの手伝いをしたり、カフェを作ったり、ドローンで瓦点検をしたり、体験移住というより、完全に働いています(笑) 往復2万円以上の交通費を払って、わざわざ働くために田舎へ行っているのです(;´∀`)

労働の対価としてお金をもらうのが常識ですが、お金を払って労働するために地方に行くというのは、どう考えても異常です。今更感がありますが、どうかしてるぜ(笑)

「昔から日本社会では、地方は働く場所で、都市は住む場所だった。」と、作家の堺屋太一先生が言っていたことを思い出しました。

いまさら生き方を変えるのも難しいですし、自然と現在の状態になったのだから、これからも、平日は都市で働いて、休日は田舎で働いて、汗をかいて、温泉に入って、風呂上がりに「 ぷはぁ~」と、うまいビールを飲み続けていきたいと思います(`・ω・´)ゞ


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