【イベントレポート】データ活用に基づく意思決定で事業戦略を推進。ビジネス組織を横断する、データソリューションチームの挑戦
こんにちは!Chatworkで中途採用を担当している渡辺です!
今回は、2022年11月22日に開催した『データ活用に基づく意思決定で事業戦略を推進。ビジネス組織を横断する、データソリューションチームの挑戦』のイベントレポートをお届けします!
Chatworkでは、「2024年に中小企業No.1ビジネスチャット」「2025年以降であらゆるビジネスの起点となるプラットフォーム”ビジネス版スーパーアプリ”」を目指すという中期経営計画を掲げています。
実現に向けた成長の過程で、大きな役割を果たすのが「データ活用」。37.6万社、500万人以上*のユーザーデータを、どのように分析・活用し、施策につなげていくか…。
中期経営計画の重要戦略である「PLG(Product-Led Growth)戦略」「Horizontal x Vertical戦略」においても重要な鍵を握っています。
今回は、そんな重要ミッションを担い、営業やマーケティングなどが所属する「ビジネス本部」を横断するデータソリューションチーム「事業企画部」の取り組みについて、マネージャーとメンバー3名がお話ししました!
「ビジネス組織内にあるデータチーム」という、希少性が高い事例について深く知ることができる内容になっているので、ぜひご覧ください!
*ユーザー数556.6万人、導入社数37.6万社以上(2022年9月末時点)
登壇者(4名)の紹介
【第一部】成長企業におけるデータ活用のおもしろさ
組織企画部の位置付けやミッション
池田:事業企画部の位置付けについてです。
Chatworkは4つの本部に分かれており、ビジネス本部は、PLG推進部・マーケティングユニット・カスタマーエクスペリエンスユニット・ビジネスデベロップメントユニット・クロスファンクションユニットに分かれています。
事業企画部はクロスファンクションユニットに属しており、各組織を横断して、データ分析や利活用を推進する役割を担っています。
代表的なシステムでは、Salesforceの設計・開発・運用も担っています。その他にも、各本部での連携を前提とした上で、データのマネジメントや、ガバナンスの推進まで担っています。
池田:続いては事業企画部のミッション・ビジョンについてです。
事業企画部は、「Chatworkの戦略実現に向けて施策数と成功確率を最大化する」というミッションを掲げています。また、そのミッションを実現する上で、4つのビジョンを設けています。
池田:ミッション作りの背景ですが、まず会社としての戦略を実現するために、成功施策数の積み重ねが大事だと捉えており、それは施策数×成功確率の掛け合わせだと考えています。
次に、その施策数がどういう分解ができるかという観点です。分析ができる人、あるいは組織×筋の良い見立てができるのかという掛け合わせになると捉えています。一方で、この成功確率は、きちんと考えた施策がうまくいってるのかを調べていく力と、現場で回すためのオペレーション効率の掛け合わせだと思っています。
池田:続いて、実際にどう仕事を進めているのかお話しします。
事業企画部はビジネス本部を横断しているため、Chatworkのあらゆる組織と関わります。その中で相談を受けて仕事をすることもあれば、我々から提案することもあります。
池田:組織ミッションのマイルストーンですが、一般的にデータの利活用を進めるためにはデータの取得・加工、そして集計・分析が必要だと捉えています。
取り組み事例
池田:まず、データの取得についてです。データソースとしては、大きく分けて「プロダクト」と「ビジネス」の2つがあります。プロダクトとしては、「Chatwork」を活用しているユーザーがいつ、どのような機能を、どれくらい使っているのか、どのようなイベントログが発生しているのか、どういうユーザーなのか、といった形で分類されます。一方、ビジネスは、オペレーションで活用しているデータをSalesforceや、Marketo、あるいはuSonarと連携しながら紐付けているという状態です。
そういったものがデータレイクとしてTREASURE DATAやSnowflakeに連携されています。この基盤構築やデータ連携については、プロダクトサイドに所属しているデータエンジニアが対応しています。
池田:データ基盤を活用してどのようなデータ加工をしているかの一例として、ユーザーの解像度を高めるための分析データマートの事例があります。具体的な分類としてはデモグラの情報や行動履歴系のデータに分かれます。
デモグラで言うと、例えばユーザーのアカウント単位や契約単位で分析できるようにしています。行動履歴系だと、ユーザーがアクティブなのか、オンボーディングがうまくいってるのかなど、各機能がどれだけ活用されているのかといった、集計対象を絞ったデータマートを拡張している状況です。
これができることによって、逐一、テーブルからローデタを引っ張ってくる必要がなくなり、似たようなqueryを書く必要がなくなるので、データ分析時の利便性が上がります。このように、SQLが書ければ誰でもデータの集計・分析を行うことができる状態が実現できています。
池田:集計・分析・活用の事例について、大きく3つお話させていただきます。まずは集計・分析です。例えばPLG戦略の進捗がどうなってるのか把握するため、モニタリング用のダッシュボードを作成しています。
Redashやデータポータル、あるいはスプレッドシートに吐き出し、分析しやすいような形でデータ抽出をして、可視化するというような形になっています。
池田:2つ目は、テレビCMの効果分析を実施しています。広告効果がプロダクトにどのような影響を与えたのか、因果推論のアプローチで分析しています。
テレビCMは規模が大きいので、意思決定をする際に、どれぐらいの費用対効果があるのかといった見立てをし、算出して報告することが大事になってきます。こうした経営の意思決定に関わる分析も、Chatworkにおけるデータ組織としての特徴です。
池田:3つ目は、オペレーションに接続する施策で、「Chatwork」のプロダクトデータを集計・分析し、セールスやカスタマーサクセスの活動に連携する取り組みです。
ユーザーの属性情報や活用状況をベースとして分析することによって、どういったユーザーが有料化しやすいのか、ライセンス追加しやすいのかという傾向が見えてきます。
そのような形でセールスの皆さんが使用するリード情報のリストを作成し、SalesforceやMarketoに連携するといった仕組みを作っています。
セールスやカスタマーサクセスの皆さんと連携しながら動くということが重要なので、定例MTGなどを頻繁に実施し、推進しています。
今後の取り組み
池田:テーマとしていくつかあるのですが、今回はデータマネジメントについて、触れさせてください。
先ほどお伝えした通り、queryさえ書ければ誰でも分析ができる状態というのが望ましい一方で、分析の自由度が高くなり過ぎて、セルフBIが乱立してしまう状況は避けたいと考えています。例えば、同じ指標を見ようとしているはずなのに、分析する人によって集計の定義が異なり、値が変わってしまう、といったデータカオスが起こらないようにしたいと考えています。これからはLooker(ルッカー)を導入しながら事業企画部で、データモデリングを行いながらデータマネジメントを強化し、最終的には、SQLが書けなくても分析できる状態を実現していきたいと考えています。
池田:最後に、事業企画部が担う組織機能についてです。
事業企画部は大きく、データ機能と、Salesforceなどのシステムを開発・運用していく機能に分かれています。現状、データ機能はデータアナリティクスが主流になっており、システム企画はSalesforceがメインとなっています。
今後は、データサイエンス領域、いわゆる機械学習を活用したアプローチやデータマネジメント、データエンジニアリングについて、全社的に力を入れていきたいと考えています。
また、システム企画についても、MarketoやCCMPといったメールの配信基盤の運用についても考慮しながら、オペレーション企画のような役割で、システム企画とオペレーションを組み合わせた最適化を進めていきたいと考えています。
【第二部】Chatwork社員によるパネルトーク
テーマ1:それぞれの役割における業務内容やミッションとは?
ーーここからは、それぞれ違う役割を担っているメンバー3名も加えて進めていきます。
稲葉:私の役割はChatworkにおけるデータの民主化や、それを実現するための環境構築が主となっています。Chatworkでは様々な組織でユーザーの行動情報や属性情報を活用したオペレーション施策が実施されています。
その中でユーザーの行動を正しく測定することや、施策の効果を全社員が同じ定義、目線で語れるようになること、SQLが書ける書けないに関わらず、施策の実施できるような環境を整備していくことが私のミッションです。
竹内:私はSalesforceの開発・運用を担当しており、インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセス向けの価値提供が役割です。ミッションは、セールスの方々が効率よく情報蓄積ができ、活用できる準備をすることだと考えています。
また、「Chatwork」のログデータや契約データがSalesforceに入っているので、そのデータをセールスの方々にどう見せれば効率良く営業に活かせるのか、考えながら対応しています。
木村:竹内と同様、Salesforceの開発・運用を担っています。現場の方々とコミュニケーションを取り、どのような情報があれば営業活動に活かせるのか、その情報を付与するためにはどうすれば良いのかという点を軸に開発・運用をしています。
ーーチーム内で連携する際に重要視しているポイントは何でしょう?
稲葉:どういったデータを連携したいのかといった要望をメンバーへ相談をするところからスタートします。私がSalesforceに関する知識を持っていないため、標準オブジェクトと言われるリードや商談に関するデータ、カスタムオブジェクトと言われるアカウントや契約に関するデータをどこに連携すれば、それぞれのオブジェクトで同じデータを見られるようになるのかを強く意識しています。あとは、竹内、木村と相談した上で、データの出し方などを擦り合わせています。
ーーチーム内でのコミュニケーションを頻繁に実施されているんですね。現場のメンバーから相談を受けたときは、どういう観点で意思決定しているのでしょうか?
竹内:「この辺りをSalesforceに欲しい」といった依頼をいただくのですが、そもそもその項目が必要なのかというところから、事業企画部全体で話し合いをしています。そこで取捨選択が実施され、私1人で意思決定する場合もあれば、全員で意思決定する場合もあります。
池田:「それって何で必要なんだっけ?」というところに、かなりこだわりを持っています。なので、積極的にコミュニケーションはとるようにしていますし、現場の皆さんとのコミュニケーションも齟齬が起きないように、強く意識しています。
テーマ2:ビジネス組織を横断し、データ連携する際の重要なポイントとは?
ーー第1部にてビジネス組織×プロダクト組織の連携という話がありましたが、どのように連携してるのでしょうか?
稲葉:まずはビジネスの観点からお話させていただきます。1つ重要になるポイントとして、各部門が活用したいデータを、各部門が普段活用しているツールに連携できているという状態を実現すること。そして、データを扱う人間として品質を担保していくということが重要だと考えてます。
特にビジネス部門においては、SLGとPLGの統合モデルというのを構築している最中ですので、PLGのアプローチにおいて、ユーザーの行動情報というのは欠かせないと思っています。
Salesforceに関しては先ほどもお伝えしましたが、標準オブジェクトに加えて、カスタムオブジェクト、システム企画が実装している状態です。データウェアハウスからSalesforceに各種データを連携することで、各部門のメンバーがSalesforceを見ればユーザーの行動が直近どういう状態にあったのかわかるといったことや、uSonarで取得した業種情報をSalesforceさえ見ていればわかるといった環境を提供していくことが大事だと考えています。
Salesforceにどういった行動のデータが入っているか、PQL条件がどういった形になっているのかというのは、先日、セールスチームが開催したイベントのレポートをご覧ください。
竹内:セールス側でいうと、「Chatwork」の利用情報、契約情報だけでなく、マーケティングデータやSalesforce内部のデータ、過去の営業情報などを複合的に見て営業活動を行うので、そこを一気通貫で見られるように重複検索画面などを作成して、営業を効率化しています。
ーー第1部でも、オペレーション周りの整備について話がありましたが、池田さんから補足はありますか?
池田:竹内がメインで実施しているのですが、セールスチーム内でのコミュニケーションや、セールスチームとカスタマーサクセスチームとのやり取りにおいて、「誰がこのユーザーを担当していたのか?」などの確認作業にかなり時間がかかっており、1日に1人1時間以上かかっているという、精神的な負荷が高い現状がありました。
そこに対して、オペレーションを確認をした上で整理して、こういうふうに変えれば良いんじゃないか、そのためにはシステムとしてこうあるべきではないか、データとしてはこういうものが必要なのではないか、ということを進められた、良い事例だと思っています。
ーー「ビジネス組織×プロダクト組織」の話で、「切り分けはどうしてるのか?」という点についてはいかがでしょうか?
池田:プロダクト側にもデータ組織が存在しています。事業企画部は主にビジネス観点でデータ分析を行います。いわゆる、ビジネスアナリティクスという表現に近いと思います。
一方で、プロダクトのデータ分析はプロダクトアナリティクスという形で、プロダクト活用状況がどうなっているのかといったところを見ています。ただ、完全に独立してるのかというとそうではなく、見るべきデータは共通してるので、お互いが、分析に必要なデータってこうあるべきだよね、というところを考えるのが大事になってきます。
組織横断でのデータの取り扱いやあるべき姿を議論するケースも多々あります。そしてもう1つ、データ基盤についてです。Snowflakeを現在検証しているのですが、日本において、ここまで活用に踏み込んでる企業はないと思います。
そういった最先端の技術を推進できるレベルの高いデータエンジニアがプロダクト側にいるので、連携しながら、「ビジネス観点だとこのデータをこういう風に扱えると嬉しい」「理想的なデータ基盤ってこうなんだろうね」というところを事業企画部から伝えて、推進しています。
ーー市場的に希少性が高いことに取り組んでいると感じたのですが、他社で取り組みが進んでいない要因は何でしょうか?
池田:会社のフェーズによって変わってくると思っています。まず、Chatworkがなぜ実施しているのかというと、現在、高成長マーケットかつ、企業のCapabilityも整ってきている中で投資を踏んでいるので、今からデータを活用し、レバレッジを効かせるということが経営の意思でもあります。そのため、データドリブンに考えるべき、意思決定するべき、という考えがあります。
他の大企業でもできなくはないのかもしれませんが、データの活用が進んでしまっていると、データマネジメントからやり直すことにかなりのリソースを投下しなければいけません。また、それをリファクタリングし直すとなると、大々的な経営の意思決定が必要になってきます。そのため、会社全体として取り組めるというのは現在のChatworkのフェーズでしかできないかなと、個人的に捉えてます。
ーープロダクトとビジネスの連携について、様々な軌道修正をしながら推進している中、具体的な課題や施策など、事例をお伺いしたいです。
稲葉:私個人としてぶつかった課題についてお話しできればと思います。Chatwork」は、比較的機能フェーズに対して歴史のあるサービスで、データベースの数や、蓄積されているデータ、取得しているイベントの定義がある程度蓄積されており、データが膨大だという状態から、業務をスタートしました。
その際に、このテーブルってそもそも何なんだろう?こういうデータを取りたいときにどのデータを見に行けば良いんだろう?といった混乱が最初のタイミングで数多く発生していました。また、自身の中で思い描いていたデータの定義であったり、過去に蓄積されたqueryを見ていて、それぞれ条件の指定の仕方が違うことや、集計定義が違うといったことが多かったと感じています。その度に、どれが正しいデータなのか、本来どうあるべきなのかということを考える機会が多かったと記憶しています。
こちらに関しては、先ほど説明にもあった通り、プロダクト側にデータ組織が存在しているので、お互い自然な感じで連携を取るようになりました。
連携の内容としては様々で、これってどのようなイベント定義でしょうか?データをどのように活用していますか?といったことを、都度確認させていただけたことが解決に大きく影響したと感じています。
また、Chatworkにおいて、個人的にすごく良いポイントだと感じていることが、アナリティクス組織からエンジニアの方々に質問をさせていただいた際に、回答いただけるスピードが早く、スムーズに連携できているという点です。この規模だからこそなのかもしれないですが非常にありがたいことだと思いながら仕事しています。
ーー木村さんは入社してまだ2ヶ月弱という中で、データ組織としての活動はいかがですか?
木村:今回のタイトルにもあるように、ビジネス組織を横断してのデータの分析や、その先の活用まで携われる組織という点が非常に魅力的で希少価値の高いものだと感じています。転職活動する中で、やはりデータ抽出という観点と、分析の活用という観点、さらにはSalesforceの開発・運用の役割ごとに組織が分かれている企業が多かったのですが、Chatworkでは一気通貫で携われることが非常に魅力的だな思っています。
ーー池田さん、最後に一言お願いします。
池田:組織を横断するということが大げさに捉えられがちではあるのですが、大事なのは、自分たちの役割をしっかり自分たちで認識できていることだと思っています。その上で、周りの人に理解してもらえてるかという点が重要です。
事業企画部はデータ機能とシステムを支える機能を担っているという認知が社内に広まってきている状態ではあるので、他の組織と連携しやすくなっていると感じています。また、そういった点を経営からも支援してもらえている状況というのは恵まれた環境だと思っています。
QAセッション(一部抜粋)
池田:前提として、事業企画部の業務は相談型と提案型に分かれます。相談型というのは、各組織の担当者から依頼を受けて仕事を進めるというパターン、提案型は事業企画部のメンバーからこうした方が良いんじゃないか、という点を各組織の担当者に提案して仕事を進めていく形です。これらの優先順位を決める際には、事業企画部の戦略、あるいは全社の戦略に対してどれだけ関連が強いかという観点を考慮しています。
その上で、業務の影響範囲の広さや、実施にかかる工数、緊急性といったところを鑑みて優先順位を決めていくという形になります。戦略を軸にしたときに、「これはやらない」と決めることが大事だなと思ってるので、周りからドライに見られてしまうこともあるのですが……(笑)。
稲葉:最終的に何をやりたいのかという点は、自身の中で腹落ちしているかという点を意識しています。数字が欲しいケース、データが欲しいケースというのは、どうしても要件整理のときに「こういうデータが欲しい」というところに着地してしまいがちなのですが、そのデータが欲しい理由って何なんだっけ?というところを理解したときに初めて見えてくることや、「こういった観点でデータを見た方が良いよね」という提案ができるようになってくるので、課題に対して、何を改善するための施策なんでしたっけ?というところから、話を伺うようにしています。
また、引き出しを増やすという観点において、自分が普段「Chatwork」を活用した体験をデータに置き換えることを意識しています。活用している中で、「こういうことをやりたいな」と思ったときに、どのような行動をしていて、それがデータにどう落ちているのかという点は常に検証するようにしています。
池田:事業企画部に限らない話にはなるのですが、組織やメンバーのミッションってどうあるべきなんだっけ?ということを考えた際に、会社として目指したい姿、あるいは戦略が最上段にあります。
そこから各組織にツリー構造で分解され、上位戦略を鑑みて事業企画部も戦略を決めます。その戦略を実現するためにチームとして、あるいはメンバーとしてこういうことをやっていきましょう、というミッションやアクションを決めていきます。
理想的なのは全社のミッションに対し、個人のミッションが全社の戦略にツリーの構造で紐づいてる状態だと思っています。
それができると、仮に迷いがあったとしても組織ミッションとして会社に認められているから自信を持ってやってみようよ、という思考になります。組織ミッションに紐付けてアクションを語れるようにするというところが、コミュニケーションの観点では工夫しているところです。私の場合は、組織ミッションはこれだ、というのを経営陣に対して伝え、認めてもらうということが重要だと思ってるので、役割として全うすることを心がけてます。
経営陣との風通しが良いこともChatworkの特徴です。例えば、そのクォーター(4半期)に1回、組織のミッションがどう進捗してるのかという点を経営陣に直接報告する場があり、経営陣からフィードバックをもらえます。
進捗が良い感じに進んでるのかどうかというのを、自分の目線だけでなく、客観的にいただけるという点がGOODポイントであり、フィードバックをメンバーとシェアすることが大事だと思っています。
池田:データアナリストを主体でまとめている組織の方の「あるあるの悩み」なのかなと思っています。
私個人としては、まず、事業企画部という組織の特性上、必ずしも数値に落とし込むことができる業務ばかりではないと思っています。そのため、定性的な観点でどういう効果があるのか、組織ミッションに即しているのか、組織ミッションに対して進捗できてるのかという観点が大事だと思います。
コストセンターみたいな形で捉えられたくはないので、大事なのは「組織が会社においてどんな役割を担っているのか」という点を明確にすること。明確にできていれば定量的に効果が出せなかったとしても、戦略としてこういう進捗があるんです、という点を見ていただけるので大事になってくると思っています。
ただ、ここは組織の考え方次第でぶれると思います。定量的に指標を追う方もいると思うのですが、私は定量的に全て表せないと考えているので、定性的にこうあるべき、こういう状態をいつまでに目指しますといったところを明確にし、そこに対して進捗はどうなのか、その進捗に対してメンバーがどういうミッションをもってどういうアプローチをしているのか、というような話をするようにして、組織のパフォーマンスを向上させられるように心がけています。
池田:前提としているLookerの話ですと、導入したばかりですので、広く社内で活用してもらうというよりも、事業企画部に閉じた形でデータモデリングを進めているステータスです。それ以外のセキュリティに関する点では、TREASURE DATAをメインで活用している中でのお話になりますが、基本的にデータベースごとにアクセスの権限は分かれており、情報を扱える人はかなり限られてます。
民主化をするにあたっても、みんなが見られた方が良いよね、ここまで見る必要はないよね、といったところは往々にしてあると思うので、今後どうしていくのかという方針を打ち出していく必要があると思っています。
Salesforceも同様ですね。データエクスポートの権限も管理をしているなど、データの民主化をするにしても誰それ構わず広げていくというよりも、ある程度リテラシーを持った方に対して広げていくことが最初のスタート地点になると思います。
最後に
いかがでしたでしょうか?Chatworkの抱える膨大なユーザーデータをビジネス組織を横断しながら活用するということの難易度の高さや、ビジネス側のデータ組織とプロダクト側のデータ組織を連携させることの複雑さなど、私自身もデータ組織の取り組みについて理解が深まったと感じています。
特に印象深く感じたのは、「会社のミッションに対して組織のミッションがぶれていないか常に意識されている」という点です。常にデータと向き合い、良い意味で1つ1つの意思決定に対して自由にデータドリブンな判断ができると思われていたかもしれませんが、どんな意思決定に対しても会社のミッションが上段にあり、事業のグロースに向けてぶれてはいないかという点を深く意識されていることに驚かれたり、また、それだけ会社が成長できるフェーズであり、チャンスがあるという点において、より一層ワクワクいただける内容だったのではないでしょうか。
私たちは、そんな大きな可能性を秘めているビジネスチャットの市場においてまだまだチャレンジを続けていきます。「規模の大きい事業に携わりたい」「変化の大きい環境でチャレンジをしたい」「自分の市場価値を高めたい」などどんな理由でも構いません。少しでもチャレンジしたいという気持ちがある方は、ぜひご応募ください。
もっとChatworkのことを知りたいよ!という方は、会社説明資料もぜひご覧ください!
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