体験入社の体験記|やって良かった?どうだった?
入社の前に体験入社。
Chatworkでは、プロダクト系職種(エンジニア、プロダクトマネージャー〔以下PdM〕、デザイナーなど)における選考プロセスの中で、応募者の方・会社の双方が持つ「期待値のギャップ」を埋めるために、体験入社を行うケースがあります。
2次面接通過者を対象に実施しており、内容は部署ごとに異なりますが、そもそも応募者側にも受け入れ側にも負担のかかる取り組みをなぜ、それも選考の中で行っているのか…。体験入社を経て入社した社員と、受け入れ側として体験入社に関わっている社員に、取り組みの背景や感想を聞いてみました。
プロフィール
【受け入れ側だった人(自身も体験入社を経て入社)】
岩崎 宏武さん(2021年4月中途入社)
プロダクト本部 プロダクトマネジメント部/写真左上
【受け入れ側だった人(自身も体験入社を経て入社)】
髙橋 亜弓さん(2021年5月中途入社)
プロダクト本部 プロダクトマネジメント部/写真右上
【応募者側だった人】
後藤 哲也さん(2022年9月中途入社)
プロダクト本部 プロダクトマネジメント部/写真左下
双方の「期待値ギャップ」をなくしたい。
──体験入社の運営はすべて受け入れ部署に任されていると聞きましたが、プロダクトマネジメント部ではどのようなことを行っているんでしょうか?
岩崎:私たちプロダクトマネジメント部では現在、オンラインで2時間の体験入社を行っています。前半の1時間はメンバーとの会話の時間、後半の1時間は課題に対するプレゼンテーションとディスカッションの時間です。
──それぞれ、具体的にはどういったことをされているんでしょうか?
岩崎:まず前半の1時間についてですが、応募者側からすると面接の場では聞きづらいこと、理解できないことがあると思うんですね。ですので、Chatworkで働くうえで知りたいこと、不明点や疑問はすべてこの時間でクリアにしていただきたいと思っています。普段はどんなツールを使っているのか、どんな開発環境なのか、ともに働く仲間はどんな人たちなのか…といったさまざまな質問に配属先の上長とメンバーがざっくばらんにお答えします。
次に後半の1時間ですが、応募者には体験入社の前に事前課題をお渡ししていて、その課題に対する提案をしていただきます。提案内容については、質疑応答・ディスカッションを行います。応募者からは、実際の業務でどのような議論が行われるかを体感いただくことができますし、我々受け入れ側としては職務経歴だけでは見えない思考の流れなどを確認することができます。
──2時間とはいえここまでじっくり対話を重ねると、お互いの理解が深まりそうですね。
岩崎:まさに、この体験入社の目的は、双方の「期待値ギャップ」解消です。お互いの認識ギャップを埋めて、正しい期待値を持ったうえで入社していただくために必要な選考プロセスが、体験入社だと考えています。
【応募者側から見た体験入社】
──ではここからは、実際に体験入社を経て昨年入社された後藤さんに、応募者側の感想を聞いてみたいと思います。まず、体験入社の存在を知ったのはいつですか?
後藤:私の場合は、一次面接の前にカジュアル面談(そのときに対応してもらったのが岩崎さんでした)を挟んでいるんですが、そのときに聞きました。事前課題の内容は二次面接の通過連絡をいただいた際、体験入社の日程調整のタイミングで教えてもらいました。
──事前課題についてもう少し教えてください。言える範囲で結構なんですが、具体的にはどんな内容なんでしょうか?
後藤:私のときは、「Chatwork」の利用データ(サンプルデータ)を共有してもらい、グロース戦略にもとづいた課題とその打ち手を考える、といった内容でした。そのときどきで課題は異なるので、残念ながらあまり参考にはならないかもしれないんですけど。
──なるほど、事前に与えられた課題についての考えをまとめ、それを体験入社当日にプレゼンするわけですね。準備にはどれくらい時間をかけましたか?
後藤:これもまた人によるとは思いますが、私の場合は日程調整から体験入社まで2週間ありましたので、準備期間としては2週間です。ただその間も前職は続けていましたので、実際に課題に費やした時間としては、平日夜と土日を合わせて12時間程度でしょうか。
──体験入社当日のことについても教えてください。まず前半の職場のみなさんとの会話ではどのようなことを話されましたか?
後藤:ざっくばらんな会話とはいえ、正直言うと、後半のプレゼンのことでわりと頭がいっぱいではあったんですが(笑)、それでも、みなさんと会話することでだいぶ緊張をほぐしていただきました。私からは仕事の流れや進め方、それぞれのメンバーが大事にしていることなどを聞いて、これまでの経験や自分自身の考え方との共通点を探していました。
──その後、事前課題のプレゼンテーションですね。どうでしたか?
後藤:前半に会話していたみなさんに対してプレゼンテーションを行いました。プレゼン時間は15分くらいで、その後は質疑応答やディスカッションという流れです。事前課題に取り組んでいるときにもチャットで質問だったり、追加資料をリクエストしたりもでき、限られた時間ではあったものの自分としてはある程度準備して臨めたため、手応えはありました。「打ち手の成否をどう判断するか」といった突っ込んだ質問に対しては事前に準備していなかったものの、これまでの経験を振り返って瞬発力で対応していたように思います。
【受け入れ側から見た体験入社】
──では、受け入れ側で対応された岩崎さんに質問です。ぶっちゃけ、体験入社での後藤さんの印象はどうだったんでしょうか?印象が良かったから今ここに後藤さんがいるんだとは思いますが…
岩崎:そうですね(笑)。後藤さんについてはカジュアル面談でお会いしていたので、体験入社の際は「お久しぶりです!」という感じでした。最初にお会いしたときから「ぜひ一緒に働きたい」と思っていたので、選考中も陰ながら応援していましたが、体験入社で見せていただいたアウトプットも期待通りでした。
──体験入社の際、受け入れ側として心がけていることはあるんでしょうか?
高橋:いつも通り自然に、誠実に対応することを第一にしつつ、ポジティブな雰囲気はつくろうと考えています。この先、一緒に働くことになるわけなので、お互い自然に「一緒に働きたい」と思えることが大切なんじゃないでしょうか。
岩崎:そうですね、受け入れ側のメンバーには特別なインプットなどはしておらず、自然体で臨んでもらうようにしています。ただ私は、応募者が入社すればマネジメントに携わり、体験入社という選考プロセスの合否を判断する立場でもありますので、面接をするときと同じくらい事前情報を確認するようにしています。
──具体的にはどんなところを見て、何を確認しているんですか?
岩崎:コミュニケーション全般において主に確認しているのは、ロジカルシンキングができるかどうかです。PdMという仕事は論理的に考え、アウトプットすることが求められる場面が多いため、その部分は最低限確認しています。プレゼンや質疑応答で確認しているのはやはり、職務経歴や面接時評価とのギャップです。
──実際には、どのようなギャップがあるものなんでしょうか?
岩崎:PdMという言葉自体も最近できたもので、会社によってその役割や仕事の進め方もまちまち。書類上の経歴だけを見ていると期待値ギャップが起こりやすいんです。そのため、職務経歴や面接評価などをもとに「この方ならこんな考え方で、こういったことができるんじゃないか」といった見立てをして質疑応答の内容も組み立て、そこからギャップを確認して埋めていくようにしています。そうすることである程度は回答も予測でき、プレゼン資料の作り込み度合いによらず、その方の経験やスキル、仕事の進め方などが確認できると考えています。
何よりも、入社してから後悔しないために。
──最後に、これから体験入社をされる方にメッセージをお願いします。
岩崎:まさに入社の体験ということで、入社後の仕事の流れやメンバー間連携などのイメージを持っていただける機会だと思います。事前課題など時間的負担はあるかと思いますが、ぜひ前向きにトライしていただきたいです。
高橋:私自身も体験入社を経験して、たしかに課題の準備はなかなか大変ではあったんですが、普段の業務でどんなことを考え、意識しているのかといったことも具体的になったので体験入社を経験して良かったと思っています。
後藤:私も正直、選考プロセスとしてはやや重たいな…という感覚はありましたが、体験入社のおかげで、Chatworkという企業の考え方や仕事の進め方を知り、自分自身の仕事の進め方ややりたいことをすり合わせる良い機会になりました。逆にこうした機会が無いまま入社してしまって、後からギャップを感じる方が良くないと思うんです。体験入社のおかげで、私は入社後も大きなギャップを感じることなく働くことができていると感じます。