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【イベントレポート】Chatworkのカスタマーマーケティングを徹底解剖!PLGの推進におけるカスタマーマーケティングの役割・ミッションとは
こんにちは!Chatworkで中途採用を担当している渡辺です。
今回は、2023年4月12日に開催した『Chatworkのカスタマーマーケティングを徹底解剖!PLGの推進におけるカスタマーマーケティングの役割・ミッションとは』のイベントレポートをお届けします!
Chatworkでは、2024年に「中小企業No.1ビジネスチャット」、2025年以降であらゆるビジネスの起点となるプラットフォーム「ビジネス版スーパーアプリ」を目指すという中期経営計画を掲げており、SaaSの成長戦略である「PLG(Product-Led Growth)」の推進を通じ、高価値なプラットフォームの確立を目指しています。
PLG推進において重要になるのが、「既存ユーザーによる紹介(ネットワーク効果)の促進」と「フリーユーザーの有料化」。今回は、そんな重要ミッションを担う「カスタマーマーケティングチーム」の取り組みや、”PLGにおける醍醐味やおもしろさ”について、マネージャーとメンバー3名がお話ししました!
登壇者(4名)の紹介
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李 起虎/マーケティングユニット PLG部 マネージャー
2022年7月中途入社。PLGを横串で担う、新組織のマネジメントを務めている。
北川 峻/事業企画部 オペレーション企画チーム チームリーダー(兼)マーケティングユニット PLG部 カスタマーマーケティングチーム
2019年1月中途入社。オペレーション改善組織のチームリーダーとして、様々な改善を実施している。
吉田 海斗/マーケティングユニット PLG部 カスタマーマーケティングチーム
2021年6月中途入社。プロダクト内外で、テックタッチによる既存ユーザーコミュニケーションを担当している。
土居 朝香/マーケティングユニット PLG部 カスタマーマーケティングチーム
2022年4月中途入社。既存ユーザーにサービス利用を促す、カスタマーマーケティング業務を担当している。
【第1部】戦略実現に向けたカスタマーマーケティングの取り組み
全社戦略とPLGモデルについて
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李:Chatworkでは、中期経営計画の中心となる戦略の1つに「コミュニケーションプラットフォーム戦略」を掲げており、コンセプトとして、PLGモデルの推進が大きく関わってきます。高価値なプラットフォームを作り上げるために、「ユーザー数の極大化」と「アクティブユーザーの量と質」を両方担保するということです。
実現に必要なことは、大きく2つ。1つ目は、プロダクトの継続的な改善を実施し、中小企業の方にとって活用しやすい機能を作り、提供すること。2つ目は、高効率なユーザーコミュニケーションを実現し、中小企業の方や個人事業主、フリーランスの方に対しても、気軽にかつスピーディーに活用いただけるようにしていくという内容です。
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李:PLGは「SLG(Sales-Led Growth)」と比較されることが多いです。SLGはいわゆる「The Model」の動きになるので、マーケティングチームがリードを獲得した後に、インサイドセールス(以下、IS)・フィールドセールス(以下、FS)などに移行してライセンスを追加しています。
PLGの場合、濃い赤色部分がカスタマーマーケティングの担当領域なので、カバーする範囲が大きいという特徴があります。なので、どこに注力するのか、どんなKPIを設定するのか、どのフェーズでどんな施策を打つのかという点が非常に重要になってきます。SLGと比べて対応範囲が広いので、非常に難易度が高い領域です。
PLGにおけるカスタマーマーケティングのミッション
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李:PLGにおいて一番重要な指標は「Sign Up」です。ネットワーク効果が一番高まる戦略なので、口コミや紹介をいかに多く生み出すかという点が重要になります。
次に重要な指標が「Activation」です。ユーザーが活用できるようになることで、アクティブユーザー数や継続利用率を改善することが可能となります。
最後の「Paid」は、フリーユーザーからの有料転換や、有料ユーザーのライセンス追加を目標としています。
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李:その目標を達成するために注力してるポイントは、ボウリングレーン・フレームワークをきっちり構築し、ユーザーの1to1コミュニケーションを実現することです。
Chatworkのカスタマーマーケティングにおいては、コミュニケーションバンパーとプロダクトバンパーの両方の機能を持っています。他の企業様ですと、コミュニケーションバンパーだけを対応し、プロダクトバンパーを別の組織が担っているケースが多いので、Chatworkならではの特徴かなと思います。
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李:PLG部は組織全体で約15名の組織となっており、3つの機能を持っています。プロダクトグロースを目的としたPdM(プロダクトマネージャー)、PMM(プロダクトマーケティングマネージャー)、そしてカスタマーマーケティングという体制です。カスタマーマーケティングが担う役割としては、メールマーケティングやナーチャリング、プロダクトバンパーやBizOpsになります。
他にもオフラインのコミュニケーション企画や公式チャットの運用など、「Chatwork」の活用促進に向けて様々な業務を行っています。カスタマーマーケティングとPdMとPMMが、同じ組織で一緒のKPIを追うというのは珍しいかなと思います。
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李:その他、Chatworkならではの特徴として、圧倒的なユーザーログを活用したデータドリブンマーケティングという点があります。約600万のIDを持ち、DAUも100万を超えている中で*、どういう指標を改善するか、どういう特徴があるか、どういうモデリングをするかというのは、日々データ分析しながら仮説検証を回しています。
またコミュニケーションバンパー、プロダクトバンパーの両方を持ってるので、オフラインも含めて、特定のチャネルに限定しないマルチコミュニケーションが特徴かと思います。プロダクトバンパーは、「Pendo」というサービスを活用しており、ショートメール・チャット・ホワイトペーパー・ユーザー向けポータルなどあらゆるチャネル、コミュニケーション方法を組み合わせて、ユーザーのアクティベーションを促しています。これだけのデータログを持っている企業は、国内SaaSの中でも割と限られるのではないかと思います。
*…ID数:596.8万、DAU:106.4万(2023年3月末時点)
具体的な取り組み
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李:オンボーディング期にはステップメールを送っていますが、契約プラン別などで分岐をさせ、内容をパーソナライズしています。QuickWinに関しても、全部で8パターンに分け、ステップメールの改善を実施しています。
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李:アダプションに関しては、BizOpsも含めて、セルフサーブでのナーチャリングだけではなく、セールスとの連携をカスタマーマーケティングが担っており、フリープランで使い始めたユーザーをアクティブ化させることによってMQLを創出しています。PLGなのでセルフサーブ、ロータッチ・テックタッチと思われがちですが、セールスとの連携にも取り組んでいることがChatworkの特徴になります。
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李:Chatworkのカスタマーマーケティングの特徴・魅力をまとめると、この3つです。
1つ目は、圧倒的なユーザー基盤を活用したデータドリブンな施策実施ができること。私自身、SLGからPLGに移ってきた理由のひとつです。
2つ目は、前例にとらわれないデジタル×アナログのマルチコミュニケーション。中小企業がターゲットの場合、デジタルだけではなかなかユーザーを動かせないので、様々なコミュニケーションチャネルを組み合わせる必要があります。
3つ目は、非常に解約率が低いプロダクトなので、いわゆる「ヘルススコア」の改善や、解約率を下げるためにカスタマーマーケティングを実施する必要はなく、ユーザーの生産性を向上させるためにビジネスチャットをどう活用してもらうか、DX推進するためにユーザー拡大や活用方法を広めるといった”攻めのカスタマーマーケティング”を中心にできるという点が、特徴であり面白さかなと思っています。
【第2部】Chatwork社員によるパネルトーク
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ーー第2部では、各メンバーが取り組んでいる具体施策についてご紹介していきます。
テーマ1:PLGとSalesをミックスさせたモデルについて(北川さん)
北川:Chatworkでは、プロダクトで価値を伝えつつ、セールスが活用の支援をし、加速度的に有料化を促進していくモデルを引いています。そのモデルをPLS(Product-Led Sales)と我々は呼んでおり、体系化して進めています。
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北川:我々がPLGに本格的に着手し始めたのは2022年で、2021年まではセールスモデルとフリーミアムモデルの2つで運営をしていました。
セールスモデルはいわゆるThe Model的な動き方で、マーケティング活動を実施して獲得したリードに対して、ISが中心に直接販売を行っていきます。また、創業からフリーミアムモデルを実施しており、活用が進むと利用制限があり有料化してもらうといった流れです。2021年までフリーミアムモデルには全く工数をかけておらず、ユーザーが自動的に流入し、自動的に有料化してもらうモデルで運営しており、それなりの速度で成長をしていたのですが、さらに加速度的に成長させるために3つのモデル体制に変更しました。
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北川:それがSLGモデル、PLSモデル、CSQLモデルになります。
PLSモデルとは、プロダクトで価値を伝えつつ、さらにセールスが活用支援を行っていくモデルです。マーケティング活動とネットワーク効果を用いてフリープランユーザーを増やし、増やしたフリープランユーザーをプロダクトとセールスで活用度を高め、IS・FSの活動を通じて、有料化に繋げていくというモデルです。
さらにChatworkでは、有料化後に関してもCSQLモデルを敷いており、有料ユーザーの活用度をさらに高めて、セールスが利用範囲拡大、つまりアップセルを狙っていきます。3rd partyデータを用いて、有料ユーザーを拡大できる余地を可視化し、その内容に応じて、カスマターサクセス部門のIS・FSがタッチをしていくという構造です。
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北川:このモデル実装後、PLSモデルではISの架電対象のリードが1.2倍に増え、さらに半年で受注ライセンス数は4.6倍に増えたという実績を出すことができました。またCSQLモデルでは、アップセルによるライセンス追加が1.7倍に増え、さらに、1契約あたりのライセンス数も1.4倍に増えたという成果が生まれています。
テーマ2:コミュニケーションバンパーの設計について(吉田さん)
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吉田:我々はボウリングフレームワークという考え方をもとに、ユーザーに価値を体験していただくことに重きを置き、ボウリングでいう”ガーターゾーン”に行かないようにプロダクト内外からサポートしていく活動をしています。コミュニケーションバンパーでいうと、ステップメールやLP・動画を活用した説明や、ショートメッセージ・FAXなどを試しています。
プロダクト内でもチュートリアルで説明しています。初めて活用するには難しい機能についてはツールチップを使ってのサポートや、ビジネスチャットの独自性を活かし、公式チャットでのコミュニケーションやタスク機能の活用も行っています。
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吉田:次にコミュニケーションバンパーの変遷について、私1人で実施していた「立ち上げ期」と、数人の組織になってからの「拡大期」に分けてご説明します。
まず「立ち上げ期」についてです。私の入社前から元々ステップメールは存在していたのですが、一方通行で全員に同じコミュニケーションをとっていたため、ユーザーの活用度に応じてコミュニケーションを分けるということから実施しました。数字ベースでは伸びが見られたのですが、基本機能を全て説明し終えるまでにステップメールの特性上、数日かかってしまうもどかしさがあり、メールだけではなく、LP上で説明するアプローチを行いました。
次にプロダクト内でのコミュニケーションにおいて、プロダクト側と連携し、「Chatwork」上のタスク機能を活用してLPに案内し、学習いただく導線を作りました。今では、ユーザー登録のタイミングで約50%のユーザーにLPを見ていただけています。アダプション領域では、ユーザー属性に応じて、より細かくコミュニケーションを取りたいと考え、検証として7つのセグメントに分けてコミュニケーション施策を実施し、現在は4セグメントに絞って動いている状況です。
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吉田:そして「拡大期」では、オンボーディング領域もユーザー属性や活用度に合わせたコミュニケーションに分けて、細かく運用を行いました。ここに至るまでは件名や本文の細かな磨き込みや、指標に合わせること、どういう伝え方がユーザーにとって利用イメージをしやすいのかなどの仮説をデータドリブンに考え、検証を回しました。
直近では、コミュニケーションバンパーとプロダクトバンパーがよりシームレスにコミュニケーションを取れるように検証しています。ある機能についてメールで伝えたときに、メール上のボタンを押すと、「Chatwork」のサービス上で機能の説明と使い方のチュートリアルが始まるようにしています。本施策は、スタートしたばかりの段階ですが、一定の成果はありそうな感触です。
テーマ3:ネットワーク効果の最大化に向けたプロダクトバンパー施策(土居さん)
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土居:ボウリングフレームワークのプロダクトバンパー側について、ネットワーク効果の最大化というテーマに絞って、既存ユーザーに対して具体的にどんな施策をしているのかをご紹介します。
まずメインであるオンボーディングツアーですが、ユーザーの状態に応じたオンボーディング体験の設計を実施しました。標準のプロダクトツアーは、6ステップでコアとなる機能を中心に使い方を紹介するような形になっています。このツアーはSaaS系のツールだと一般的かなと思うのですが、ここに加えて、誰とも繋がっていないユーザー向けのプロダクトツアーというものも作りました。
「Chatwork」は誰かから紹介されて使い始めるケースも多いのですが、一方で、オーガニックで流入してきたユーザーは、誰とも繋がっていない状態でのスタートになります。そうすると、まずは繋がらなければ始まらないということで、機能紹介よりも先にまずは繋がってもらうための「招待動線の追加」を行いました。結果として、ガイドを表示したユーザーの招待アクション率が上がり、状態に合わせたセグメントを設定したことが功を奏した施策となりました。
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土居:他にも招待数向上に向けた施策をいくつか実施しています。例えばユーザー追加画面のウォークスルーガイドに関しては、ユーザー追加画面のユーザーが迷いそうな導線に入力補助ガイドを設置しました。また、離脱率が高いページの初回訪問時にガイドを表示したり、ボタンをマウスオーバーしたときに説明ガイドを表示して、遷移率を上げるという施策を行いました。
また、組織利用を促進するアクション起点ガイドに関しては、セグメント条件とユーザーアクションを組み合わせて、ユーザーがペインを感じるタイミングで機能への接続を促すようなガイドを出しています。
招待キャンペーンに関しては、新しく人と繋がるタイミングが3月・4月は多いので、新年度のタイミングに合わせてギフト券が当たる招待キャンペーンを実施し、メールやプロダクト内のガイドで告知をしたりしました。この3ヶ月でやっと全ユーザーが通る、”1丁目1番地”みたいなところが整備できたフェーズです。
テーマ4:Chatworkの働きがいとは?(全員)
土居:私はネットワーク効果の最大化という領域で、事業の成長に対してインパクトのある施策を回せるところは、やりがいに繋がっているかなと思います。解約率が低いので、既存ユーザーに対してもアクティベーションやリファラルなど、結構攻めの施策を打てるというのは個人的に楽しいです。先日も李さんと、検証中の施策の本実装をしようという話になって、開放したときの試算をしていたんですけれど、それが主要KPIにインパクトがありそうで、わくわくしていました。
吉田:まず「Chatwork」というサービス自体がユーザーの日々の仕事を支える身近なサービスであることに魅力を感じています。我々のビジョンは「すべての人に、一歩先の働き方を」です。人生の中で多くの時間を占める「働く」いうところをテーマにしていて、その中でもビジネスチャットは、本当に多くの時間を使っていただくので、そういったところに関われることにやりがいを感じます。
具体的な仕事の部分では、SaaSと聞くとチャーンをいかに減らすかということになりがちなのですが、それ以上にユーザーの皆様により活用いただくためのコミュニケーションに注力できる点は非常に面白いです。データドリブンに課題抽出をして、そこから企画をし、施策実行まで一気通貫でできることにも面白みを感じます。
北川:僕は、Chatworkでしかできないことが多くあるというところです。海外サービスだとPLGは当たり前になってきていますが、日本のSaaSではようやくPLGという言葉が浸透してきたかなというような感じです。Chatworkに関しては、さらにその中でPLSモデルというセールスとミックスした独自モデルを実施していて、これを体系立ててシステマチックに運用できるというのは、正直、日本国内のSaaSだといないかなと思っています。
李:第1部のパートで、データ活用をしたパーソナライズ、マルチチャネルにチャレンジをしているという話をしましたが、実際はまだまだできてないこと多いです。カスタマーマーケティングを強化し始めたのはここ1〜2年なので、ユーザー数をさらに増やすために強いメンバーを採用したり、新しいチャネル開拓をしたりなど、まさに今チャレンジしている状況です。ショートメールやFAXだけでなく、次はDMやチラシなどオフライン施策についても話を進めていて、そういったことに積極的にトライできるのは非常にいい環境だなと思います。
Chatworkは10年以上の歴史がありますが、まだまだ未完成で、整ってるようで整ってない。いろんな伸びしろとチャレンジできるスキームがあるので、チャレンジしたい!と手挙げた人にはチャンスを与えられるし、会社からの投資も出るため、非常にチャレンジしがいもあり、やりがいも感じられる組織だと思います。
QAセッション(一部抜粋)
ーーPLGならではの一番苦労したポイントは何ですか?
吉田:領域が広く、全領域の同時並行が困難であるため、注力箇所を決めることに苦労しました。
まずは、教科書的にPLGの本をインプットし、やはり入口と出口が重要だということが理解できたので、入口のオンボーディングと、出口の1つである有料化手前のトライアルに焦点を当てました。その中で、出口においてはフリーで登録されてから数日で有料化やトライアルに挑戦する方もいれば、3年経ってから活用される方などユーザーの状態が多岐に渡っていました。そのため、ユーザーの状態にあまり差のないオンボーディングから注力していきました。
ーーメール以外のチャネルはメールに反応しない層に送っていますか?また、メールと比較してSMS・FAXの反応率はどうですか?
吉田:そのような取り組みも行っております。メールを未読のユーザーもプロダクト上のコミュニケーションでは反応してくださり、コンバージョンに至る成果が出ています。
土居:まだ開拓している段階なのですが、SMSは開封という概念がなく、ダイレクトに遷移する率がメールよりも比較的高いので、そういう意味では複数のツールでタッチポイントを作ってユーザーにアプローチをするというのはすごく有効なのかなと思っています。
李:一般的にメール開封率は20〜30%くらいが平均で、絶対100%にはならないですし、メール見ない人って究極一生見ないというケースもありますよね。また、メール未開封者に対して同じコンテンツをプロダクトバンパーで当てた際に、そこからのコンバージョンがかなり生まれました。なのでコンテンツがはまった場合、他のチャネルで組み合わせることが勝ちパターンなのではないかなと思います。
ーーオンボード期、アダプション期に実施しているメール施策があれば教えてください。また、その施策の良し悪しは何の数字で判断しているのでしょうか?
吉田:オンボード期では、オンボーディングのステップメールを送っています。ユーザーがチャットとしての基本機能をご自身でうまく使えるようにフォローしています。アダプション期は、ユーザーにより活用いただけるようにメールでサポートしています。
指標については、メールなどの施策でも、プロダクト上でどういった数字に寄与できたかというところで見ています。例えばオンボーディング期では、QuickWinと言われる、「サービスの価値を感じる最低限の行動」まで至ることを目指しています。
ーーアップセル/クロスセルに対するIS的な動きは実施しているのでしょうか?
北川:まずアップセルですが、有料ユーザーの中でアップセルをしてくれるシグナルを検知して、そのシグナルを出しているユーザーに対してIS・FSが商談をし、アップセルに持っていくような流れを実施しています。またクロスセルに関しては、Chatworkでは数十個のDX系のサービスを提供している他、ストレージの会社やバックオフィス系のツールを扱う会社をグループ会社化しており、スムーズにクロスセルを行う体制ができつつあります。
具体的には、「Chatwork」の有料化アプローチをするISやFSが、話を伺う中でお客様の課題に周辺サービスがマッチすると思えば、「Chatwork」の商談だけではなく、周辺サービスを案内するというような形です。
ーーユーザーが有料機能を認知することが難しい場合が多いです。有料プランを認知してもらい、有料化してもらうためには、どのような施策を行うのが効果的でしょうか?
李:Chatworkもこの問題に結構ぶち当たります。有料機能の内容にもよるので一般論になってしまうのですが、大きな分岐というのが、有料契約をしないとその機能があることを認知できないのか、認知できるのかという点が大きな部分かなと思っています。よくあるケースですと、その機能はあるけど、使うには有料契約してくださいといったことがあると思います。有料オプションを契約して初めてボタンや画面が活性化する場合には、PMMポジションを単体で作って有料機能の認知から取り組む必要があるかなと思います。
ーーカスタマーマーケティングの施策の評価、効果測定などをどのように行っていますか?
李:データドリブンと言ってるので、やはりコンバージョンですね。いかに事業、KPIに貢献したかというところを見ています。メールですと、開封率・クリック率みたいな指標も見るのですが、その後、狙ったコンバージョンがプロダクトに寄与しているのかというところはきっちり見ていますし、そもそもプロダクトバンパーにおいても、ガイドのクリック数ではなく、それを狙った利用率や招待率がどのくらい改善したのかのインパクトを見ています。
施策を打つにあたって効果測定を何にするか、何がGoodで何がBadなのか、駄目だったら撤退するのか再チャレンジするのかなど、決めた上で進めるのが一番いいかなと思います。
最後に
いかがでしたでしょうか?「PLG」も「カスタマーマーケティング」も、世の中的にはまだまだ認知がされていないからこそ、圧倒的なスピード感で仮説検証を回して成功に辿り着くまでの道筋を探しているフェーズということで、まだまだチャレンジングな環境なんだなという理解ができ、僕自身もワクワクしました。
特に印象深く感じたポイントが、「カスタマーマーケティングを強化し始めたのが最近で、未完成な部分が多く、整ってるようで整ってない。伸びしろが大きいチャレンジングな環境」ということです。
「規模の大きい事業に携わりたい」「変化の大きい環境でチャレンジをしたい」「自分の市場価値を高めたい」などどんな理由でも構いません。少しでも一緒にチャレンジしたいと感じられた方は、ぜひご応募ください。もっとChatworkのことを知りたいよ!という方は、会社説明資料もぜひご覧ください!
皆様からのご応募をカスタマーマーケティングのメンバーとともに、心よりお待ちしています!(キャリア登録やメルマガ登録もお気軽にどうぞ!)