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デジタル作画による進歩と共に求められる温故知新

こんにちは、今晩は、おはようございます。
または初めましてもいるのかな。
九番街です、今日もよろしくお願いします。

今回はデジタル作画について触れたいと思います。

作画方法

漫画は作家によって作画方法は異なります。
大きく分けて3種類

  1. ネームおよび下描きからペン入れ、消しゴムかけやベタ塗り、トーンやホワイトによる修正などハンドメイドで行う「アナログ作画

  2. ネームおよび下描きからペン入れ、消しゴムかけやベタ塗り、トーンやホワイトによる修正など全てパソコンやタブレットで行う「デジタル作画

  3. ネームおよび下描きからペン入れまでアナログで行い、それをスキャンにかけ消しゴムかけやベタ塗り、トーンやホワイトによる修正など残りの作業はパソコンやタブレットで行う「半デジタル作画

(ココから細分化されればもっと有るのでしょうが大きく分けてこの3つですね。)


世界で一番最初のデジタル作画を用いた漫画はなにか

今では当たり前のように作られるデジタル作画ですが、僕が初めて目にして独特のグラデーション感に「何かうまく言えないけど立体感あって綺麗な絵だなぁ」と思ったのが唯登詩樹先生です。

元々成人対象向けの漫画家である為にセクシーなカットが多いヤングジャンプで連載していた頃ですね。当時少年アシベが大人気で、その漫画が見たくてヤングジャンプを手に取った時に、たまたま見てしまったという。
以降まるで悪い事をしているかのように挙動不審で立ち読みしていましたね。(青年雑誌だったから当たり前といえば当たり前ですが)

それはさておき、世界で一番最初に商業誌で発表されたデジタル作画の漫画は1985年発売の週刊少年ジャンプ31号に載っていた寺沢武一「黒騎士バット」という漫画です。

創刊17周年という記念すべき特大号である
コブラのイメージが強い寺沢先生ですが、前にこういった作品でデジタル作画をしていた事を覚えているファンははたして何人いるだろうか?


線画をスキャンしてそれからのデジタル加工なので、今でいう半デジタル作画ですね。
10週のみという短期集中連載にもかかわらず、当時のカラーページでもデジタル作画の凄さを紹介するなどしてまさに未来の漫画のスタイルをいち早く紹介していたのです。
寺沢先生が若い!!!


それからは先程紹介した唯登詩樹先生や、奥浩哉先生 など、漫画の作画にデジタル技法を持ちいる先生が少しづつですが目立ってきました。
さらにタブレットペンを用いてコミックスタジオやクリスタの普及もあり、今では70%の漫画家がデジタル作画に移行したともいわれております。


デジタル作画のメリット、デメリット

どのマンガ家も流行りだからとデジタルに移行しているわけではありません、大きな理由としては3つ

  • コスト削減…消しゴムかけの際にでるケシカス、トーンの切りくずの処理やらホワイトやベタの用意などの手間を一気に削減できる

  • スピードアップ…上記の理由含め完成までの仕上がりが大幅に短縮する=クオリティの向上もしくはアシスタントを雇う人数の最小化にもつながる

  • 納品の利便性…データのやり取りにもなるので出版社の近くにすむ必要性もなくなる、むしろ海外にすんでも作品製作が可能となる。

その他もろもろアナログ時代の手間や不便さが解消されたという事なのだ。

ではデメリットといえばわずかながらだがあるようだ。

  • 仕上がりのイメージがわきにくい…アナログだったらB4原稿をベースに雑誌にのったサイズ感、コミックスになった時のサイズ感を意識して描けるがそれが想像しにくい

  • 目の疲れ…長時間モニターとにらめっこすることで視力の衰えなどを痛感する。

  • データ破損の恐怖…デジタルだけに作業中、パソコンが落ちると保存時からやり直さなくてはいけない。また保存したデータが壊れると全て無くなる。

まとめ

ただそれだけのデメリットが分ってても、原稿より健康といわれる昨今、気力、体力、精神力を使うこのアナログ作画で体を壊してしまう漫画家も多くいる事だろう。メリットの多さから考えると大御所漫画家でもやはりデジタルに興味を持ってしまうのはいかんせん仕方がないところもある。

念のために言っておくが僕はデジタル反対ではないという事だけははっきりしておきたい。
時代とともに技術の進化は大変喜ばしい事であって、今後デジタル作家が多くなる事でこれからの漫画の表現の幅も増えていくことも間違いないでしょう。

一方で、見ることの少なくなるアナログ作画の良さにも着目してもらいたい
というのが本音であり、僕の興味は漫画全般はもちろんだが、ここではアナログの複製原稿をじゃんじゃん紹介していくのでお付き合いのほどをよろしくお願いします。


九番街

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