「乳児用規格適用食品」の表示ルール変更について(2025年6月)
赤ちゃん用の飲食物にはどのような基準が定められているかご存知でしょうか。「乳児用規格適用食品」とは、食品衛生法に基づく放射性物質の規格が定められている乳児用の食品(ベビーフード類等)のことです。このことが正しく消費者に伝わるようにと、2023年6月の「食品表示基準」の一部改正時に、商品の表示に ” 乳児用規格適用食品(食品衛生法に基づき、乳児用食品に係る放射性物質の規格が適用される食品)” である旨を明記することが義務付けられました。
≫ベビー、赤ちゃん、乳児とは何歳?
我が国では「乳児」とは 児童福祉法等の法律にて 1歳未満 と定められています。尚、「幼児」は1歳から小学校就学の始期に達するまで、「児童」は18歳未満の子供、「小児」は出生から春機発動期(思春期)まで、とされています。(「思春期まで」という曖昧な表現に関しては、医療法施行規則にて 女児は出生から14~15歳まで、男児は出生から16~17歳までとされています。)
≫省略規定
尚、「乳児用規格適用食品」であることが容易に判別できるものは「乳児用規格適用食品」である旨を表示しなくてもいいという省略規定があります。(明らかに赤ちゃん用であるものとしては、ベビーフードやベビー用の粉ミルクや飲料等が該当します。)
≫ベビーフードとは?
※消費者庁の食品表示基準Q&Aでは、「ベビー」を「赤ちゃん」を示す言葉・用語として使用する場合、「ベビー用」=乳児にも好適である、とされています。したがって、1歳以上を対象としたベビーフードであってもその旨の明記がない場合は、乳児用規格適用食品の対象であり、その旨の表示が必要であることが同Q&Aに掲示されています。 ☞逆に言うと、この点を消費者庁に確認したところ、対象年齢1歳以上と明記すれば「乳児用規格適用食品」には該当せず表示も不要、とのことです。(※の名称に関する明確な定義がないため1歳以上を対象とする名称にベビーを冠する商品も存在するが、行政としてはベビー=赤ちゃん=乳児、つまり1歳未満と設定しているため、このようなことになっているようです。)
その一方、上述の通り「ベビーフード」は赤ちゃん用のもの=「乳児用規格適用食品」であることが容易判別できるため(1歳以上が対象である旨の明記がない限り)表示の省略が可能です。
趣旨が正確に消費者に伝わらないおそれがあるために定められた表示ルールですが、省略できてしまうのです。
≫離乳食は対象
※同Q&Aでは、「離乳食」=社会通念上、1歳未満の乳児にも与えるものと考える、とされています。したがって、EX:「離乳食を始めたら」など、離乳食であることを表示している食品も「乳児用規格適用食品」に該当します。
≫放射性物質の規格
具体的な放射性物質の規格は、
一般食品 100ベクレル/kg、 乳児用食品 50ベクレル/kg です。
≫対象外のカテゴリー
乳幼児向けの商品であっても、下記は対象外です。
①飲料水、飲用茶
規格10ベクレル/kgと、乳児用規格適用食品より低い基準が適用されているため「乳児用規格適用食品」には該当しません。
② 牛乳、乳飲料
規格50ベクレル/kgと、乳児用規格適用食品と同じ基準ですが、牛乳のカテゴリーに該当するため「乳児用規格適用食品」には該当しません。
≫紛らわしい表示の禁止
同Q&Aでは、以下の例を乳児用規格適用食品と紛らわしい表示として例示しています。
EX:「乳幼児用規格適用食品」、「乳児用規格適合食品」
≫経過措置
2025年3月末までの間に表示方法の見直しが行われるようにと通知されています。完全施行は令和7年(2025年)4月1日になります。
#乳児用規格適用食品
#ベビーフード
#食品安全
#食品表示
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?