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公共交通オープンデータ最前線2024参加レポート

こんにちは、トヨタコネクティッド株式会社 先行企画部 新技術開発GのKumpei.Akiyamaと申します。

2024/3/2(土)に開催された”公共交通オープンデータ最前線2024”に参加してきました。イベント概要と感想をお伝えしようと思います。


イベントの趣旨

近年、GTFSデータなどの公共交通オープンデータ公開が盛んになるとともに、データを開発に活かすエンジニアや情報提供事業者、分析に活かすアナリスト、計画や合意形成に活かす自治体・交通事業者が増えています。ODD(オープンデータ・デイ)におけるシンポジウム開催7年目にあたる今年も、行政、事業者、ITエンジニアなどから、各地の最新の取り組みをご紹介いただきながら、交流を深めるイベントとなります。

GTFSとは?

そもそもGTFSを初めて聞いた方もいらっしゃると思いますので説明します。

GTFS(General Transit Feed Specification)は、公共交通機関(バス、電車、地下鉄など)の時刻表や運行情報を共有するためのフォーマットです。これはGoogleが開発し、公共交通機関の時刻表や運行情報をGoogleマップなどで表示するために使用されています。GTFSは、公共交通機関が提供するデータをテキストベースのファイル形式で表現します。主なファイルには、停留所(stops)、ルート(routes)、運行スケジュール(schedules)、運賃情報(fares)などが含まれます。これらのファイルを使用することで、アプリやウェブサイトが公共交通機関の時刻表や経路を表示したり、乗換案内を提供したりすることができます。

GTFSには、GTFS-STとGTFS-RTの2種が主に活用されていることが多いです。

GTFS-ST(General Transit Feed Specification - Static)は、GTFSの一部であり、公共交通機関の静的な情報を提供するためのフォーマットです。GTFS-STは、停留所やルートの詳細など、公共交通機関の基本的な情報を提供しますが、運行スケジュールの情報は含まれていません。つまり、バスや電車などの運行時間や頻度は固定されており、リアルタイムで変化する情報は含まれていません。

一方、GTFS-realtime(GTFS-RT)は、公共交通機関の運行情報をリアルタイムで提供するためのフォーマットです。バスや電車の遅延情報、運行状況、リダイレクトされた経路などの情報をリアルタイムに取得できます。これにより、アプリやウェブサイトは最新の運行情報を提供し、利用者によりスムーズな移動体験を提供することができます。

イベントの構成

イベントは

  • データ整備

  • バスロケ・業務システム

  • 情報提供

  • 交通計画

  • データ流通・標準化

  • 災害時情報

  • 公共データ・可視化

と7つのセッションで構成されていました。
当日の投影資料は ↓

にUPされています。興味あるセッションあれば参照してみてください。

イベントの概要と感想

とくに興味深かったセッションに関して発表の概要と感想を書いていこうと思います。

データ整備のセッション

GTFS整備で自治体目線で苦労した話であったり、GTFSの作成を生成AIにやらせてみたりなどが発表されていました。
GTFSデータ作成を生成AIにやらせた結果どうなったか↓をご参照ください!

情報提供のセッション

”車窓Grapher” という取り組みが興味深かったです。
「車窓を思わず撮りたくなる。日常の移動を観光に変える」
をモットーに、GTFS-RT×Plateauデータ×DEMデータを活用し、バスの車窓から東京タワーなどの観光ランドマークが見えるエリアをスマホ通知する仕組みを開発していました。Plateauデータをこのような形で活用するのも面白そうだとおもいました。

データ流通・標準化のセッション

GTFSがオンデマンド交通向けに対応するための将来構想に関する内容が興
味深かったです。
WILLER株式会社の横溝氏より

  • オンデマンド交通の課題

  • オンデマンド交通向けGTFSへの期待

に関してお話しいただきました。

オンデマンド交通はVisibility/Discoverabilityに関して

  • どこで走っているのか、どこに停まるのか?が登録会員でないと見えない。

  • リアル世界(路上、停留所)には何も存在しない

  • 非会員、旅行者などへの認知拡大が難しい

といったような課題があるとおっしゃっていました。

このような課題に対して
①GTFS-Flex
②GTFS On-Demand
と新たなGTFS形式の整備をMobilityDataが取り組んでいるとのことでした。

オンデマンド交通向けGTFSの構想(横溝氏の投影資料より抜粋)

githubに、GTFS-Flexの内容も公開されているので参照してみてください!

GTFS-FlexやGTFS On-Demandが、今後どのように公共交通計画などへ活用していくのか気になりました。
また、今後GTFS-FlexやGTFS On-Demandを活用して、社会課題を解決するプロダクト・サービスを検討・実証してみたいと思いました!

今後もこのようなイベントがあれば積極的に参加したいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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