京都芸術大学通信教育部 イラストレーションコース学生インタビュー
KUAイラストアドベントカレンダー、12月23日はイラストレーションコース研究室から『京都芸術大学通信教育部 イラストレーションコース学生インタビュー』です!
京都芸術大学イラストアドベントカレンダーラストの23日目は、イラストレーションコースに通う4名に、入学を決めたキッカケや、実際の授業の様子をインタビューしました。
「プロを目指すための大学なの?」「絵が上手いわけじゃないけど、勉強には興味がある」「どんな先生がいるの?どんな授業をしているの?」「仕事をしながらの社会人でも大丈夫?」「完全オンライン授業ってどんな感じ?友達はできる?」
そんな質問に、学生の生の声をお届けします。
※学生の名前はペンネーム表記です
入学のきっかけ
── みなさんは社会人をしながらイラストレーションコースに通っているとのことですね。さっそくですが、みなさんはどうしてイラストレーションコース入学したのでしょうか。そのきっかけを教えていただけますか?
もか
入学したきっかけは確か「広告をたまたま見かけた」だったと思います。社会人になってからは仕事も忙しいし、絵を描くことにも行き詰まりを感じてしまって、あんまり絵を描かなくなっていたんです。「一度ちゃんと基礎から勉強してみたい」「効率よく勉強する方法がわかったらいいな」と思って入学しました。
十鳥すすり
私はたしか、友達に勧められて「おもしろそうだな」とその場の勢いです(笑)。気づいたら入学していましたね。ずっと独学だったので、一度ちゃんと学んでおきたいと思っていたのもありました。あと、NaBaBa先生が大好きなんです。絵のことを深く考えてらっしゃるところが大好きです。Twitterでときどき絵の話をされるんですけど、めっちゃそれ読んで「すげえ」って尊敬しています。正直なところをいうと、NaBaBa先生がいるから入学したってところはありますね。
エダホ
僕は、元々ゲームの3Dキャラクターを作る仕事をやっていたんです。その中で2Dのデザインや、キャラクターデザインにも興味が出てきて……。「イラストやデザインをきちんと学んでみたい」という気持ちと、その頃ちょうど「会社を1度辞めてフリーランスでやってみようか」と考えた時期が重なり。そのタイミングで京都芸術大学のコースが始まったので、ちょうどいいかなと思って。今も仕事と並行して受講しています。
わお
私も、実は漫画を描いて出版社に投稿していた時期がありまして。そっちの方でも時間を取りたいんですけど、勉強も続けたいなという意識があり、それで通信制の大学ということで、イラストレーションコースを選びました。
── もかさんのお仕事はイラスト関係ではないということですが、では趣味の技術向上が目的で入学されたんですか?
もか
そうですね。今でも、イラスト関係だとか「こういう仕事をしたい」みたいなものがはっきりあるわけではなくて。どちらかというと「とにかく上手になりたい!」というのが入学の動機ですね。
── 大学や専門学校など多くのイラストレーションを学ぶコースがある中で、どうして京都芸術大学通信教育部を選ばれたのですか?
わお
私はたしか、広告に米山舞先生が出ているのを見て「米山先生がいるんだ!」と思って。それがきっかけだったと思いますね。ちょうどその頃進学を考えなくてはという時期でもあったので、ちょうどいいなみたいな結構軽い気持ちで決めたんですけど。
エダホ
僕も他の学校と特に比べたりはしませんでしたね。本当にイラストレーションコースの広告……Twitterだったと思うんですが……を最初に見て。ピクシブとガッツリやってるっていうので決めました。
学習スケジュールは色々、通信ならでは
── イラストレーションコースで勉強する時間やスケジュールについて教えてください。
十鳥すすり
勉強はだいたい夜ですね。夜に課題の動画を一気に見て、その日から時間ある時はずっと課題をやっています。もちろん別のこともやってますけど……、空いてる時間はほぼ課題やってる感じかも(笑)
もか
私もとりあえず、月が始まったらやろうと思っている課題の動画を一気に見て、課題まで確認して。課題が途中で行き詰ったら、ちょっと戻って動画を確認して……みたいな感じで進めています。私は課題に時間がかかるタイプなので、課題をつくる時間をたくさんとるためにも、とりあえず動画は一気に見てしまうようにしています。
── みなさんは仕事をしながら受講されているわけですよね。その両立はどのようにやっているのでしょうか。
エダホ
僕の場合は、フリーランスになって時間の使い方に少し自由ができたので、午前中に勉強を、仕事の方は午後からやるようにしています。あとは土日にがっつりやったりもします。午前中に時間取れなくて、勉強を夜に回すこともあります。
わお
私の場合は、課題の締め切り前にまとめてやる感じです。締切1週間前くらいになるところまでに他の仕事とかを全て終わらせておいて、予定を立てておいて、朝から夜までみたいな。「夏休みの宿題を最終日にやる」を毎回やってる感じです(笑)。
── 実際、課題はどれくらい時間がかかるものなんですか?
もか
本業が忙しくて時間が取れなかったり、ちょっと気に入らないとやり直したりもするんで、そういう場合があるともっと時間がかかるんですけど……。普通にひとつの作品を完成させて提出する場合だと10日ぐらいかけているかなと思います。
課題は"仕事の依頼"っぽい?
── 特に勉強になった科目や、楽しかった課題ってありますか?
十鳥すすり
そうですね、私の場合は画面のレイアウトと構図を学ぶ科目とメインビジュアルを制作する科目ですかね。今まで特に苦手だと感じていたので「もう、これはやるしかないな」ということで頑張りましたし、実際かなり苦労しました。
もう、ラフをアホみたいに描きまくって「これじゃない……」ってめちゃめちゃ苦しんで。イラストレーションコースの課題って、正直仕事の依頼メールみたいな雰囲気があるんですね。特にメインビジュアルはそうで、仕事としてこれを受けたらどうするかみたいな感じだったので、途中で「これでいいかヒアリングさせてくれ!」ってなりました。それがけっこう楽しかったです。
今ちょうど添削してもらった評価を確認しているんですけど、苦労した分、自分の役に立ってくれそうな感じがあります。今までは知識がなく「描きながら構図を考える」レベル。今は「ちょっと考えたから、描かないとな」というレベルになったので、今までは何も考えられてなかったんだなと痛感しました。
もか
私が特に勉強になったなと思ったのは、同じくレイアウトと構図についての科目と色彩ついての科目ですね。どちらにも言えるんですけど、色にしても構図とかにしても、今までは「なんとなくいい感じかな」ととりあえず適当に描いてみたものの、後から「ん?」と違和感を感じたり、「なんかしっくり来ないけど、何がよくないのかわからない……」と悩むことも多かったんです。その他にも、一向に構図や配置が決まらなくて、ラフから進められない……なんてことも。
構図や配色にはある程度ルールや体系が立てられていて、ちょっと迷ったらそういう一般的に良いとされているものを参考にすることで、作品作りが進みやすくなりました。まぁなんとなくそうだよなと思っていたこともあるんですけど、言葉にして教えてもらうとより理解が深まって、すごく勉強になりました。
わお
私が個人的に一番ためになったのは、キャリアについての科目ですね。作家ごとに全然考え方や意識している部分が違っていて面白かったです。それにやっぱり描いてるときに「どういう狙いを持って描くのか」を考えたほうがいいっていうのを学ぶことができました。
とくに、ア・メリカ先生のインタビューで「“絵本のような絵”と言うように、言語化できる絵のスタイルを持っていると強みになる」っていうのを聞いて、やっぱり言語化できる目標を持った方がいいなって思うことができたので。ア・メリカさんのお話が特に私にとってはすごくありがたかったなと感じてます。
あと、イラストレーションII-3 イラスト実習という科目ではそれぞれの先生が担当している科目の入り口だけ教えてくれるんですが、合わせて練習方法も皆さんおっしゃって下さって。これ最初に受けておけばよかったなと思いました。全般的には、具体的な実践方法が書かれてる科目がすごくためになったなと思います。
エダホ
そうですね、僕もキャリアの科目は印象には残ってますね。ここまで人となりからお聞きできる機会もなかなかないですし、皆さんプロでありつつも色々悩んでるところもあるんだなっていうのを気付けたのも良かったです。なんていうんでしょうかね、なんかこう、技術的なところもしっかりあるんですけど、自分の好きなものをその技術と一緒に落とし込んだ結果チャンスが来たっていうのが結構共通してる印象でした。そういうところを目指すべきなんだろうな、というのは少し感じましたね。
他の授業は、例えば米山先生のメインビジュアルについての科目は、本当にラフ〜提案まで一通りの工程を見せていただいたのがすごい参考になりましたし、あとはコロ先生のAdobe Illustratorの授業も、単純な使い方だけでなく、自分のご経験を踏まえた実践的なテクニックを話してらっしゃったので、そこはすごい参考になりました。教科書通りじゃないというか、コロ先生ならではの授業だなっていうのはとても思いました。
学生同士の交流
── 通信制ということで基本的には通学もなくオンライン授業なわけですが、学生交流はどのようにやっているのですか?
もか
入学する時にTwitterのアカウントを作って、それをきっかけに交流しました。作品を閲覧し合うだけじゃなく、実際に話したりもできる方も5〜6人ぐらいはできました。課題の締切が近くなると、皆で「通話しながら課題しよう」と声を掛け合ったり。週に1回〜数回ぐらいでしょうか。画面共有して「ここうまくいかない」とか「どっちの色がいいと思う?」とか。今までは自分の周りにイラストを描く人が1人もいなかったので、すごく新鮮に感じています。
十鳥すすり
そうですね、私も入学してTwitterアカウント作りました。他にもチャットアプリで繋がったりして一緒にゲームをやったり、課題の前なんかは「わかんねえ、助けてくれ」みたいなことを言い合ったりしています。
── 大学で学んでみて、何か自分自身が成長したなとか、変わったなと感じることはありますか?
エダホ
僕は線画に苦手意識があって、趣味のイラストではあんまり真面目に描いたことなかったんです。ラフっぽいところからなんとなく塗り進めてしまうみたいな。
その線画を実際描いてるところを授業で見て、やっぱりプロの方も何回も直したりするんだなとか、こういうふうに丁寧に線画描いていけばいいんだなとか、自分でも実際にやってみて割と苦手意識がなくなったかなと思います。他はちょっとまだまだ学びたいところは多いですけど。
"制限"がある課題だからこそ、挑戦し成長できる
── 他の方はどうでしょう?自分の変化をどう感じていますか?
わお
先ほどもちょっと話した「言語化できる目標」を考えた時に、私の場合は「カラフルなイラストを描く」を目標にしたんです。他にも、シチュエーションとか構成をまず決めて、このイラストが客観的に見てどういう価値を持つのかなっていうのを、考えられるようになったかな。そういった意識面が大きく変わったと思います。
技術的な面で言うと、臨場感を意識して全景と中景と後景というように構図を描こうとか、今まではバストアップの構図がどうしても多くなってたんですけど、クロッキーの授業で全身を描くことに慣れたことで構図が単調じゃなくなったとか、そういうのはマンガを描く上でも、すごく助かってます。
もか
課題をやってる時はしんどいんですけど、課題そのものは楽しんでやっているんです。常に課題があることで描きたい日も気乗りしない日も、とりあえずペンを持ってみるっていう習慣が付いたのもすごくよかったなって思います。私はあんまり自力で継続して頑張るっていうのが得意じゃないので……。
それに課題だと、ある程度テーマに制限がつくじゃないですか。私は、何か描きたいけど描くものが思いつかないことも結構あったので、逆に課題という制限があることでイメージが膨らみやすくなったり。趣味で描いてるだけだったら描かないだろうなというテーマや題材をたくさん描く機会があるというのも、勉強になってるなという感じがあって楽しいです。
入学するまでしばらく描かなくなっていたというのもあって、描く量がとても増えました。課題では初めて描くテーマやモチーフに触れて、今まで「できていないこと」自体に気づいていなかった自分の弱点にたくさん気づき、むしろ「上手くいかない」と強く感じることも増えてはいるんですけど。
そんな感じで、自分で「すごく成長したな」とまでは行かないんですが、でも人から「良くなったね」と言われることは増えたような気はします。
十鳥すすり
そうですね。私は描く量自体はあんまり変わってないんですけど、同じように今までは自分の好きな絵しか描いてなかったので、方向性が増えたというか。それが楽しいです。途中で詰まって混乱しまくっていたところがちょっとスムーズにいくようになると、「ああ、これは上達してるってことだな」と嬉しくなったりしますね。
── 学習の様子が知れてとても嬉しいです。ありがとうございました!
インタビューを終えて
みなさん、課題を通じて「1人で絵を描くだけでは知ることのできないもの」を学ぶ楽しさを感じているよう。
京都芸術大学通信教育部 イラストレーションコースは、「プロを養成する」ためだけの学校ではありません。「絵を基礎から学びたい」「趣味で絵を描いているけど、手詰まり感を感じている」「もっと上手くなりたい!」そんな、絵を描くことそのものを愛している人達全員が学べる大学です。
有名な現役イラストレーターが先生となって、基礎的な知識だけでなく彼らの経験に基づいた実践的なテクニックやノウハウも丸ごと授業で学べます。
興味を持った方は、ぜひ説明会をチェックしてみてくださいね。
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