聖蹟桜ヶ丘・ハグジードーナツ|小麦のパワーを宿す隠れドーナツ店
流行りのドーナツショップは、都心に集まるイメージがありますが、東京にあるのどかな街・多摩にて、評判を呼ぶドーナツショップ「HUGSY DOUGHNUT(ハグジードーナツ)」をみつけました。
知らなければ見つからない場所にひっそりと
聖蹟桜ヶ丘駅から徒歩約8分の住宅街にお店を構えるHUGSY DOUGHNUT(ハグジードーナツ)は、知る人ぞ知るドーナツショップです。
休日にもかかわらず、ひと気のないひっそりとした住宅街の路地。この道であってるかなと不安になりながらも、秘密基地に遊びに行くようなわくわく感がつのります。
大河原公園を抜けて周辺住民しか通らないような細い道を進み、ふと横をみると、これまた細い道の先にドーナツのイラストが描かれた看板を発見しました。
口コミや写真をもとにGoogleマップのストリートビューで目星をつけて向かったかいがあり、迷うことなくスムーズに到着。ちなみに、Instagramの公式アカウントをチェックしておくと、場所がわかりやすいですよ。(ハイライト「Comic」のラストページ)
HUGSY DOUGHNUT(ハグジードーナツ)
ハグジードーナツは古民家を改装してオープンしたとのこと。「あそぼう」をコンセプトに、ドーナツを中心にみんなが集まれる場所になったらいいな・子育て中のファミリーがくつろげる場所を目指したいという想いがこめられています。
この日、意外にも店内利用の方はゼロ。並んでいる前後の方々、みなさんテイクアウトでした。
「こんにちは」と、お店の方が明るい笑顔で迎えてくれました。
ドーナツ生地は、全粒粉をはじめとした3種類の小麦粉をブレンド。小麦の甘さを引き立てるために砂糖は少なめにして、豆乳を使用しているのが特徴です。
ドーナツのラインアップは日替わりで新作も加わるので、少し間をおいて訪れたときに新たな出会いがありますね。
#1 定番のドーナツは外せない
斬新なネーミング、ポップなビジュアルのドーナツも気になりますが、シンプルなものが好みなので、定番のドーナツを中心に選びました。
ミスタードーナツで一番好きなのは? と聞かれたら、迷わずハニーディップとシュガーレイズドの2つを答えます。生地のおいしさをしっかり感じられるシンプルなドーナツが好きなので「ハグジードーナツ」は必ず買おうと決めていました。
一見、グレーズの甘さがしつこいかなと思いきや、溶ける寸前のようにしっとりしていて、すーっとさわやかに甘さが引きます。もっちりとしたほどよく噛みごたえのある生地により、小麦の旨みで満たされる後味です。ドーナツだけれども、スイーツではなくパンの表情をしていて満足感があります。
なめらかなチョコレートのコーティングと、シャリシャリとしたてんさい糖のコントラストが新鮮です。
ミルクチョコレートほど甘くなく、ビターほど苦みのない絶妙なさじ加減で、甘さが主張しすぎずちょうどいい。プライスカードに「こどもに大人気ドーナツ」とありますが、小さなお子さんにとってはちょっと大人な味わいかなと感じました。
「ハグジードーナツ」と同じように、小麦の旨みあふれる生地は、噛んだあとに潰れたままにならず、元に戻るほどもっちりとした弾力があります。
「紅茶ファッション」は紅茶の茶葉がたっぷりと練りこまれ、華やかな風味のドーナツです。
外側は馴染みのあるオールドファッションより硬めで、クッキーのようにサクサク。油っぽさは一切なく、心地よいサク・ふわ食感です。初めはホワイトチョコレートが甘いかもと感じましたが、紅茶のさわやかな後味で整います。
購入したドーナツのなかでも一際シンプルなのに正体不明なのが「オストアンデル」。
やわらかな生地のなかには、つぶあんとサワークリームが入っています。個人的にこしあんではなくつぶあんを採用しているのがうれしい! なめらかな舌触りと、ホクホクとした豆感のバランスがちょうどいい潰れ具合です。控えめなつぶあんの甘さに、サワークリームのさっぱりとした酸味が加わり、たっぷりのあんでもくどくありません。
ちなみに「オストアンデル」というネーミング。初めは海外にあるドーナツの種類かなと思いましたが、調べてみると日本語を外国語っぽく使う言葉遊びから生まれた名前のようです。「押すと餡(あん)が出る」から、オストアンデル=おまんじゅうを意味するといわれています。
#2 カラフル・ポップなビジュアルにくぎづけ
ゴールデンウィークの後半、約4カ月ぶりにハグジードーナツへ向かいました。
前回は12種類のラインアップでしたが今回は8種類。日によってドーナツのメニューが変わると同時に数も異なります。
Googleマップで直近の口コミをみてみると、ネガティブなレビューがちらほらあり少し心配に…… おそるおそるベルを鳴らして訪れたことを知らせると、男性の店員さんがやってきました。終始にこやかでやさしく対応してくださったので、杞憂にすぎなかったようです。
オレンジピールのさわやかな甘さが夏っぽい! アイシングは甘めですが、生地の素朴な旨みとオレンジの明るい酸味が手伝い、ちょうどよいバランスに整っています。
もっちりとしたパンに近いドーナツ生地は、以前と変わらず安定したおいしさです。油っぽさがまったくないのが相変わらずすごいですね。
レモンピールをあわせて、よりさっぱり・フルーティなドーナツも食べてみたくなりました。
アメリカンポップなカラーに惹きつけられて選んだのがこちら。アイシングには4種類のベリーが使われています。
ベリーの甘酸っぱさがほんのりとかすめ、グレーズの甘さがしっかり。ブラックベリーとラズベリーのつぶつぶとした食感が楽しいです。
フローラルな果実感はありますが、せっかく4種類も使っているならもう少しベリー感が主張してくれるとうれしいなと感じました。
ゴツゴツとしたワイルドな見た目に反して、ホワイトチョコの甘さとココアクッキーのまろやかさがポップな味にまとめてくれています。
大粒に砕かれたクッキーのザクザクした食感が心地よく、パクパク食べ進めたくなりますね。
甘すぎるのが理由でホワイトチョコレートを使ったお菓子は避けるようにしていますが、ハグジードーナツはどれも甘さのバランスが考えられているので安心して選べます。
生地がおいしいドーナツこそ最適解
以前、話題のドーナツショップを利用したとき、オイリーで生地が台無し・甘すぎて1個で飽きてしまうということがあってから、安定のミスタードーナツだけで買うようになりました。
そんな経験から今回もあまり期待しないで買ってみましたが、数年ぶりにドーナツショップを開拓してよかったと思えるほど大あたり! 組み合わせる素材に負けない生地の旨みをダイレクトに感じ、小麦が主役であることをきちんとアピールしてくれる納得のおいしさです。