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【後編】30年後のLIFE再現ライブと私
いつの間にか姿を消してしまった小沢くん。
久しぶりに雑誌でお見かけした小沢くんはギザギザ頭で、「王子様」といわれていた姿とはかけ離れていました。なんだかすごく大人になったんだなーと感じた記憶があります。
小沢くんが置いていった曲たちは山ほどあったので、まぁ変わらずぼんやりと聴き続けていた、
そんなある日、「愛し愛されて~」を聴いているとき
え、今まで橋の上を歩いていると思ってたけど…歩いてるの 橋が見える場所だ…
簡単に…って 雨が簡単に上がった なのか、簡単にお茶に行こう なのか…??
少し眩しっ面で階段を小走りで駆け下りてくる可愛い彼女が見える!!見えるぞ!!!
と。初めて歌詞の面白さに気がついた瞬間でした。(遅!!!)
文学とか全くわからず、とにかくなんてずっしり感のある歌詞なんだろうと。日本語の楽しさや美しさがいっぱい詰まっているような、和菓子みたいだなと。
「天使たちのシーン」は、いったいどこの視点から書いているのだろうか。私のイメージは、小沢くんが高い雲の上で寝転んで人々の暮らしを愛おしそうに眺めているイメージ。
こんなにも日常の様々なシーンは儚くて美しいのか。じんわり泣けてくる。
もう出だしの「海岸を」の「かー」で、うるっとくる身体になってしまった。パブロフ。
やっとじっくりと歌詞を読み聴く楽しみに気がついた私は、小沢くん不在の間も特に不便を感じることなく、歌詞を写経したりして、ゆるりと好きなまま過ごしていました。もともとTVの中の人なので同じ世界には存在していないと思っていたし。
数年が過ぎ、ある時から だんだん遠くの方から、ちょっとずつ匂いがしてきました。何かあるなと。数年おきにちょっとずつサプライズな供給が来て、どんどんと私の住む現実世界に近づいてきました。
大人になった私は「東京の街が奏でる」第八夜で、初めて生で小沢くんを拝むことができました。
スポットライトの下で歌い朗読をする小沢くん、光っている…。彼の言葉を一言も聞き漏らすまいと真剣に耳を傾けていた、あの瞬間私は完全にbelieverでした。だって、またどこかに消えていってしまうと思ったから。
それ以降のライブは、全てではないが足を運び、配信を見たり、グッズを買ったり、SNSをチェックしたりと、とても小沢くんを近くに感じるようでした。
そして時は2024年8月31日
そこには田舎の芋小学生の私も一緒にいました。オリーブ少女も、皆が30年間のあれこれを持ってライブに集まったようでした。
子どもの可愛い泣き声が聞こえ、小沢くんがスカパラの青木さんのお名前を呼ぶと歓声が上がり、リーリーがステージに上がり、本物のブギーバックは最高でした。
最後はスパっと現実に戻してくれるところ、小沢くんの言う「大丈夫」の力強さ。believerな私は信じ切れる。