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メディア、目を覚まして 〈1.17に思う〉

27年前、私も阪神淡路大震災を経験しました。1月17日未明。寝ていたベッドにしがみつかないと振り落とされそうになるくらいの大きな揺れでした。幸い、家族に犠牲者はいませんでしたが、救急車の音、消防車のサイレン、遠い空は火災で赤く染まり、「神戸はどうなってしまうんだろう」と不安と絶望で心の中がいっぱいになってしまったことを覚えています。

そんな中、希望を与えてくれたのが新聞やテレビでした。日を重ねるごとに死者の数が増え未曾有の災害になりましたが、新聞は「おじいちゃん生きていた」「同じ悲しみ負けないで」などと伝え、一筋の光を与えてくれました。テレビも、自衛隊がお風呂を用意してくれたこと、ボランティアが散髪に来てくれたことや炊き出しをしてくれたことなど、心温まる話題を報じてくれました。

でもメディアの皆さん、今のあなたたちはどうですか?
新聞は悲観的なニュースばかり。テレビは連日感染症を煽り続けています。
若い人たちは人生で最も大切な時間を奪われ、職を奪われ、自由を奪われているのを知っていますか。行事がなくなり、思い出がなくなっています。

「命」を守るのは報道の使命ですが、「生」を守るのも大事な役割です。
私たちは今、本当に生きていると言えるのでしょうか。
もう一度「あの頃」にたちかえり報道機関とは何なのか考えてみてください。

あなたたちが変われば世の中は変わるのですから。