【雑記】「ふたつの森がありました」の、あとがきのようなもの
「ふたつの森がありました」について
これは、わたしが30代のころに書いたお話です。
全部で11章。
当時は、脚本みたいな形式で書いていました。
ミュージカルをつくってみたいと思っていたからです。
今回、あらためて公開するにあたって、普通の小説の形式に直しました。
舞台は動物が暮らしている森。
そこに小鳥のピーノが流れ着いたことをキッカケに、孤独で誰にも心をひらいてこなかったヒューが変わっていくことを描きながら、
「ほんとうの孤独」とはなんだろう?と、読み手に問いかけているストーリーです。
合唱劇に影響をうけていました
ミュージカル仕立てなので、お話の途中で急に登場人物が歌い始めます。
実際に曲をつけて歌にしたものもありますが、ほとんどは歌詞だけの曲です。
当時のわたしは、ある親子合唱団に参加しておりました。
その合唱団ではオリジナルの舞台をやっていて、お芝居のパートのうしろで、合唱隊が歌をうたって進行していく…という構成だったのです。
ざっくり言えばミュージカルだったわけですが、これがなかなか面白くて。
わたしはただの合唱隊のひとりでしたが、歌で物語を支えていくこのスタイルを自分もいつかやってみたい!!
と思うようになったのです。
それで書き上げたのが、この「ふたつの森がありました」だったんですね。
でもそれからしばらくして、わたしは合唱団をやめて、「歌う主婦ユニット・シフォン」という二人組のユニットを結成して、細々と自分のオリジナル曲をうたっていく…という活動をしていくことになりました。
その話は、またいつか別の形でお話する機会があると思うので、今回はやめておきます。
ですが、ご縁とは不思議なもので、半年前からまたその合唱団に参加しています。
10月に本番を控えていて、その本番が終わるまでの期間限定ではあるのですが。
20年ぶりに合唱劇に参加して、改めて、歌声で物語を伝えるパワーというか熱量に感動しています。
ほんとうの孤独について
孤独を感じるのは、どんなときですか。
ひとりぼっちで、誰とも会えないときもそうかもしれませんが、
大勢の中にいても、家族の中にいても、そこが自分の居場所じゃない気がするときに、どうしようもない孤独を感じてしまうものじゃないですか。
わたしは、そうでした。
20数年前、合唱団に参加する前のわたしは、自分ではどうしようもない日々の生活の中の闇にいました。
夫もいました。まだ幼い子供たちもいました。
なんなら自分の両親と祖母も、一緒に暮らしていました。
それでも、苦しかった。どうしようもなく、しんどかった。
理想の自分(というか、相手が望んでいるであろう姿)と、そうなれない自分がかけ離れていて、自分のことが大嫌いでした。
だから、わたしのつくるお話には、やたらと醜い怪物みたいな主人公が出てきていたのだなあ…と、当時を振り返って、思います。
理解されたい。そして、赦されたい。
そのままのあなたで大丈夫なんだよ、と言われたい。
その想いは、いまでもやっぱりここにあります。
ほんとうの孤独は、たぶんずっと心の奥にあり続けるのでしょう。
どんなに大事なひとといても。
なにをしていても。
だけど、わたしはもうその孤独に負けたりしないと思います。
そんな気がします。
だから、そんな物語を、そんな歌を、わたしは届けていきたいなあと思う。
遺しておきたいなあ…と思うのです。
2024.9.8.sun
のすたるじーの代弁者☆くぅ