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泥舟
かちかち山のタヌキさんは泥で作った舟に乗り水没しそうになるのです。
舟という乗り物は穴が空いてしまうと、そこを塞げないと沈んでしまうのです。
空いた穴からはドンドン水が入り込み、舟はドンドン浮力を失う。
普通の舟でさえ穴が空けば沈みゆくのに、泥で出来た船は時間の経過で溶けていってしまう。もう初めから沈みゆくことが決まっている。
沈みゆく舟に乗っていると沈んだ舟の沈んでいく力に巻き込まれ一緒に深くまで引き込まれてしまう。なので、なるべく遠くまで離れなければいけない。そう、沈む前に。
穴を塞ぐ気があるのか!?
拡大していく穴。塞ごうとしている様に思えない舟。これは降りるしかないのかもしれない。
沈みゆく舟を見捨てず最後の足掻きをして美談として語られるのも良いかもしれないが、物語はそこで終わらない。後日譚を生き続けなければいけない事を考えるとやはり、見捨てて新しい舟に乗り換えるのが最善策に思えて仕方ない。
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