今の仕事(技術チームのマネジメント)
4月からポジションから変わってマネジメント色が強くなり、手に取る本も大きく変わりました。土日に技術書を読まないという生活にもだいぶ慣れてきたところです。とはいえ、まだ地に足がついていない感じもしていて、連休というのに「今の自分の仕事の肝は何だろうか」と悶々と考えていました。
ポジションが変わっても、データ分析や機械学習を生業にしているのでその問題設定が重要なことは変わりません。この「問題設定」というはデータ分析や機械学習で解くべきビジネスの問題を発見してそのアプローチを考えることです。絵にすると下のような三角形のような図になります。(以前に投稿した記事からの引用です。)
問題設定は典型的な「言うは易く行うは難し」な仕事で、異質なものであるビジネスと技術をくっつけるにはそれ相応の経験が必要になります。応用志向の技術者としては最もエキサイティングな場面ではないかと思います。
この三角形の絵をぼんやり眺めながら「昔と今で何が違うのだろう?」と自問自答してみました。
今年の3月までプレイングマネジャーをやっていたわけですが、その最重要課題は未解決な問題を発見することでした。一言でいうと問題発見です。上の三角形の図でいうとビジネス(業務)の問題を引き出すことでした。
ここ数年私が注力していたPeople Analyticsは、解くべき新しい問題の宝庫だと言え、難しくも面白い分野だと今でも思っています。
一方、今はポジションが変わってマネジメントにシフトしています。少なくとも本業において自分自身で問題設定を行ったりコードを書いたりすることはなくなりました。プレイングマネジャーから脱却したとも言えます。
手を動かすことから離れることは技術者にとってはある意味恐怖です。様々な勘が鈍り、技術や問題へのキャッチアップが遅れる恐れがあるからです。しかし、複数のプロジェクト・チームをマネジメントするために必要なことだと考えて意図的に避けてきました。
これは自分にとっては勇気が必要なことでしたが、以下のような本を改めて読んで決断したことでもあります。
さて、「プレイング」の部分を取り去ってしまうと何が残るのかということですが、この1か月不器用に奔走してみて気づいたことが一つありました。それは、今の仕事で重要なことは「問題発見から解決に至る活動が有機的に生まれる場を作ること」ではないかということです。問題設定の自律化と言ってよいかもしれません。
このように言語化して少しすっきりしたわけですが、これはなかなか高難度の仕事だと思いました。まだ実践的学びの最中であり私は解決を持っていません。ただ今直観的に感じていることを言葉にしてみると、手段(How)よりも目的(Why)が重要であるとともに、プロセス・規律よりも組織文化が肝になるのではないかと感じています。
これは自分にとっては未知の経験になります。ただ、自分の解くべき課題が見えたような気がして少し霧が晴れた気持ちになりました。
ここからの1年はきっと試行錯誤の連続になるでしょう。これまでのキャリアと同様に、先人に学びつつ実践で試して軌道修正をしていくことになると思います。また、初期仮説は往々にして間違っていることも多いので、数か月後に振り改めて返ってみたいと思います。