見出し画像

週50回制限が惜しすぎる...ChatGPT o1を体験してみた

OpenAIが12日連続で新機能を発表するという、シュールなニュースリリースが飛び込んできました。そして、その幕開けを飾ったのが待望のo1 full版のリリース。12月に、12。
o1 previewについては、使っていまいち、数学やプログラミングに特化するモデルで「作家として使えない」という印象がありました。正直、o1本体について期待していません。
が、試してみて分かったのがーーo1とo1 previewは別物です。
どれぐらい別かというと、「ドラゴンボールのセル」と「セルフレジ」ぐらい違います。


O1の第一印象

朝起きて、ダメもとでo1が得意であるミステリーを試し、一個の密室トリックを作成してもらいました。

以下は、オリジナルな密室殺人トリックと、その謎解きのプロセスを例示したものです。

## シチュエーション
ある富豪が、自宅書斎で死体となって発見された。書斎は頑丈な扉と防犯ガラスの窓しかなく、どちらも内側から施錠され、窓ガラスも割れていない。また書斎には、死者以外は誰もいなかったことが監視カメラによって確認されている。つまり、外から侵入した犯人も、内から出て行った犯人も不可能に思える「密室」状態が成立していた。

## 状況の詳細
- **書斎**:
- 重厚な木製のドアには内側から鍵がかかっており、チェーンロックも掛けられている。
- 窓は防犯用の特殊強化ガラスでヒビ一つない。
- 空調装置は天井付近にあるものの、内部はフィルターがあるだけで、人間はおろか物理的な大きな道具を通すことは不可能。
- 床や壁にも隠し扉はなし。

- **発見された状況**:
富豪はデスクチェアに座り、胸部に銃創がある。拳銃は右手付近に落ちている。
被害者自身が自殺したかに見えるが、監視カメラの映像には、被害者が左利きであることや、撃発時刻に閃光が机の下から見えた奇妙な光景が記録されている。銃声は当然書斎から響いたが、前後して誰も出入りしていない。

- **不可解な点**:
1. 死因は至近距離からの銃撃とされるが、引き金を引いた右手は、被害者の利き手でない。
2. モニター映像には、被害者が机の下に何かをセットした後、自分の胸元に銃口を向ける動作が記録されている。
3. 被害者は生前、ある発明家でもあり、奇妙な仕掛けや道具を好んでいたと周囲の人間は話す。

## トリックの解明
犯人は書斎を訪れることなく、被害者自身の手によって仕掛けを完成させるように誘導していた。鍵は「被害者を強制的に自殺に追い込む装置」を被害者自身に組み立てさせることで、外部からの介入なく殺人を実行したのである。

### トリックの仕組み
- **装置の構成**:
被害者の机の下には小型のリモコン式引き金装置が仕込まれていた。この装置は、遠隔操作でトリガーを引くことができる特注のメカニズムで、銃を固定具で被害者の体に向けておくことができる。
しかし、この引き金装置の最終的な配置・セッティングは、被害者自身が知らず知らずのうちに行うよう巧妙に誘導されていた。すなわち、被害者が「新型防犯装置」もしくは「不審者対策ギミック」をセットアップしているつもりで、それが実は彼を射殺するための仕掛けだったのだ。

- **犯人の誘導手口**:
犯人は被害者が信頼する「技術顧問」を装った工作員で、被害者に「この装置(実際には拳銃用遠隔トリガー)を机下に仕込み、防犯用カメラと連動させれば、侵入者への威嚇射撃が可能」と説明した。
被害者はその説明を信じ、自ら装置と銃をセットし、最後に安全装置を外した状態にしてしまう。犯人は外部から特定の信号(例えば周波数の合った無線)を送ることで引き金装置を作動させ、銃弾を被害者の胸に撃ち込む。
その直後、引き金装置は細工によって自己崩壊(小さな燃焼による焼失)し、残ったのは被害者と銃だけ、まるで被害者が右手で拳銃を握って発砲したかのような状況が残る。

### 謎解きのポイント
- **不自然な撃ち方**:
被害者が左利きなのに、右側に銃が落ちていること。これはあたかも被害者が慣れぬ手で無理やり引き金を引かされた状況を示唆する。実際には被害者が銃を保持しておらず、装置が引いた引き金によって銃が暴発的に逸れ、被害者が倒れた拍子に銃が右側へ落下した。

- **机の下の焦げ跡**:
現場にはわずかな煤や焦げた残滓が残り、精査すると引き金装置の一部が燃えた痕跡を発見できる。犯人の狙いは、装置を完全に消滅させ、被害者の自殺に見せかけることだった。しかし完全な消失は難しく、微かな痕跡が残った。

- **監視カメラに映る不審な光**:
発砲の瞬間、机下から一瞬見える火花が、通常の銃撃光とはやや異なる角度と位置から発生していた。これが、装置による遠隔トリガーの発火と銃撃が同時に起きた証拠となる。

### 解決
探偵は現場検証でわずかに残る金属片と煤を発見し、被害者がセットした謎の機器の部品であると突き止める。その機器を逆算的に再現し、犯人が遠隔操作でトリガーを引かせたことを証明する。犯人は被害者が「自分を守る防犯システム」を完成させるよう仕向け、その実態が「自動的に被害者を撃ち殺す装置」だったという巧妙な密室トリックを暴露された。

これにより、犯人は遠隔から成立させた殺害であることが判明し、真犯人として特定・逮捕に至るのである。

o1

第一印象として—驚くほど速いんです。WEB版のChatGPT 4oと比べると、2〜3倍くらいのスピードで返事が返ってきます。もちろん、私が試したプロンプトがそれほど複雑な思考を必要としないものだったというのも理由の一つかもしれませんが。
そして、出力の文章量が長く、追いつけないです(嬉しいことですが笑)
また、文章構成がとても論理的で読みやすいです。o1-previewのような「GPT臭」がする文章ではなく、自然な日本語になっています。
肝心なトリックを見ていきましょう。「遠隔操作」と「自動的に被害者を撃ち殺す装置」という要素を組み合わせたアイデアは、一見どこかで見たことがあるような気がしますが、細部まで丁寧に作り込まれていて、なるほど!と唸ってしまいます。
試しにgpt4oにも同じ依頼をしてみましたが、その結果を見て驚きました。

密室トリックを考案し、解くプロセスは非常に楽しいですね。以下にオリジナルの密室トリックを提案し、解説します。

---

### **トリックの概要**
**タイトル**: 「閉ざされたギャラリーの謎」

**状況**:
ある美術館の特別展示室で、名画が盗まれる事件が発生。展示室は防犯センサー付きの頑丈な扉で守られており、最後に扉が閉まってから犯人が逃げ出せる時間はなかったとされている。警報が鳴ることもなく、監視カメラにも侵入者の姿は映っていない。

さらに、扉が開かれた瞬間に、盗まれた名画が展示台の上に戻されるという奇妙な状況が発覚。まるで名画が瞬間移動したかのようだった。

**条件**:
- 扉は開閉するたびにアラームが鳴る仕組み。
- 扉が開かれる前、展示室内には人影が確認されていない。
- 名画は本物と鑑定済み。

---

### **トリックの種明かし**
**トリックの核**: 「鏡と二重扉を利用した視覚トリック」

**仕掛け**:
1. 犯人は事前に、展示室の内部に「鏡」を設置していた。鏡は特殊な角度で置かれ、展示台の上に本物の絵があるように見せかけていた。実際には展示台には何もなく、鏡が外部の無関係な場所を反射していただけだった。
2. 犯人は展示台の「隠し仕掛け」を使い、絵を事前に取り外して別の場所に移動させた。
3. 扉を開けた瞬間に、鏡の仕掛けが外れるよう設計されており、本物の絵が展示台に戻る仕掛けだった。

これにより、展示室が「密室」であり、誰もいないのに絵が消え、また戻ってきたように見える現象を作り出した。

---

### **探偵による推理**
探偵は以下のポイントからトリックを暴いた:
1. 扉の外で犯人が目撃されていない以上、「密室」のトリックが成立する条件を検討。防犯カメラに映らなかった理由は物理的な遮蔽物が原因と仮定。
2. 現場を注意深く調査し、展示台に微かな傷があることを発見。仕掛けが隠されていると推測。
3. 部屋の角度や光の反射を検討し、鏡が設置されていた可能性にたどり着いた。
4. 犯人が展示室内の仕掛けを遠隔操作できた形跡を突き止め、防犯装置を解析。鏡が自動で移動する仕組みを解明した。

---

この密室トリックの鍵は、視覚トリックを利用して「あるはずのものがない」という錯覚を生むことでした。物語に取り入れる際には、探偵の観察力や心理戦を絡めることで、さらに深みを持たせられるでしょう!

gpt4o

o1の出力は圧倒的な解像度を見せています。対照的に、gpt4oは物語性を重視する傾向があり、トリックそのものよりもストーリーテリングに重点を置いているようです。o1は、まるで熟練の推理作家のように、トリックの技術的な側面を徹底的に掘り下げているんです。

いつもの比較

作家なんで、いつものプロンプトで行きます。
前回11月に更新された、gpt4oとの比較はこちらを併せて読んでいただければと思います。

アイデア出し

まずはスチームパンク風のミステリー小説のアイデアでGO。

以下はスチームパンク風のミステリー小説のアイデアをいくつかブレインストーミングしたものです。これらを組み合わせたり発展させたりすることで、オリジナルの物語の土台を作ることができます。

1. **巨大飛行船都市と密室殺人**
- 舞台は大陸間を行き来する巨大飛行船。「空中都市」と呼ばれるほど巨大な船内には高級サロン、工業区、下層労働階級用居住区まで存在する。その飛行船内部で、特定の高級車両(サロンカー)にて殺人事件が発生。
- そのサロンカーは機械仕掛けの自動ドアで密閉されており、外からの侵入は不可能と考えられていた。
- 探偵役は、飛行船のエンジニアとして潜り込んでいる青年/もしくは元軍人の女性技師。彼・彼女は内部システムの知識を武器に真相を暴く。
- 真相は、巧妙に組み込まれた排気管システムの逆転利用や、特殊な歯車仕掛けを用いた時限式の仕組みにより、真犯人は表に出ずとも犯行を可能にしていた。

2. **歯車仕掛けの都市と消えた遺産**
- 町全体が巨大な時計仕掛けで動いているスチームパンク都市。中心部には「時の歯車塔」があり、その精巧な機構が都市全体の蒸気と動力を管理している。
- ある日、その歯車塔内部で都市の創始者一族が長年隠していた「機械の宝珠」が盗まれ、同時に一族当主が殺される。
- 探偵はフリーランスの“歯車読師(ギア・リーダー)”で、歯車の配列からアリバイや移動経路を分析できる特殊能力を持つ。
- 犯人は都市を動かす歯車機構そのものを人質に取り、意図的に都市機能を狂わせて人々の視線を分散させていた。

3. **スモッグに包まれた工業都市と人造人間連続殺人**
- スチームエンジンが猛威を振るう鉱工業都市は、絶え間ないスモッグで満ちている。街中には人間に酷似したオートマタ(人造人間)が普及しているが、最近オートマタが次々と破壊される事件が多発する。
- 被害に遭うのは高度な人工知能を搭載したオートマタで、彼らの「蒸気心臓(スチームコア)」が抜き取られている。
- 探偵役はオートマタ職人で、独自の観点から破壊された機体の部品を読み解く。
- 真相は、ある組織が新型の動力源開発のために特定の素材を必要とし、それを既存のオートマタから強奪していることにある。最後に探偵が、自ら作り上げた独特な解析用アームや銅製の義眼を駆使して犯人を突き止める。

4. **皇帝直属スパイと列車暗号事件**
- 帝国が誇る装甲列車が、首都に重要な機密文書を輸送中に暗号技師が殺害され、その暗号解読機が破壊される事件が起きる。
- 装甲列車は多数の鋼鉄コンパートメントで仕切られ、歯車式の自動ロックが特定の時刻にしか開かない構造。
- 探偵役は皇帝直属のスパイで、単に暗号解読の能力だけでなく、潜伏技能と隠し武器、列車の構造を把握している。
- 犯人は敵国の二重スパイで、複数のからくり人形を利用し、列車内部の歯車ロック機構を逆手に取った計画で暗号機を奪取しようとしていた。

5. **真鍮の仮面と蒸気霧の館**
- 貴族たちが集まる古い蒸気伯爵家の館で、毎年恒例の「歯車舞踏会」が開かれる。その夜、仮面を付けた謎の客が館主を殺害し、貴重な歯車細工の指輪を持ち去る。
- 館の中は歯車仕掛けのドアや仕掛け部屋で複雑な構造になっており、さらに外は濃い蒸気霧に包まれているため、犯人は逃げ場がない。
- 探偵は古参の機巧学者で、館内の仕掛けの図面や特殊なオルゴールを使って暗号を解読していく。
- 真相は、館内の時計仕掛けのシャンデリアや蓄音機が、犯人の隠れ家とメッセージの送り先を示すヒントになっていた。

これらのアイデアはいずれも、スチームパンクならではの機械仕掛けの謎、独特な探偵役のスキル、閉鎖空間や特定の機構を利用したトリックなどを用いています。好きな要素をピックアップして、一つの物語に統合したり、キャラクター設定を練り込むことで、より面白いミステリーに仕上げることができます。

o1

o1の出力結果を見て、正直驚きました。単なるアイデア出しだけでなく、各シナリオに対して:

  • 論理的なトリックの組み立て(機械仕掛けを利用した密室など)

  • 珍しい探偵キャラクター設定(歯車読師、オートマタ職人など)

  • 複雑な伏線回収の仕組み(シャンデリアや蓄音機をヒントとして活用)

が有機的に結ばれています。前にGPT4oで試した感じ、「物語のあらすじ」を考えてみた感があるが、o1は完成した物語として成立する印象です。
やっぱりミステリーは強いです!

キャラクターを構築

続いて、キャラクターを考えてもらいました。シュールなニュースを追うジャーナリストですね。

**名前:** 西条(さいじょう)ジュンヤ

**職業:** フリーランスジャーナリスト

**年齢・外見:**
30代半ばほどの男性。無造作に伸びた髪と、軽く無精ひげが似合う面立ち。新聞記者時代に使っていた革製のボストンバッグがトレードマークで、その中には常にノート数冊、録音機、古びた万年筆が入っている。スーツよりはトレンチコートやジャケットスタイルを好み、長年の取材活動でわずかに古びたコートの襟には、過去のアクシデントで染み込んだコーヒーやインクの跡が点々と残っている。

**性格・態度:**
・好奇心旺盛で、常識的なニュースに飽き飽きした結果、「この世の片隅で起こる、説明不能な出来事」を追いかけるようになった。
・ロジックや事実確認は怠らないが、時折「これは何か奇妙なメッセージなのか?」といった半ばオカルト的な解釈にも開かれている。
・不思議な事件に対しては、驚いた表情よりも、むしろ薄く笑みを浮かべる癖がある。あたかも世界の不条理を自分だけが知る特権を得たかのように。

**背景:**
もともとは国内有数の新聞社で社会部記者として働いていた。真面目な記事を量産する日々に嫌気がさし、ある日、奇妙な目撃情報(光る人影、反重力で浮遊するスプーン、謎の言葉を喋るモニュメントなど)に飛びついたことが転機となる。その記事は読者の一部で話題になり、彼は「摩訶不思議ニュース」を特集するウェブメディアに転身。以来、都市伝説めいた話や、芸術的ともいえるシュールな事件を定期的に追いかけるようになった。

**行動様式:**
・現場に足を運び、地方都市や限界集落、廃墟や異国情緒漂うバーなど、普通の記者が嫌がるような場所にもためらいなく赴く。
・取材先では馴染みのバーテンや風変わりな鑑定士、怪しげな霊感商法師など、独特の人脈を持っており、そこから断片的な情報を拾う。
・いつもはあえて冷静な態度を保つが、目撃者が不気味な話を始めると、指先が微妙に震える。強烈な秘密に近づくと、瞳孔がわずかに拡がる。

**価値観・モチーフ:**
・「世界には理屈では説明できない出来事が無数に存在し、それを追うことこそ、真の“報道”だ」と信じている。
・不条理やシュールな出来事に触れることで、世界の裏側に潜む真実—あるいは美しさ—を照らし出したいと考えている。
・スクープや名誉に執着するよりも、自分が見た異様な光景をどれだけ正確かつ詩的に伝えられるかに価値を置いている。

**まとめ:**
西条ジュンヤは、「常識」を飛び越えた不条理事件を追い求めるシュール系ジャーナリスト。彼は奇妙な事件現場で微笑み、ノートに奇怪な事実を記す。常識的な報道から外れた先に、まだ誰も見たことがない「もうひとつのニュース」があると信じ、目に映るすべてを観察し、言葉で切り取ろうとしている。

o1

これはなかなか。キャラクターが生き生きです。

  • 細部まで作り込まれた設定(コーヒーの染みがついたコート、震える指先など)

  • 一貫した価値観と動機(「もうひとつのニュース」を追い求める姿勢)

  • 独特な人間関係(バーテンや霊感商法師との繋がり)

これらの要素が組み合わさって、リアルな人物像を作り上げています。単なる「変わり者ジャーナリスト」という紋切り型を超えて、独自の世界観を持つキャラクターとして成立しています。
特に、「不条理を追いかける」という設定でありながら、ロジックや事実確認は怠らないという矛盾した性格付けが、深い。
Claude 3.5 sonnetと同等、あるいは超えているかもしれません。

改稿

ここが、もっとも驚いた部分です。
自分の前に書いたシナリオを読ませて、フィードバックをもらいました。

以下はプロのシナリオライターとしての視点でのフィードバックです。全体的に物語性、キャラクター性、テーマ性がバランスよく盛り込まれた作品になっていますが、一部ブラッシュアップできる点もあります。ポイント別に整理してお伝えします。

### 全体構成・テーマ性
- **テーマとメタファーの一致感**:
料理や味覚、温度差、食材の状態変化が、登場人物たちの心の変化や対立・成長と呼応している点は非常に面白いです。
特に「スイカそうめん」「松茸のカルパッチョ」「常夜鍋」「桜鯛のお茶漬け」といった各話の中心料理が、そのエピソード固有の感情や状況のメタファーになっています。これらは視覚的にも味覚的にもわかりやすく、読者(視聴者)が自然と感情移入しやすい構造です。

- **四季折々の展開と成長**:
夏(スイカ)、秋(松茸)、冬(常夜鍋)、春(桜鯛)と四話を通じて季節が移ろう中で、二人の関係性も徐々に育まれ成熟していく。季節変化と人間関係成長が連動している点は、ストーリーラインに連続性・テーマ性を与えています。
一方で、各話の「競技的要素」(オープンキャンパス、祭、卒業制作)がもう少し明確に二人の感情面の「壁」や「到達点」を示すようにクリアな目標設定をすると、クライマックスでのカタルシスがより強まるでしょう。

### キャラクター
- **柳澤しずく**:
感覚的で直感型の天才肌。一方で、曖昧な感覚を大切にし、料理を「表現」として捉える姿勢が初回から一貫しています。
欲を言えば、なぜしずくがそこまで「嘘のない料理」に拘るのか、その原体験や心情的背景をもう少しドラマ中盤で明確にすると、彼女の言動がより説得力を増します。例えば、家族との衝突や芸能界との過去にもう一段踏み込み、その「後悔しない選択」への想いを強調してあげるとよいでしょう。

- **稲田知樹**:
論理・計算・正論を重視しながら、内面には揺らぎがあり、しずくに惹かれながらも踏み出せないシャイな男性像がよく描かれています。
特に、「避けてしまう稲田」「繊細な温度管理をする男が、心の温度はうまく測れない」という対比が面白いです。
ただし、稲田が何故そこまで「計算」に拘るのかという理由付け(家庭環境、トラウマ、成功体験・失敗体験)が明示されると、感情移入度が上がるでしょう。終盤で彼がシンプルな表現へと踏み出す場面で、その変化がより強い意味を帯びます。

- **サブキャラクター(小鞠や部員たち)**:
小鞠は二人の心情を映す鏡であり、程よい距離感でストーリーに「リアクション」を与えています。
妹弁再現同好会、出し殻再利用研究会といったユニークなサークル設定は雰囲気づくりに貢献。ただ、やや内部ネタが多く、冗長に感じる箇所もあるかもしれません。必要な部分以外は簡略化し、メイン二人のドラマをより濃密にしてもいいでしょう。

### 構成・演出
- **場面転換の多さと情報量の整理**:
各シーンが活き活きしている一方で、数多くの描写が詰め込まれています。読者・視聴者がメインドラマ(しずくと稲田の関係、しずくの純粋な創作欲求、稲田の理論武装が崩れる過程)に集中できるよう、サブ要素の情報をもう少し絞るか、場面を整理すると、より洗練された印象になるでしょう。

- **謎のカケラと誤解のスパイス**:
稲田がほうれん草を大量に買うほど動揺するくだりなどは、コミカルでキャラクター性が立っています。ただ、視聴者が「なぜそんな極端な行動を?」と首を傾げるかもしれません。ここは稲田の心中モノローグを少しクリアにしたり、彼が不器用な感情処理をする性格だと前もって暗示する描写を増やすなど、微調整があると自然に受け入れられます。

- **クライマックスおよび余韻**:
最終話での「花筏」や「桜鯛のお茶漬け」は、二人の集大成として十分に機能しています。「引き算の料理」と「素直な気持ち」が、稲田としずく双方が成長した証として描かれ、読後感も爽やかです。
できれば、しずくが「ひとしずく」と名付ける背景や、稲田があえて単純な工程にした理由がわずかに補強されると、テーマ性がより際立ちます。

### 文体・脚本技術
- **台詞回し**:
基本的に自然で、しずくのふわっとした直観的言動と、稲田の硬質な台詞の対比が面白いです。
ときおり、前世ネタや萌え要素(妹属性など)のギャグ調ディテールがテンションを緩和していますが、それが物語の軸(恋愛・成長ドラマ)を邪魔しない程度に調整できるとよりよいです。

- **ト書き**:
場面イメージが沸きやすい詳細な描写が多い点は良いですが、映像脚本としてはもう少し簡潔にできる箇所もあります。読みやすさとイメージしやすさのバランスを調整しましょう。

### まとめ
このシナリオの強みは、食材と人の心情・関係性を巧みに織り交ぜていること、四季と成長をリンクさせた構成、そして二人の不器用なラブストーリーが料理という共通言語で徐々に紡がれていく点です。改良すべきは、登場人物の行動原理をもう一段深く掘り下げ、読者がよりスムーズに感情移入できるようなバックグラウンドの提示や、情報量の整理です。最終的には、しずくと稲田が「計算」と「感覚」を超えて、シンプルな「想い」を料理で伝え合うフィナーレにたどり着く構造は完成度が高く、映像化・アニメ化しても魅力的なストーリーになると感じます。

o1

本文をよく知っている私からすると、「適切すぎる」という感触です。
どの改善点も、しっくり来ています。今すぐ改稿したくなるぐらいです。
昔ClaudeやGeminiにもいろいろフィードバックを聞きますが、ほとんどが褒め言葉でしたが、o1は9割が指摘と改善です。
o1は従来のモデルたちとは、何かが根本的に違います。
これぞ思考できる、次世代モデル。
これでよくわかりました。

終わり

o1のこと、数学しかできない美学センスのない理系生かと思っていましたが、大きな間違いでした。
o1は、絵心もあります
会話するとところどころに思考の痕跡が見えて、すごく頭いいなと思います。また、今回試すケースでは、ほとんどが「一回だけの思考」で出してもらっています。これが難しい設定や展開を考える時に、思考を複数回重ねることで更に化けるでしょう。
Claudeに比べると想像力が負けている感がややありますが、論理性と想像力のバランスが取れていてます。
Claudeとの共同戦線が張れそうですね。
だが、毎週50回の制限がきつくて、安心して試せないですよね笑
本格的に3万円のProプランを試そうか、悩み始めました笑。

#ChatGPT
#o1
#AIライティング
#AI創作

いいなと思ったら応援しよう!