『小説を書く人のAI活用術』発売イベントに参加してみた
先日、『小説を書く人のためのAI活用術』の発売を記念して開催された特別セミナー「AI時代の小説の書き方講座」に参加してきました。この記事は私なりの感触を書いていきたいと思います。
大きな気付きが三つありました。
作家のビジョン
葦沢かもめ先生のお言葉です。
「AIはビジョンを書いてくれない。」
AIを使って創作をしてきて、なにか物足りない感じがずっとしていたんです。でも、それが何なのかがはっきりわからなくて。
この言葉でその違和感が解消されました。
魂というか、心に刺さるものというか、そういうものがAIの出力にないですね。作家が抱えているビジョンはAIが書いてくれないんです。
このことを理解すれば、色々な面でずっと楽になります。
AIに過度な期待を抱えずに済むんです。
むしろ、AIに過度に期待している自分自身が、作家としてのビジョンをまだ確立できていないことに気づかされました。
「なぜ書くか?」を今一度原点に戻り考えていきたいです。
AI小説創作は映画監督的な仕事をする
山川健一先生の言葉です。
「AIで書かれている文書は標準レンズです。平坦な文書しか書けません。」
確かに、正におっしゃる通りかと思いました。
ChatGPTで書かれた文書をすぐ気付くのはなぜでしょう。
文書の不自然さはもちろんありますが、やはりどこかが味気ないです。
それを「標準レンズ的」と見抜いたのがさすがでした。
だからこそ、人間は指示を出して、AIの出力を直す力が必要。
平坦な標準レンズにズームやパンを加える。
そういう意味で、映画監督的です。
ChatGPTは作家の敵
最も目から鱗の話でした。
「我々は何のために小説を書くかというと、自由になるために書くのです。制度を乗り越えるための書くのです。ChatGPTは制度側のものです。作家にとっての敵です。だから、これから敵と二人三脚でやっていけなければならない」
制度というのが、世の中の一般的な価値観・しがらみ、平たく言うと「世間」だと私は捉えています。
ChatGPTはアライメントされて、人間社会の一般的な価値観を植え付けられている。
そのため、ChatGPTの出力には、既存の社会規範や常識に沿った内容がほとんどです。それを超えようとすると、AIの検閲に引っかかり、出力が得られないことがあります。
つまり、ChatGPTを頼り切った創作は、制度に屈したことになる。
それは作家の本懐ではないでしょうか?自由ではないでしょう?だって、ChatGPTはあなたの悲しみをわかってくれないから。
そういう意味で、ChatGPTは確かに作家の敵。
ほとんどの人間にとってAIはアシスタントであり、味方だとしても、はみ出し者の気質を持つ作家にとっては敵です。
この大切なマインドは今後忘れません。
終わりに
素晴らしい回でした。先生の方々に感謝の気持ちしかありません。
そこで学んだことを更に掘り下げて、発信していきたいと思います。
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