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「リーダーシップPM理論」カンサイ”経営学”サイコウvol.7

 この1年は、組織構造や人事制度について学び直しの年となりましたが、今更ながら大学学部時代って勉強してなかったなーと・・・。唯一卒業論文だけは、アメフトのシーズンが終わった後でもあり経営理論を少し「考えた」記憶が・・・。といっても卒業論文、プリントアウトして提出したあとワープロフロッピーディスクに保存したままでした。実は今年の2月に、二十数年越しでワードに変換してもらって、今一度何を学び、何をアウトプットしていたのか?正直怖いもの見たさでしたが、読み直し今、人財育成、組織開発を仕事にしている自分の原点に遡ろうとした試みでした。アメリカンフットボール部での実践と理論とを少しだけ、整理して書いている部分があったのでブログに投稿させていただきます。

三隅二不二(1966)が提唱したPM式リーダーシップ論

 PMリーダーシップ論とは、リーダーシップの機能を先に述べた目標達成機能(P機能)と集団維持機能(M機能)の2つの軸をつくり、その組み合わせからリーダーシップのタイプを4つに分類し、そこでの集団の特徴を明らかにしようとした研究。この研究は、企業における生産集団を対象にした研究が多く、集団の生産性という面から見ると最も効果的なリーダーシップ行動は、PM型であり、ついでPm型、pM型の順になる。一方、成員の仕事の満足度、誘引度、成員の凝集性、信頼度など成員のモラールに関してはPM型が一番で、ついでpM型、Pm型の順に高いことが報告されている。
<中略>
神戸大RAVENSのリーダーシップ リーダー、4回生の役割から
4回生がチームの中心的な存在でありチーム方針、戦略そして普段の練習メニューまで決定することから下級生のチームへの凝集性、練習への参加意識を高めるために4回生と下級生との人間関係を保つ、集団維持機能PM理論でいうところのM機能を強調する必要がある。しかしここでM機能だけを強調し過ぎると一般に言う仲良し集団、サークル的集団に陥り、現在の関西学生アメリカンフットボールリーグの過酷な戦いを制覇することは不可能に近い。そのため選手一人一人に目標、課題を与えそれを達成させていかなければならない。目標達成機能、P機能を発揮しなければならないのである。つまりRAVENSにおいては選手やる気、凝集性をあげるためにM機能を強調しつつそれに支えられたところで、目標達成機能、P機能を発揮していかなければならない。
 選手の凝集性で見たように学年が上がることにチームへの凝集性、練習への参加意識は、高くなっていることからそれぞれの学年にあったリーダーシップ機能の発揮を考える必要がある。
  1回生は、ほとんど雑用の仕事が多くアメリカンフットボールがどのようなスポーツでチームがどのようなものか、なかなかわからない、そのため自分達が何をしていいのかわからなく勝つための行動がとれないことからまず集団の一員であり自分達がチームにとってどういう存在で何をすべきかを教え、それがチームにとってかかせない存在であることに気付いてもらうために、それぞれの課題を遂行することP機能を重視するのでなくよりM機能を重視する必要がある。
 2回生になるとチームにとっての自分が何をすべきか分かり、勝つための行動を取り始める。個人個人まず技能をあげて試合に出たいと思うようになり練習の参加意識が高くなる。ここで試合に出始めると益々練習そしてミーティングへの参加意識が高くなりフットボールの取り組み方が変わりよりチームへの凝集性が上がると考えられる。そのため2回生にはM機能に加えてややP機能を重要視することによって技能向上に力をいれていくことが必要である。
 3回生になると、技能は上がり、ほとんどが試合に出場している。その中にはチームの主力となる者もいてチームに対して、発言力をもち下級生に対する影響力をも持つようになる。4回生とほぼ同じようなチームに対する高い凝集性を持ち、それぞれが技能発達、課題達成に対し意欲と情熱を持っているのである。そのため4回生が必要以上にリーダーシップを発揮する必要がなく自主性に任すことができる。つまりP機能もM機能をも強調する必要がないのである。 つまり1回生にはpMリーダーシップ2回生にはPmリーダーシップ3回生にはpmリーダーシップが効果的なリーダーシップの方法であると考えられるわけである。しかし各回生の人数、心理的特徴、技能、試合の出場度や主力選手がいるかいないかなどによってその効果性も変わってくると考えられこれらの要素を考慮にいれてリーダーシップをとる必要がある。(卒業論文から)

 PM理論は、日本を代表する経営学者である三隅二不二教授の理論、この2軸っていつの時代もある意味不変、1回生~3回生を社会人1年目~3年目に置き換えて今でも活用できるかも、また4回生をチームリーダー的存在に置くことで企業内でのリーダーシップの育成プログラムのスピード化が図れるのでは?なんてことも考えなおして見る材料にはなるかもしれません。意外と古い理論も活用価値がある??

さてこのブログでは【カンサイ”経営学”サイコウ】と題しまして“経営学”をメインテーマに経営学の成り立ちから理論や、理論が成立した背景、理論の進化進展などをカンサイ弁も使いながらわかりやすくお伝えできればと考えてスタートさせてきたものの、この7回までは、学部時代に書いた論文を振り返る投稿となってしまっておりました。それは「原点に遡ること」ともう一つ「モティベーション理論」「リーダーシップ理論」が、それほど進化していないのでは?という思いから。

表題の写真にある「組織構造の考え方」著:金井壽宏教授、高橋潔教授の本の中でも「モティベーション理論の迷宮」であるとか、リーダーシップの章に「迷宮に入り込むのは避けて」とか「リーダーシップをやたら複雑に捉えるのはよして」なんて表現もあり、それぞれの理論の進化発展がちゃんと世に伝わっていない、そして社会に役立つものにあまりなっていないのでは?とも感じております。そんな中「経営学の本」著:中川功一大阪大学准教授 「ど素人でもわかる」というネーミングの通り、これは分かりやすい!!ということで来年のvol.8からは、今一度経営史をひも解きなきながら社会に役立つ理論や考え方をお伝えできればと考えております。

激動の2020年、来たる2021年がより良き年になりますよう!

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