
【暇人日記】街じゅうの秋をかき集めに行く
今年は寒暖差が少ない影響で、木が綺麗に色づかないようだ。
そういえば、家の近くの銀杏の木もまだまだ緑で色を変えそうな気配も全くない。
あたたかく過ごしやすい気温ではあるものの、
なんだかぱっとしない天気が続くし、
「秋だなぁ」としみじみした回数も、
例年より少ない気がしている。
「秋だなぁ、今日も寒い寒い」と思いながら澄んだ空気の中、
喫茶店に入って、ホットコーヒーを飲みたいのに…!
なんだか、自分から秋を見つけにいかないと、
秋と出会えないまま冬になってしまう気がするので、
秋を見つけに行こうと思う。
紅葉シーズンは、多分私の住む場所では12月上旬頃なのだろうが、
12月では絶対にだめだ。わたしの気分的に。
わたしのなかでは12月はもう完全に冬で、
色づく木々を見て「きれいだなぁ」と思っていても、
12月であることを思い出した瞬間に、気持ちが一気にしらけてしまうのだ。
だから今しかないと思った。
街中の秋をかき集めてこようと思う。

いちょうの木はまだまだ全体的に緑だったが、
黄色くなったものが数枚地面に落ちていた。
黄色くなることができなかったのか、
緑のまま落ちることもなく、枯れかけているものもありかわいそうに思う。
一足早く黄色になって落ちたいちょうからは、心なしか「お先にごめんなさいね」
みたいな申し訳なさが伝わってくる。




黄色くなってる〜!街に溶け込む紅葉がとっても好きです。

行きたい展覧会があったので、最後に銀座に寄ったのだが、

葉っぱが赤く染まってて何もしなければ「THE秋!」なのに、
秋が終わりきらないうちから、冬を着せられていた…
これはこれで、上品で綺麗だったのだが、
秋を探しに行ったのですこし複雑な気持ちになる。
用事のついでに、都内で秋を探すことにしたのだがまだ早かったようだ。
また、都内という秋を探すには難易度が高そうな場所を選んでしまったので、
もう少し秋が深くなったら、もう少し違う場所でもう一度秋をかき集めに行きたい。
思っていたほど、秋が集まらなかったので、
秋らしいデザインのお茶を買って、
足りない秋を埋めることにした。

このお茶で今日一番秋を感じられて、
なんだかすこし悔しい。
写真には残せなかったのだが、
そういえばすごくすてきな秋を見つけたことを思い出す。
道端ですれ違った、旅行中であろう海外の女性の方が、
地面に落ちているいちょうの葉っぱを一枚、
うれしそうに拾い、持って帰る瞬間を見た。
途中でまた地面に戻されてしまう可能性も大いにあるが、
もしも、もしもその方がその銀杏を本に挟んでしおりにして、
そのまま一緒に飛行機に乗って、
たくさんの国境を超えて、
ここから遠い遠い場所へ行くという未来が
あの銀杏にあったらいいな、と想像をした。