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【暇人日記】暇人、ラッパーに思いを馳せる

きっかけは些細なLINEだった。

家族LINEにて。父からのメッセージ。

「え、ラップ?」

LINEを開いた時、ラップ調でこの文章が脳内再生されてしまったため、もうラップ以外には見えなくなってしまった。

会ってないうちに、普段真面目な父が変わってしまったのか?と思いつつ、
1人でにやけながら「ラップ?」と返信をする。

だが、家族の誰にもこの面白さが伝わらなかったらしく、
それ以前にこの文章がラップ調に見えるいうことすらも伝わらず、
「こんなに面白いのに。」と1人残念な思いをした。


この些細なLINEのせいで、
昨日からわたしの頭の中はラッパーでいっぱいだ。

よく考えたら、天才的な職業だと思う。
あまりラップに詳しくないので、たしかなことは言えないが、
瞬時に韻を踏む文章を考えて、それをリズムにのせる。
頭の回転の速さと、リズム感のどちらも求められている。(ように見える。)

以前友人が猛烈にラップにハマり、
その影響でわたしもなぜかラップバトルの動画をいくつか見せられた。
そのときも確か、「すごいなぁ」くらいにしか思わなかったのだが、
やはりすごい。すごすぎる。
形容する言葉が変わっていないが、すごいという言葉に込めた重みは、あの時よりもずっと深い。


お風呂の中で考えた。
ラッパーとして長年を生きた人は死ぬ間際何を思うのか。
「たくさん韻踏んだなあ」
とかだろうか。
そう思いながら人生を終えたラッパーがもし今までにいたのなら、すてきだなと思う。

たくさん笑ったな、でもなく、
たくさんおいしいものを食べたな、でもなく、
"たくさん韻を踏んだな"

なんだか軽やかで、楽しそうで、それでいて文学的。

あるいは、「普段はどんなことをされているんですか?」
という質問に
「普段は…韻を踏んでますね」
と、さらっと趣のあることをいうことだってできてしまいそうだ。
とても涼しげな顔で。


いいなぁわたしも韻を踏みたい。
そう思って、昨日からずーっと考えているのだが、なんにも思いつかない。
ひねりだしてひねりだして思いついたのが、
アイスとライス。
なのだから自分に笑ってしまう。

やっぱりラッパーは天才だ。

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