XF10 レビュー
富士フイルムのデジカメで「XF10」という機種がある。Xプレミアムコンパクトに位置づけられた、いわゆる高級コンデジに属するカメラだ。
小型軽量ボディにAPS-Cサイズの大型センサーと28mm/F2.8の単焦点レンズを搭載している。液晶モニターはタッチパネルで、スマホと同じ感覚で撮影できる。
気軽さと高画質を両立した一台である。
大きなカメラ(たとえば一眼レフやミラーレス一眼)は持ちたくない。荷物は少なくしたい。でも画質には妥協したくない。そんな人にはこのカメラがおすすめ。
ただでさえ荷物が多くなりがちな小さな子どもを育てているお母さん、お父さんにもいいんじゃないかな。キレイな写真が撮りたくても、オムツとかミルク(あるいは離乳食)、着替えを持った上で一眼レフも持ち歩くのは苦痛であり現実的ではない。ちょっとお散歩とか近場の公園で遊ぶとか、そんな日常の記録もこの小さいボディなら簡単に残しておける。
このカメラの特長は大きく二つあると思っている。一つは、スマホのカメラみたいにシンプルな操作性なのに、撮れる写真はデジタル一眼と同等ということ。もう一つは、BluetoothとWi-Fiによるワイヤレス通信で、撮った写真をスマホに自動転送できること。
なぜデジタル一眼と同等の写真だと言えるのか。それはセンサーの大きさがデジタル一眼と同じだから。さらにそのセンサーにあわせて搭載された焦点距離28mmの単焦点レンズがいい。下手なズームレンズよりも単焦点レンズのほうが解像感の高い写真が撮れる。
実際に使ってみた感想だが、動きがもっさりしていてキビキビ動く感じはまったくなかった。位置づけとしては〝高級プレミアム〟だが、ほかの製品よりも廉価な部品が使われているのかと思ってしまうほどだった。
それでも出てくる写真の質には満足している。やはりセンサーとレンズがいいからだろうか。スマホと違って余裕が感じられる。
自分はRAW現像はしない撮って出しJPEG派である。何もしなくても人の肌の色がキレイに出てくる。特に赤ちゃんの肌色が好み。もちっとした質感が伝わり、ついついプニプニしたくなってしまう。
自動転送機能も便利である。いままでの機種では Wi-Fi で接続してから写真を選び転送という手間をかけなければならなかった。だがこのカメラは、Bluetoothでペアリングされたスマホに勝手に写真を保存してくれる。いちいち送る手間がなくていい。写真の良し悪しはスマホの画面で判断すればいいわけだ。ちなみに自分は、常時転送はオフにして、カメラの電源を切ったときに写真が転送されるようにしている。
XF10の魅力まとめ。
・大型センサーと明るいレンズでノイズが少ない写真が撮れる。
・スマホと同様のタッチパネルによるシンプルな操作性。
・Wi-FiとBluetoothによるスマホとのワイヤレス通信。
これらの特長に魅力を感じたなら、手に入れても損はしないと思う。