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ONE MAN SLAM vol.2で読んだ「栄の片隅で妖精に魔法をかけられた」


名古屋で開催された「ONE MAN SLAM vol.2 7/22@DreamCube」に
エントリーしてきました。
内容はざっくり言うと今、名古屋のシーンで絶対的な強さを誇る
MCにして詩人のししどさんと15人のスラマーが1戦ずつ戦うというものです。
スラマーとしては駆け出しの自分がどこまで戦えるのか
そして、名古屋のシーンの皆さんにはどう評価されるのか楽しみでエントリーしたのが経緯です。

さて、詩の内容についてはもともと用意してたものもあったんですが
直前に名古屋が誇るサウナカルチャーのシンボルウェルビーの栄店で
アウフグースを受けた時に思わず詩が降ってきたのをテキストに落とし込みました。リハ中も作業しててすみません。
サウナには詩とコトバが詰まっているということをまた実感しましたね。

タイトル:栄の片隅で妖精に魔法をかけられた

名古屋の繁華街 栄
その片隅にあるサウナ
ウェルビー栄

そこはフィンランドのサウナカルチャーを
この土地に落とし込んだ空間

至るとことろにある白樺を束ねたヴィフィタはかぐわしく
フィンランドの森の中にいる気分にさせてくれる。

さっそくメインのサウナに入ったものには
2択を迫られる
右へ進めばテレビのある日本らしいエリア

左に進むと小川のせせらぎなどの自然音が瞑想をさそうエリア

フィンランドの空気を味わいたい私は
当然左のエリアへと進む

ちなみに外国のサウナーは日本のサウナにはテレビがあることを聞くと驚く。
これは日本独自の文化だそうです。

時計は14時をさそうとする時、サウナ室がざわつきだす。

フルネイキッドなおっさんであふれた空間に一人、
小柄なTシャツ、短パン姿のスタッフが降り立つ。
本日の熱波氏、専門用語でいうところのアウフギーサーだ。

「では、時間になりましたので14時のアウフグースを始めさせていただきます」
空気がピンと張り詰める。
式典に現れた僧侶への敬意のように
裸のおっさん達はお辞儀をする。

アウフギースというのはサウナストーンにアロマ水をかけて
発生した蒸気をタオルであおいでサウナの体感温度を爆上げするサービスだ。

「本日、アロマ水はカモミールになります。」
「おおー」と静かなレスポンスがこだまする。
カモミール、それはアロマ界のキングの名前。

全裸のおっさん達は敬意とともに王の前にひれ伏していった。

熱波氏がすっと、金属製のひしゃくを取り出した。
それはひしゃくと呼ぶにはごつすぎる見た目で
矛や大太刀のような長さだった
例えるならリーチを通常の3倍にした街中華のオタマといったところ

桶のアロマ水をひしゃくですくい
ゆっくりと敷き詰められたサウナストーンへといきわたらせる。
ごーーーとサウナストーブは音を響かせていく。

それは森の神の伊吹がサウナ室の中に響き渡るようだった。

「これからサウナのなかを蒸気で充満させていきます。温度は変わりませんが熱が伝わりやすくなり、体感温度は劇的に上がっていきます。」
熱波氏は続ける。
「本場フィンランドではサウナを蒸気で充満させることや蒸気自体をロウリュウと呼びます。
蒸気には森の精霊や妖精が宿ると言われています。」

アロマ水をかけ終わると、熱波氏はサウナストーブの前でじっとたたづみ、深く頭をさげる。
裸のオッサン達もそれに習う。

僧侶やシャーマンの儀式のような時間が過ぎると
どこからともなく、熱波氏はマントのような大きなタオル取り出す。

まずは小さいモーションの湘南の風のようにタオルをぐるぐると回す。
だんだんと動きは大きく、縦横無尽になり熱波氏はサウナ室のなかを所せましと
動いていく

徐々にタオルが意思をもった生き物のように動き出す。

熱波氏とタオルがワルツを踊っている。
振り回すタオルからは灼熱の熱波が体に降り注ぐ。

それはさながら深い森の中、妖精が踊りながら
魔法の光をふりまいていくかのようだ。

熱波氏のふりまく魔法にかかると体の内部から外部に汗が吹き出ていく
汗の水圧で毛穴が広がるのがわかるようだ。
汗と一緒に日々のストレスが外部に放出されて、
感性だけに意識が集中していくのがわかる。

これも妖精の魔法のせいだろうか
サウナ室に集まる裸のオッサン達は幸せそうな顔をして
水風呂に向かい整っていった。

だから、皆さんサウナに
ウェルビー栄に行きましょう。
*********おしまい***************
実際の朗読はM1NAZUK1提供のビートに載せて朗読しました。
最近、ビートに載せて朗読する方が調子いいんで
今回はビートスラムを選択。

とはいえ相手はいけいけMCでもあるので
DJ崩れの経験不足な駆け出し詩人がか敵うわけないので
DJらしい手法で音を切るなどのテクニックを駆使して挑みます。

結果、見事に会場票では勝って大勝利と言いたかったんですが
時間オーバーもしてたので、審査員2人の票をもらえず惨敗、、、、、、
やっぱりアラがでちゃいましたね
今後とも精進します。

戦ってくれたししどさん、企画・運営チームのみなさん
ありがとうございました。


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