2020年12月、本社移転しました。
当社は2020年12月15日をもって、10年以上親しんだオフィスを離れて、本社を移転いたしました。新しいオフィスは、熊本県人吉市相良町にある「まち・ひと・しごと総合交流館くまりば」です。館内にある2Fのサテライトオフィスの一画に移転させていただきました。
なぜ、くまりばに移転したのか?
2018年11月22日に、熊本県人吉市と包括連携協定を締結いたしました。
具体的な内容は以下の通りです。
2004年2月人吉市で創業して以来、正直、地元に貢献できていたかというとそうではありません。当時は零細企業でしたのでとにかく自分たちのことで精一杯でした。地元のお祭りなどには積極的に参加してお手伝いしてるのですが、出張が多く全国を駆けずり回ってたせいか、地元にいると「地元を捨てた男」などと揶揄されたりもしました。
必死でビジネスを行うなか、社員数も30名を超えたあたり、ちょうど2016年に熊本震災が発生しました。私たちの転機とも言えるこの災害で当社は1ヶ月以上にわたる現地ボランティアを経験しました。そこで地方創生や地域貢献に関わる意義を感じたところです。
実は当社は創業以来、本社のある人吉市と仕事を行ったことがありません。理由は色々あるのですが、今回、人吉市からIT企業の拠点整備や誘致支援のご相談をいただいたことがきっかけで、私たちが何かこれまで経験したことや考え、お付き合いしてきた人脈で人吉市に貢献できないかと考えた次第です。
包括協定にあるように、人吉市から改修した施設へ入居しIT企業誘致に自ら協力して欲しいということから、今回移転を決めた次第です。視察が相次ぐ中、ショールーム的な役割も果たしながら、人吉市の良さを語り部として伝えていきたいと思います。
ただ、正直、家賃はかなり上がりましたし、人吉市にご迷惑だけはおかけしないように、自分たちが入居するエリアは100%自費で改修しました。
令和2年7月豪雨
人吉市は、これまでもスマートシティ構想の一環として、過去にIoTハッカソンを3回実施するなど積極的にIT企業との関わりを深めてきました。同時に、関係人口として携わっていただいたIT関連企業の誘致にも努めてまいりました。当社は、地元の数少ないIT企業として、この活動に賛同し微力ながら誘致活動に協力してまいりました。ようやく入居企業が数社内定し、これからこの施設が盛り上がる矢先に「令和2年7月豪雨」による災害が施設を襲いました。2020年7月4日のことです。
この災害により、施設の1Fは1m近く浸水。地下にある温泉は浸水と汚泥で埋まってしまいました。さらには電力を供給するキュービクルも水没し、人吉市内が電力復旧後も館内は停電したままでした。
しかも、公共施設ということもあり、他の公民館同様、復旧のための対応は一番最後になるということになりました。
そこでこれまで関係人口として関わっていただいた方々が急遽ボランティアとしてお越しいただき、汚泥の残る施設の普及にご尽力いただきました。その数、延べ人数で400名。猛暑でしかも停電している施設を汗だくで清掃していただく姿に、感謝しかありませんでした。
当社が入居する予定だった2Fは、被害こそ免れたものの、先に記載した通り電力の復旧を待ってから改修工事を再開、当初計画から3ヶ月遅れでの移転となった次第です。正直、被災した場所に移転することはどうなのだろうかと悩みましたが、関係人口創出を掲げる人吉市の後押しができればと決断しました。
これからも、「地方から革新する企業」を数多く支援していきたいと思いますし、もっともっと多くの起業家がこの人吉市という地で生まれてほしいと思います。都会の企業と地方の企業の橋渡しをしながら、私たち自身も九州の中小企業の皆様の縁の下の力持ちになれるように引き続き頑張っていきたいと思います。